黄桜

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10/28/2023, 4:36:26 AM

紅茶の香りが苦手だ。よく体調を崩して保健室で過ごす時間が多くなった時に、先生が紅茶を淹れてくれた。
けれど、いくら紅茶が苦手だからと言って人様の気持ちを無下にする様な真似はするなと、厳しく躾られた事もあり飲まないという事は1度もなかった。でも、やはり匂いがあまり好きでは無いのだ。慣れていないからだと家に帰ってから買った紅茶のティーパックにお湯を注いだが、あの独特な香りは無かった。
次の日、私は学校に着いて真っ先に保健室に向かった。朝早い時間にも関わらず、先生は席に座っており私の姿を確認すると紅茶の準備を始めようとしていた。
だから、私はその紅茶にいつも何を加えているのか聞いた。先生は細長いスティック状の砂糖を紅茶に加えながら、ティースプーンでかき混ぜたものを私に手渡した。飲んで確かめてみるといいと、先生は私を見つめて言った。

先生の紅茶の香りは、私の体調を崩す。

お終い

10/25/2023, 10:14:17 AM

友達ってどんな人の事を当てはめればいいのだろうか。愚痴を言い合えるのが友達と言えるだろうか、それとも、同じ目的を通して高みを目指す同士の事だろうか。
これらは、果たして友達というステタースに当てはめる事ができるのだろうか。私には、友達というものがよく分からない。
なぜなら、友達というステータスがあった所で裏切られたり、それこそ自分に不利益を被ったりする人間になったら、友達という言葉そのものには意味が無いのではないかと考えてしまうからだ。
だから、私にとって人との関わりに名前を付けることは、今も今後も無いのだと思う。会社の同僚、家族、ただ、そういう風に見えたり聞こえたりしているのならそうすればいい。だって、私はその関係に名前をつけてはいないのだから。

友達という関係も、本当は意味を成さない只の言葉。

お終い

10/23/2023, 12:21:27 PM

風呂に入ろうとする時に、いつも癖で脱衣所の窓から空を見てしまう。時間帯によって色を変える空はとても澄んでいて、どこまでも続いているように見える。
けれど、風呂を出る頃にはその姿を暗闇に隠してしまう。暗闇があの色を攫ってしまった、私の好きな色は暗闇が去る時、再び色づくことだろう。

どこまでも続く青い空が、好きなのだ。

お終い

10/20/2023, 10:29:46 AM

何かを始めたいと思う時とは、自身が興味を持った事に対して時間を割きたいと思うことである。
それは、サッカー選手がサッカーを知らないで選手になるなんて事はまず有り得ないという事だ。きっかけはどうであれサッカーに興味を持てばボールを貰いシュートの練習などをする事だろう。人間は、いつだって興味を示した方向に進み成長していく。テレビで放送される番組に興味を示し、次の放送日を心待ちするように我々はいつだって気紛れに興味を向ける。気紛れ故に、我々は個性があるのだ。まるで、それは我々の始まりだと言えるのではないだろうか。

始まりはいつも、我々が。

お終い

10/19/2023, 10:24:06 AM

認識のすれ違いは、その場では気にしていなくても、いずれ目に見える程に明確な形として現れる。
恋人と手を繋ぎたい人と恋人とのスキンシップに抵抗がある人が付き合った所で互いの要求がなかなか通りづらく、次第に感情に対しての熱が季節の変わり目のように緩やかに冷め進んでいく。
結局、すれ違いと言うのは相手が理解するのに長い時間を使わねばならない言葉の選択の連続によってそれが蓄積されていった結果ということである。だが、これはあくまで私の主観であって世論では無い。周りの人間がこのような考えに必ず至るとは限らない。
それこそ、1番近くに居る家族とも本当にすれ違いは無いのだろうか。一度、何気ない会話にも耳を傾けてみるといい。小さなすれ違いが、君の頭にも流れ込むかもしれないね。

未知を学習するのは、すれ違いを受け入れる事。

お終い

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