紙月

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人は透明な涙を流すことができる。

しかし、人も自分もそれに気づくことは少ない。

多くの場合、それは知らず知らずのうちに流れている。

人知れず降り、静かに溶ける雪のように。

その溶けた雪は、心のような空模様を映し出すのだ。


嫌なことを言われても空気を読み、愛想笑いしてる時。

ダメと分かっていながら、自分を止められない時。

生きるために、自分を傷つける時。

その涙は、確かに流れている。

傷を癒すように、そっと優しく。


透明な涙に気づくには、より多くの色を与えてやる必要がある。

色は世界中にある。

自分の心にも、相手の心にもある。

自分に合う色を探し、透明な涙と一緒に流すこと。

虹はそうやって見つけるのだ。












1/16/2025, 4:10:15 PM