『悪夢を望む女』
「お前は何が望みなんだっ…!!」
目の前で高笑いをしている女に問いかける。女は笑みを崩すことなく、俺を見下した。
「んー?私はねぇただ面白いことが起こってほしいだけ。だから、誰が傷つこうが死のうがどーでもいいんだよねぇ」
そう笑う女に怒りが湧いてくる。足に力を込めなんとか立ち上がる。
「お前を野放しにはしておけない…!!」
「さっすが期待の新人!そうこなくっちゃ!!」
武器を構えた俺に女はますます笑みを深めた。
「さぁ!とびっきりの悪夢を楽しみましょう!!」
【夢見る心】
『倒す覚悟』
あの組織は更に力をつけた。組織の記憶を消した奴らまでも組織の一員として戻し、新たな戦力としている。
そして、あの子もますます新しい力を手に入れている。……それを組織に利用されていることも知らずに。
俺の声はもう届かないだろう。"敵"として認識されてしまった俺の声は。
それでもあの組織を放っておくことは出来ない。このままでは世界が壊されてしまう。
だから……
「俺がやるしかないのか…」
手の中にある黒い銃が鈍く光った。
【届かぬ想い】
『くそったれな神様へ』
拝啓、神様
どうかお願いごとを聞いてくれないでしょうか。ちっぽけな人間のお願いごとです。
あの子を、人の幸せを願えるあの子をどうか救ってください。
あの子は「私は生まれてくるべきじゃなかった」と言っていますが、私はそうは思いません。彼女も、そして彼女を産んだ母親も被害者なのです。悪いのは全てあの組織なのです。
貴方様が産んだ命。どうか最後まで守ってくださいまし。
【神様へ】
『久しぶりにあの山へ』
勢いよくカーテンを開ける。空高く登っている太陽が部屋の中を照らした。窓ではてるてる坊主がにっこりと笑っていた。
「ほら起きて!もう朝だよ!」
ベッドで寝ている彼の体を揺らす。彼は唸りながらも目を開けた。
「んん…なんだよ……」
「ピクニック!ピクニック行こうよ!あの山に!」
あの山というのは、小さい頃からよく行った山のことだった。小さい頃はよく親に連れて行って貰ったが、大人になってからは久しく行ってなかった。
私の言葉を聞いた彼が嫌そうに眉を寄せた。
「はぁ?今日?嫌だよ、疲れるし…」
「えー!そんなこと言わずにさ!ね、お願い!」
「帰りは私が運転するから!」という言葉も付け足すと、彼は渋々といった感じで了承してくれた。やったー!と喜ぶ私に彼はふっと笑った。
「あのこくわの実また撮ってね!」
「はいはい」
【快晴】
【遠くの空へ】