題:刻の流れ
刻の流れとは残酷なもので、もう5月末。
もうすぐさよならですね、春。
「1年ってあっという間よね〜」
「そうですね~、もう春が終わってしまいます」
こうピーチさんと他愛のない会話をしている時間もあっという間。
夏は明後日。
ーーただいま、夏。
お題『ただいま、夏。』
題:海の向こうの貴方へ
瓶の中に手紙を入れてコルクの栓をする。自分でも馬鹿らしいと思う。
だけど。
だけど、あんなに恋焦がれるのは初めてだから。
海の上にそっと置く。波にさらわれていく手紙。
ーー虚しいな。
そう思った。想いが波に奪われていくようで。悲しくも思った。
けれど、どんなに虚しくても、悲しくても、彼女に想いを届けたい。
ーーどうか、海の向こうの彼女へ、届きますように。
その後、リンクの手紙が海の向こうの彼女ーーロゼッタに届いたことを、彼は知る由もないだろう。
お題『波にさらわれた手紙』
題:真夏の女神
『……その後、眩しい貴方の笑顔を眺めながら、星屑フラペチーノを堪能しました。
……本当に眩しい……。 お題【眩しくて】』
「へ〜、ロゼッタさん、こんなにすごい小説書いてるんだ……」
ロゼッタさんの小説を読み終わって充足感に浸っていると、水飛沫が上がる音がした。
「ちょっ、やめてよピーチ!」
「やめないわよ〜、喰らいなさい、デイジー!」
「ひゃっ!」
ピーチさんとデイジーさんの水遊びを見て、俺は此処に来た理由を思い出した。
「ああ、そうだった。海に遊びに来たんだった。てっきりロゼッタさんの小説を読みに来たのかと……」
海に遊びに来たことを忘れるくらい、ロゼッタさんの小説がすごかったってこと……だよな。
来たからには遊ばないと損……だとは思うんだけど。
「せっかく来たんだから遊ぶべき……いや、でもな……そうだな……」
チコと楽しそうに話すロゼッタさんを眺めながら、考えた。
数分悩んだ末、遊ぶことを選んだ。
(ロゼッタさんの近く行きたいし……)
今、とてつもなく変態なこと考えてた気がする……。
(靴脱ぐだけでいっか)
「あ、リンクさん!」
ロゼッタさんが笑顔で手を振ってくれる。
(本当はロゼッタさんに会いたくて来たんだけどね)
そんな事は口には出さず、待っているロゼッタさんの元へ走った。
お題『8月、君に会いたくて』
題:近くて遠い
同じ学校に通っているけど皆のスターの貴方は遠い。
触れてみたいけど遠くて触れられない。
そう、貴方は眩しい。太陽のように。
私では到底釣り合わない。今も私の前でたくさんの友達と話してる。
……笑顔が眩しい。
「ねぇ貴方、今日キノバ行かない?」
友達とキノバ行くんですね。普通に眩しい。
「ピーチ他の子と行くんだ、珍し〜」
「別に良いじゃない。それにこの子には何かを感じるのよ」
「何それ不思議ちゃん?」
あれ、友達と行かないってことは……。
「ね、行きましょ。えーっと……ロゼッタ?」
私みたいな陰を誘ってる!?
けどやっと触れられる気が……。
「で、では、お言葉に甘えて……」
「やった、決まりね!」
その後、眩しい貴方の笑顔を眺めながら、星屑フラペチーノを堪能しました。
……本当に眩しい……。
お題『眩しくて』
題:レジェンド審査!
今日は、私ーーキノピーチ含め八人が審査に出る日。
ふーっと、私は長く息を吐いた。
だって今日は……。
私がめちゃくちゃ推してる『レジェンドチーム』が審査してくれるんだもん!!(超早口)
一生に一度あるかないかだよ!?というか無いでしょ!!
「ではご参加頂いた皆さん、審査が始まりますので、移動をお願いします」
わー、もうアナウンス入った!というかこのアナウンスの声ロゼッタさんぽくないですか?神。
しかも審査バトルなんだ。今回は『風船バトル』らしいです。心臓の音すっご。鼓動が……。
「試合5秒前……3、2、1、START!」
よし来た。風船バトルは風船を割った数が一番多い人が1位ね。じゃあ私流のやり方で。
私のやり方は、ジャンプ台かグライダー場所でアイテムをとにかく投げまくる。以上!(これはリアルでもやってます)
これが当たるんだわ。審査前にも練習出来るんだけど、その時の最高記録20個余裕で超えてた。(これはリアルでの記録もそうです)
話してる間にもう5個割ってた。早い。
「ロゼッタさん、あの人……」
「はい、キノピーチさんのことですよね。採用できるかもしれません。……このレジェンドチームに」
「かなりの実力を持ってますね」
あと30秒!!このままやられなかったらいける!!5、4、3、2、1……。
「試合終了です。参加者は、直ちに控室へ向かってください。結果が出るのは明日です」
明日か……。緊張するなぁ。
いよいよ結果が出るらしいけど……。あっ、エントランスに張り出されてるっぽい。
どうなってるのかな、私……。
………………………………………………。
マジ?
マジかレジェンドチーム入っとるえちょ待ってどゆこと何かの間違いいやそんなはずはないはずああああああ。(混乱中)
「えー、レジェンドチームに配属されたのはキノピーチさんです。あとの皆さんはホープです。では解散」
簡潔にまとめすぎでは??てか視線が痛い。
その後呼び出された私は……。
「よろしく、キノピーチ」
「後輩ということで呼び捨てにさせて頂きますが、タメ口がよろしければタメ口にします」
「なんでロゼッタさんは俺のことさん付けと敬語なんですか?」
「教え子だから?」
「キノピーチも実質教え子になるではありませんか」
「うっ」
二人の会話の内容が全く理解できず、ただ胸の鼓動だけが聴こえました。
お題『熱い鼓動』