語り部シルヴァ

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10/11/2025, 11:53:31 AM

『未知の交差点』

スマホの地図アプリを確認する。
次の信号を右に...
慣れない革靴とまだ日中が暑い中
スーツを着て中が少し汗ばんでいる。

周りが内定をもらって人生謳歌してる一方で
なにもできていない自分に焦りを覚えている。
それでも自分のやりたいことがわかってないせいで
上手くいっていないのが現状だ。

家から遠ければ遠いほど、
知らない場所へ向かうのは革靴のせいもあって足が重い。
ここまで来ても帰りたいと思う気持ちが強い。
それでも人より遅れてる現状は変わらない。

初めて来た交差点。
アプリで改めて道を確認する。
気を抜けば迷子になりそうな都会に目が回る。

こんな所で躓いている場合じゃない。
ネクタイと気を締め直して青信号と共に歩き始めた。

語り部シルヴァ

10/9/2025, 12:08:52 PM

『秋恋』

本気で恋する予定は無かった。
ずっと人肌恋しかった。寂しかった。
だから空いた穴を埋める"何か"が欲しかった。

いい感じに会話が弾んでいい感じで会話が続く。
友達以上恋人未満ってこんなに心地いいもんなんだ。
ずっとこんな関係が続けばいいのに...

なんて思っていた。
飽きたら本気の恋を探しに行く予定だった。
今じゃ離れて欲しくない。そう思ってしまう。

惰性の関係が本命になってしまった。
こんなこと君に知られたら
それこそこの関係は終わってしまう。

せっかく見つけた本命の恋がこんなにも絶望的なのは
今までのツケが回ってきたのかな。

語り部シルヴァ

10/8/2025, 11:16:35 AM

『愛する、それ故に』

ふと目が覚めた。喉に違和感があったから水を飲みに行く。
ついでにトイレも済ませて戻ってくる。
ゆっくりと動いたおかげか布団の中の彼氏は
ぐっすり眠っていた。

寝てる姿もかっこいい...とうっかり惚れそうになる。
いやもうゾッコンかもしれない。
はだけた布団を直しつつ隣に寝転ぶ。

ああ...幸せだなあ。
愛する人がいて同じ時間と温もりを共通できるなんて。
君と出会うまでこんなこと経験できるとは思ってなかった。

...だからこそ怖い。
君がいなくなったら私は絶望するだろう。
嫌なことは考えたくない。

君を起こさないようにゆっくりと動き、
もっと君の体温を感じるためピッタリくっついた。
優しい温もりが安心感と眠気を誘い、
そのまま眠りについた。

語り部シルヴァ

10/7/2025, 10:54:04 AM

『静寂の中心で』

人は本当に驚くと声が出ないとはよく言うもんだ
クラスメイトの視線を感じる。
全員いるはずなのにずーっと静かだ。

全員が僕ともう一人を囲んで僕を晒し者にしてたんだ。
さっきまで和気あいあいとしてたいじめっ子も
やめなよといいつつからかう腰巾着も声が出ない。

僕だって実感が湧いた数分が20分くらいかかった気がした。
広がる血溜まり、生暖かい手の感覚、
天井の電灯が反射して眩しいナイフ。
まるでスポットライトに当てられてる気分だ。

今、どれくらい経っただろう。
未だ誰一人声を出せない空間が続く。
太陽に照らされるホコリが視界にチラホラと浮いている。

次の授業はなんだっけ。
そんなことを考えていると息をすることを忘れていた。

呼吸をする。鉄棒の匂いが脳を刺した。

語り部シルヴァ

10/6/2025, 10:49:18 AM

『燃える葉』

ぱちぱちと燃え上がる炎が揺らめいている。
小さな炎とはどうしてこうも見入ってしまうものか...
周囲は真っ暗で燃やした炎だけがぼんやりと照らす。

葉っぱが1枚1枚燃えて鮮やかな緑や橙色が
瞬く間にして黒くなる。
燃えて黒くなった葉は闇に飲まれていく。
顔が少しずつ暖かいを超えて熱さを感じる。

熱いけど...眠気を誘う熱さだ。
前が熱い分背中が熱を奪われて寒さを伝う。

どれ...もう焼けただろうか。
燃える葉っぱの山へ棒切れを突き刺す。

手応えがあって棒切れを山から引っ張り出す。
巻きついたアルミホイルを
火傷しないように剥がして半分に割る。

揺らめく炎のように輝く焼き芋の完成だ。

語り部シルヴァ

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