『寂しくて』
画角良し、加工よし、個人情報がバレそうなの入ってない...
全体的に確認を終えて文章をテキトーに添える。
"今日も肌寒いね"っと。これでよし。
投稿して携帯をいじっているといいねの通知音。
コメントも着いてきた。
自分でも何やってんだかと思いつついいねやコメントが
心の器のような何かに一滴ずつ満たされるような気がした。
"危ないから自撮りやめときなー"
そんなのわかってる。
けれどこれをしていないとどうも落ち着かない...
心の器のような何かを満たされるのがこれしかないから...
語り部シルヴァ
『心の境界線』
「お前って人付き合い上手いよな。」
よく言われるが自覚は無い。
というかもう無意識にできるようになったから。
なんて言う方が近いかもしれない。
「わかる。なんて言うか...ここは踏み込まないでってとこは
踏み込まずギリギリ?っていうのか?
ほんと自分がここまでならセーフってとこまで
踏みとどまってくれるよな。」
「「「たしかに。」」」
急に褒められて少し恥ずかしくなる。
みんなの言うことは正しい。
何せ...ほんとに見えるから。心の境界線。
話をしていくとセーフティーゾーンから
アウトゾーンに近づくサインが出てくるから
それを見て回避してるだけ。
それがわかるだけで仲良くできるってのは不思議だ...
語り部シルヴァ
『透明な羽』
不思議な子だった。
目立たないようにしている佇まいなのに
誰しもが見入ってしまっている。
ただ声をかけようにも飛び去っていく。
周りはどんどん諦めていく中私だけは
逃げられても声をかけて行く日々だ。
そうして私は声をかけるのを諦めた。
ただ他と違って見守るだけにした。
最初は他と同じで声をかけて私のものにしたかった。
けど今は違う。その子をただ見ていたい。
透き通るような宝玉を割れないように遠くから見守るように。
その子は声をかける前より魅力的になった気がした。
語り部シルヴァ
『灯火を囲んで』
乾いた肌に熱が差し込む。
静かに火花が弾けて地面に落ちてはゆっくりと消えていく。
花火で暖をとったことが今まであっただろうか。
それもこれも全部後輩が原因だ。
バイト上がりが珍しく一緒の時間になり
寝るまで暇だと話をしていたら花火をしたいと言い出した。
今は秋でもうシーズンは終わったと言っても聞かない。
こうなったら後輩の言うことに従うしか収める方法は無い。
それが今に至る。
ある程度楽しんで最後に線香花火をしている。
さっきまではしゃいでいた後輩も
小さな花火を静かに見つめている。
いつも元気いっぱいに開いている目も優しく少し閉じていて、淡い火花が反射している。
「またしようか。」
そう言うと後輩はいつものように
元気いっぱいに目を開いて絶対ですよと答えた。
語り部シルヴァ
『冬支度』
冬用の布団と洗濯した冬服をベランダに干す。
冷たい風が指先にささる。
もう指先が割れるのに怯える日が来てしまった。
最近天気が不安定で中々外に干せなかったけど今日はずっと晴れそうな空だ。
しかしもう寒い。少しベランダに出ただけで体が冷える。
体を動かすついでに掃除もしようかな。
ついでに換気も...
なんてことをしてたら部屋が一気に冷えた。
部屋着もそろそろ洗濯して用意しないと...
今日はとりあえず厚着してココアでも飲んで乗り越えよう。
30分ほどしか経ってないけど寒いから窓を閉めた。
語り部シルヴァ