『1つだけ』
思い出すのは家族や恋人でも無く、
みんなに見送られた時のことだった。
やたらとぐずる女の子をお母さんが必死になだめていた。
それでも女の子は機嫌をよくすることなくぐずっていた。
そんな女の子に軍服のお父さんらしき人が
一輪の花をあげていた。
女の子はたいそう喜び、お母さんは涙が溢れていた。
なんで今なんだろう。こっちは今も死にそうで
家族や恋人のことを考えない自分が薄情に感じるじゃないか。
いや、きっと羨ましかったんだろう。
家族や恋人から愛情を貰えていたかの答えが
今わかったからだろう。
「はは...愛されたかったな。」
温もりを求めて手を伸ばした。
その先にはあの一輪の花よりも大きな爆弾が飛んできた。
語り部シルヴァ
4/3/2026, 12:07:39 PM