真坂 より道

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1/21/2026, 1:57:16 PM

老いぼれたじいさんが、居酒屋で楽しそうに叫んでた。

「あー、今日も生き延びたなあ、、
変わり映えしない1日だったけど、なんとか生き延びた

ほんと特別な夜だよ
こんなにもビールが美味いんだもん」

楽しそうにしつつも、どこか物悲しそうな雰囲気もあった。

きっと、想像を超えた当たり前の人生を歩んできたのだろう、、、

じいさんは居酒屋で、誰よりも美味そうにビールを飲んでた。

それは、山頂の味に違いない。


1/17/2026, 3:07:31 PM

さみーな、おい。
身包み剥がそうとしてるだろ、この風

彼は外に出た瞬間、そう叫んだ。
実は彼、さっき告白して、見事に振られたばかりだ。

あー、でも、剥いでくれたらそれでいいか。
荷物が減れば、身軽になれるし。
そもそも、何も持ってない方が強いんじゃね?
おれ、ミニマリストになるわ!

そう言って、ゲラゲラ笑った。
木枯らし。彼の理想もプライドも、ぜんぶ持っていったらしい、、、

けれどその笑顔は、春を先取りしたようにあたたかくて、どこか、冬を越える準備をしているようでもあった。

1/9/2026, 5:40:14 PM

三日月は欠けてなんかいないわよ。
地球が隠してるだけ。

なんで?
さあ、なんででしょうね。

、、、

月だって、あまり光ると疲れちゃうのよ。
ほら、蛍だってそうじゃない?
影がないと、休めないのよ。

あなたは月の影に何を映しているの?

彼女はそう言って、煙草の煙を吐いた。
唇から零れた煙は、月へと上っていった。

1/5/2026, 10:13:22 AM

冬晴れといえば、絶対に吹雪だ。

広大な青空と光り輝く雪を浮かべたくなる。
でも絶対に、冬晴れは吹雪だ。

だって、冬が生き生きしてる感じがするじゃない?
晴れた日の冬は、冬の外にいる気がする。
吹雪は、冬の中にいる。

晴れも吹雪も天気だけど、つまりは気の持ちようだよ。

晴々とした吹雪を感じよう。
そこに天気がある。

11/22/2025, 4:26:37 PM

偶然だった。
出張先のホテルで、元カノと再会した。
実に、四年ぶりのことだった。

お互い、挨拶だけで済ませるつもりだった。
けれど、顔を合わせて話しているうちに、懐かしさがこみ上げてきて、気づけば近くの居酒屋に入っていた。

別れ方は、悪いものではなかった。
それでもふと、「なぜ、別れたんだっけ」と思ってしまうほどに、彼女は魅力的に見えた。
当時の僕には、それが見えていなかったのだろうか。

「惜しい気もするけど、別れたことに後悔はないよ」
二杯目のビールを飲みながら、花火大会のあとみたいな顔で、彼女はそう言った。

その晩、夢を見た。
彼女が、僕のホテルの部屋にやってきた。
驚いてドアを開けたが、彼女は何も話さなかった。
けれど、その顔は、言葉以上に雄弁だった。
僕は言葉にならない感覚で、彼女の気持ちを理解した。

彼女は、目を閉じていた。
僕は、なぜか部屋に置かれていた口紅を手に取った。
それは、彼女が昔よく使っていた色だった。
僕は、そっと彼女の唇に紅を塗った。
そして、彼女は何も言わず、部屋を出ていった。
記憶に、紅色だけを残して。

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