語り部シルヴァ

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10/18/2025, 10:29:44 AM

『光と霧の狭間で』

雨上がりの早朝。
やけに肌寒いせいか目が覚めた。
今日は休みだし...と思い普段着に
一枚上に羽織り近くの公園まで歩く。

公園は足が飲まれるくらいの濃い霧が出ていた。
陽が出てないのもあって随分と不気味な雰囲気だ。
幸い舗装された道の端からライトアップされてるおかげで
道の輪郭はハッキリとわかるからつまづくことは無さそうだ。

空は微睡んでみんなまだ寝ている公園は
どこか不気味で神秘的な空間になっていた。
なんだかいつもと違う世界に来たみたいでドキドキする。

いい経験をした。
これ以上は体を冷やしてしまうかもしれないから帰ろう。
帰って温かいココアでも飲もう。

語り部シルヴァ

10/17/2025, 10:30:45 AM

『砂時計の音』

砂時計をひっくり返す。
特に何かを測るわけじゃない。
勉強中ふと目に映り無性に気になって仕方なかった。
多分集中力が切れたんだろう...

机に頬を付けながら落ちていく砂を見つめる。
これが全部落ちるまで...そう思いながら...
ものすごく小さくサラサラと流れる音が聞こえる。
集中して聞かないと聞こえないくらい。

...勉強もこれくらい集中出来ればいいんだけど。
こうなってしまったら少しは休憩を入れないと
復活しないだろう。

砂時計の砂が全て落ちた。
よし、勉強やーめた。
コーヒーが飲みたくなったから
台所へコーヒーを淹れに行った。

語り部シルヴァ

10/16/2025, 10:51:51 AM

『消えた星図』

友人とプラネタリウムを見に行くことになった。
友人が張り切って図書館で事前に勉強しようと言い出した。
今回の予定は友人から誘ってくれたのだが
相変わらず行動力がすごい。

それに振り回されても
むしろ元気な友人につられて楽しくなってくる。
早速図書館で勉強することにした。
星を調べてみると色んなことがわかる。
歴史とか天文学のレベルとか...

面白いなあと星の本を見てみると友人が肩をつつく。
どうしたのか目で聞いてみると今度は本を指さす。

友人がさした部分を見てみる。
"19〇〇年〜19‪✕‬‪‪‪✕‬年。
世界中で星が消え星図が書けなかったようだ。
原因は未解決のまま気がつけば星がまた輝いた。"

友人と顔を見合わせる。
今までニュースや先生にも聞いたことがない情報だった。
借りて家に帰ってじっくり見てみようにも
既に予約が入っていて、次借りに来た時にはもう
その本は消えていた。

もうプラネタリウムどころじゃなくなった僕たちは
休みの日に合流しては消えた星図の歴史を
探しに行くことにした。

語り部シルヴァ

10/15/2025, 11:23:29 AM

『愛-恋=?』

最近、恋人が冷たい。
イチャイチャしてくれない。電話もしてくれない。
抱きついてもすぐ引き剥がされる。

それでも...ってずっと信じてた。
もうだめなのかな...
明日一緒にしたいこと...なんだっけ?
あれ...恋人ってこんな顔だっけ?

なんだか別人みたい。
あれ...なんで付き合ってるんだっけ。
愛したい人って恋心がくすぐられるもんじゃなかったけ?

...まあ、もういっか。

「ねえ、話があるんだけど...」

語り部シルヴァ

10/14/2025, 10:28:02 AM

『梨』

スーパーで梨が売られていた。
秋だから。なんて理由で買ってみた。
こうでもしないと季節の果物なんて買わない。

皮を剥いて食べやすいサイズにカットして...
小皿に移して爪楊枝を刺して準備完了。

一口食べる。
シャキッとした食感に爽やかな甘さ。
もう一口...もう一口が止まらなくなる。

気がつけば小皿は空に。
一個だけだとこんなにもあっという間に無くなるのか...

また買おうかなと思う反面
このひとつで満喫できてしまった気はする。
気が向けば。そう思いながら流しに小皿をそっと置いた。

語り部シルヴァ

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