『胸が高鳴る』
緊張しやすいタイプだと場面場面で改めて思い知らされる。
人前で立ったり試合のときだったり、
はたまたこんな風にイベント行事の主役に回ったり...
入学前カリキュラムと称されたそれは
入学前の同級生とレクリエーションを楽しむ場だった。
それが人見知りで緊張しやすい自分からすれば、
ずっと緊張する場だったことには変わらない。
それでも、やっぱりワクワクとか楽しみは少なからずある。
緊張と楽しみ。こういった自分にとっての山場は
思わず笑みがこぼれるほど緊張してしまうもんなんだ。
自分の名前を呼ばれて、
前に立ちグループワークの発表をした。
語り部シルヴァ
『不条理』
ありえない。こんなことがあっていいのか。
それも大切な人の前で...こんなことが...
純粋な目をした君は
何が起こったかわからないって顔をしている。
それもそのはず。これは君にとっては当然のことなのだから。
それでも...唐突にやってきたそれは私には理解し難かった。
これを私はどう受け入れたらいい。
どうすればいいんだ...
ずっと悩む私を見て君はついに口を開く。
「ね、ねえ...そんなに
ご飯にシチューをかけたのが理解できなかった?」
語り部シルヴァ
『泣かないよ』
「じゃ、またいつか。」
いつもよりも腫れぼったい目をした君は
何も無かったように振る舞い、車の後部座席に乗り込んだ。
君がドアを閉めたと同時くらいに車は走り出す。
追いかける勇気も無いまま、僕が小さくなっていく車を
見えなくなるまで手を振りながら見送った。
数ヶ月前から言われてたことだ。
ごねても親の都合はどうしようもない。
それに連絡先まで交換してくれたんだ。
いつでも連絡できるさ。
そう自分に言い聞かせて部屋に戻り、
卒業アルバムを片付ける。
君が貸してくれなんて言ったから貸したけどまさかね...
そう思い卒業アルバムを開く。
後ろにある真っさらなページには君の文字だけが増えていた。
「連絡待ってるからね。泣いてないといいな。」
もちろん泣かないよ。
でも、泣いたって君には気付かれないよね。
あー...花粉症になっちゃったかな。
語り部シルヴァ
『怖がり』
昔からビビりだと周りに言われてきた。
実際怖いもんは怖い。
お化け屋敷とかホラー映画とか夜道とか...
他にも悪いニュース見た時に
この通りになっちゃうんじゃないかとか...
怖がりすぎだろって笑われるけど、
逆になんでそんなに平気なんだよみんな。
高校生になってやっと夜道は大丈夫になってきたけど、
新しく怖いものが出てきた。
...入学から仲良くしてくれた相手に
好意を抱いてしまってからの連絡の入れ方だ。
なんて返信しようか。
この関係が終わってしまうことを想像すると、
また怖くなってしまう。
語り部シルヴァ
『星が溢れる』
満開の星が降り注いで来そうなほど光っている。
溢れんばかりの星を見るとなんだか落ち着く。
あの星に包まれたい。
何かどうしようも無い時は部屋で
ミニサイズのプラネタリウムを光らせる。
いつもの部屋が魔法にかかったみたいで、
夢見心地な気分になれる。
宇宙に行けば、この星々をより綺麗に見れるかな...
部屋に移った星たちをボタン1つで消す。
部屋の明かりを付けて...
夢から醒めた。
気分は、随分と落ち着いた。
語り部シルヴァ