終わらない物語
タロットカードの13枚目『死』。
嫌な意味を連想するこのカードには
「変化」という意味もある。
「終わった、、」と思う瞬間。
何かが死に絶えるが、それによって変化が起こる。
その後、物語は終わってしまうのだろうか。
新しい章を始めるためのエピローグではないのか。
物語を終えてしまうかどうかは自分次第。
新しい章を想像し、いい終わり方にしようとするのも
自分次第だ。
物語は終わらない。
例え、物理的に死んでしまったとしても、
それを観測した誰かが紡ぎ続ける。
本を書き、本棚を埋め、図書館を建てるまで。
アカシックレコードもこんな感じなのかもね。
人は透明な涙を流すことができる。
しかし、人も自分もそれに気づくことは少ない。
多くの場合、それは知らず知らずのうちに流れている。
人知れず降り、静かに溶ける雪のように。
その溶けた雪は、心のような空模様を映し出すのだ。
嫌なことを言われても空気を読み、愛想笑いしてる時。
ダメと分かっていながら、自分を止められない時。
生きるために、自分を傷つける時。
その涙は、確かに流れている。
傷を癒すように、そっと優しく。
透明な涙に気づくには、より多くの色を与えてやる必要がある。
色は世界中にある。
自分の心にも、相手の心にもある。
自分に合う色を探し、透明な涙と一緒に流すこと。
虹はそうやって見つけるのだ。
静寂が包む夜の街路
ふと目を瞑ると頬を撫でる優しい風を感じる
星空の囁きのような美しいその風は
たくさんの匂いを運んでいる
どこかの家のお風呂の匂い
賑わってきた居酒屋の匂い
美味しそうに吸われている煙草の匂い
そして目を瞑る時に溢れた、私の涙の匂い
この風は今日も人の想いを纏う
それは巡り巡って、あなたのもとへ
前から歩いてくる人とぶつからないように、「そっと」ずれてみる。
後ろの人が見えるように、「そっと」座る位置を変えてみる。
左の人が濡れないように、「そっと」傘を傾ける。
右に座ってラーメンを食べている人が左利きなので、「そっと」自分も左手で食べてみる。
この世界はそんな「そっと」で溢れている。
綺麗な自己満足の、綺麗な偽善。
時には「何で私だけが気を遣わなければいけないの」とイライラすることもあるかもしれない。
そんな時は夜空を見上げてみよう。
「そっと」月が輝いているから。
ーそっと