紙月

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5/18/2025, 11:19:37 AM

まって

今日食べたご飯の味

不意に聞こえてきた心地いい音楽

たった一回会ったっきりの、気が合いそうな人たち

言いたかったけど、言えなかった言葉たち

早くしないと忘れちゃう

どうしてこんなにも時間の流れは早いの

心に残すまでまってよ

5/17/2025, 4:12:35 PM

買いたての自転車で走る

いつもの道は

まだ知らない世界

5/7/2025, 8:17:29 AM

すれ違った人の口笛が、なぜだかラブソングに聞こえた。

知らない誰かの息遣いが、胸をくすぐる。

「憂してる」とも「忘れないで」とも違う、言葉にならない優しさが、空気に溶けていく。

ほんの一瞬、世界が甘く染まった。

3/20/2025, 3:23:45 PM

その日は、母の葬儀だった。

準備や諸々の手続きに忙殺され、葬儀中はお決まりの言葉や尚香の際のお辞儀に応えなければならなかった。
そのため、悲しむ余裕さえなかった。 
葬儀は残された人のためにあると思うが、僕自身のための時間は取れなかったように思う。
それが悲しいへの防衛手段だったのかもしれないが。

葬儀が終わり、僕はやっと煙草を吸うために、外に出ることができた。
身も心も疲弊した僕とは反対に、空は青く透き通っていた。

煙を吸い込み、吐く。
灰を落とす。
この一連の動作が、今の僕には何よりも必要だった。

落ちていく灰を目で追っていると、アスファルトの上を歩く2匹のてんとう虫を見つけた。
2匹は横に並んで、一生懸命に歩いていた。
その姿に親子の姿を映し見てしまうのは仕方なかった。
2匹の距離は近く、手が重なる瞬間には、手を繋いでいるように見えた。
その繋がっている手には、母子という動物本来の力強さがあった。

歩いたことに満足したのか、1匹が飛び立とうとした。
しかし、もう1匹は羽を広げることはできなかった。
何とか一緒に飛ぼうと、もう片方が懸命に手を引くが、それは叶わなかった。

少しの間2匹は、向かい合っていた。 

その後1匹は、もう1匹を残して飛び立っていった。
名前の通り、太陽へまっすぐと飛んでいった。

太陽の光が目に入ってくると同時に、涙がこぼれた。
もう1匹のてんとう虫は、手を振っているように見えた。


3/1/2025, 8:52:07 PM

こないだ見た夢だ。

大学生活を謳歌し、暇を持て余している僕が見るには、
あまりに想像力豊かな夢だったように思う。

〜〜〜
それは深い森の中だった。
鬱蒼と生い茂る雑草を掻き分け、僕は当てもなく進んでいた。
草たちはお化け屋敷の小道具のように薄気味悪く肌に触り、木たちは迷惑そうな様子でこちらを見ていた。

なぜ僕がこんな目に遭わないといけないのか。
なぜみんなそんな顔をするのか。

僕だけが世界から、宇宙から切り離された感覚だった。
森の中にいても、目には見えないが、そこには確かに壁があった。

僕はその壁を壊そうと叩きまくった。
何度も何度も叩き、砕けた破片が拳に刺さって、透明な血を流した。

それは暖かな涙だった。
涙そのまま僕の体を伝い、溶けた雪のように地面に染み込んだ。

すると小さな芽がでた。
とても小さいが、これから大きくなることを予感させる力強い芽だ。

その芽は段々と成長し、大木となった。
そしてその大木を中心に森は、よくあるような自然な森へと変わった。

もう薄気味悪い草も、迷惑そうな木もいない。
みんなそこに存在していて、僕はその息遣いを感じることができた。

僕は深呼吸をした。
木々の間を通り、草の匂いを運ぶ風のように。
〜〜〜

そこで僕は目を覚ました。
なんかよくわならない夢だったなあ、、

外では、葉がさらさらと音を立てて揺れていた。

ああ、もうすぐ春か。
芽吹きのときだ。

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