語り部シルヴァ

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4/3/2026, 12:07:39 PM

『1つだけ』

思い出すのは家族や恋人でも無く、
みんなに見送られた時のことだった。
やたらとぐずる女の子をお母さんが必死になだめていた。
それでも女の子は機嫌をよくすることなくぐずっていた。
そんな女の子に軍服のお父さんらしき人が
一輪の花をあげていた。
女の子はたいそう喜び、お母さんは涙が溢れていた。

なんで今なんだろう。こっちは今も死にそうで
家族や恋人のことを考えない自分が薄情に感じるじゃないか。

いや、きっと羨ましかったんだろう。
家族や恋人から愛情を貰えていたかの答えが
今わかったからだろう。

「はは...愛されたかったな。」
温もりを求めて手を伸ばした。
その先にはあの一輪の花よりも大きな爆弾が飛んできた。

語り部シルヴァ

4/2/2026, 10:49:10 AM

『大切なもの』


期限が明日にまで迫ってきた。
それでも一向に案が思いつかない。
明日は"大切なもの"をテーマに
スピーチを行わなければならない。

たった一分間。それだけのスピーチの内容が
全く頭に浮かばない。
うーん、ご飯は違うし趣味も違う...

大切なもの。それだけで頭が真っ白になってしまう。
僕には大切なものがない。

仕方ない...スマホを取り出して"大切なもの"を調べた。
みんなの大切なものを参考にスピーチをまとめることにした。

語り部シルヴァ

4/1/2026, 11:23:21 AM

『エイプリルフール』

「...ウソね。」
俺の渾身のウソを見抜いて君は一言で片付けられる。
毎年エイプリルフールはウソをついて
君の驚いた表情を拝みたい。
なんてことをもう何年もやっている。

けれど...君の表情は変わらず、
頭の回転が早いからすぐ見抜かれる。
何年もやっているのに君が驚く表情は見れない。
もっと俺の頭が良かったら...拝めたかな。

「毎年ウソをつきに来るのはあなたぐらいよ。
...でもそれが楽しいから毎年この日が楽しみよ。」

そう言われて顔をあげる。
君は微笑みながら「ウソよ。」と一蹴。
また肩をガックリと落としたが
「あなただから楽しいのかもね」
と小声が聞こえた。

それがウソでも、とても嬉しいよ。

語り部シルヴァ

3/31/2026, 10:41:05 AM

『幸せに』

幸せの鐘が鳴り響く。
青空の下で沢山の人が花嫁姿の君を祝っている。
君も幸せそうだ。

美味しいものを食べて、手紙を読んで泣いて
新しい装いに変えて...
今日はきっといい一日になる。思い出にずっと残る。
そんな君の晴れ舞台。

ほんとに...幸せになってくれよ。
招待された席は花嫁姿の君にスポットライトが
当たっているせいか暗く感じた。

語り部シルヴァ

3/30/2026, 10:38:25 AM

『何気ないフリ』

春休みで部活しか無いからかいつもより校舎内は静かだった。
部活が早めに切り上がり、特に予定もなかった俺は
もう来ることは無いだろうと思っていた
2年の教室で桜を見ていた。

優しい春風がそっと桜の花びらを散らせる。
早咲きした分の桜の花びらが1枚、また1枚と舞う。

こういう景色を見ると、
どこかセンチメンタルな気分になるのは何故だろう。
春の陽気には拭いきれない不安が見えないけどある。

...今は春の陽気に身を委ねよう。
何も気づかない。気づいていない。
それだけでも不安は拭えるはずだから。

陽気に当てられて暖かいはずなのに
鳥肌が立った腕を優しく撫でた。

語り部シルヴァ

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