語り部シルヴァ

Open App
6/10/2025, 10:54:28 AM

『美しい』

私の日常は『美』で作られている。
部屋の内装、食事、仕事の内容、そして私自身。
私自身が美しくなければこの世界は美しくならない。

そのためにはどんなことも厭わない。
早寝早起き、食事制限、運動。
知識を得るために勉学に励み姿勢やマナーを学ぶ
苦手なことは多いがそれでも全ては美のため。

私が私自身を磨けばもっと美しくなれる。
洗顔やマッサージを終えて鏡を見る。
輝きを放つ鏡の前には鏡より輝く私が映っていた。

うん。今日も私は美しい。

語り部シルヴァ

6/9/2025, 10:53:13 AM

『どうしてこの世界は』

「これ6番テーブルに!」
「3番のお客さんの注文まだー?」
「あっ5番テーブル誰か拭いてきてー!」

厨房内はとてつもなく慌ただしい。
休日でも祝日でもないただの平日だと言うのに...
なんなら怒号まで飛び交っている。
今日は何かあっただろうか。そう考える暇も与えてくれない。

忙しい。しんどい。
けどなぜだろう...この空間が、この忙しさがどうも心地よい。

「...ふふっ。」
なんだか楽しくなってきた。

「おいっ!笑ってないで手を動かせ!」
「あっ、はい。すみません。」

謝りつつも口元の緩みは戻らなかった。
どうやら僕はもう壊れてるらしい。

語り部シルヴァ

6/8/2025, 10:15:40 AM

『君と歩いた道』

大通りから路地裏に入って道なりに進む。
あまり知られていない近道。
使いたく無かったが雨が降って傘を忘れたこの状況じゃやむを得なかった。

屋根が雨から少し守ってくれるから上がった息を整えながら速度を落とす。この路地裏は道を挟んで家が背中合わせにあって、雨を避けるにはうってつけだ。

ただ太陽が出てないのもあってかいつもより暗く不気味な雰囲気が漂っている。
こんな道だったかな...あんまり一人で通らなかったのもあるが前までのこの道のイメージが無い。

いつだってこの道を通る時は君と歩いた。
隣に並んで歩くには丁度いい道幅。
恥ずかしがり屋な二人だったからこそ人が通らないここは手を繋ぐにはうってつけな場所。

君と歩いたからキラキラしていた道も今じゃ一番通りたくない道に様変わり。

もう息も整えた。さっさと通り抜けよう。
勢いよく走り出し路地裏から抜けて急いで家へと向かった。

語り部シルヴァ

6/7/2025, 10:31:39 AM

『夢見る少女のように』

最近妹がずっとため息をついている。
携帯が鳴った途端画面を見てはため息をつく。
このところそんな妹しか見ていない。

気になって尋ねてみると「関係ないでしょ」と
一蹴されてしまった。
俺の前ではこんな対応をするがきっと
好きな相手ができたのだろう。
画面の向こうの求めてる相手には
夢見る少女のような反応をするのだろうか。

可愛い妹が反抗的になって少し寂しいが
それほど好きな人ができて嬉しい気持ちもある。
兄としてここは暖かく見守ろう。

「何ずっと見てるの。気持ち悪いんだけど」
...やっぱり少しは前みたいに可愛げがあって欲しいな。

語り部シルヴァ

6/6/2025, 10:18:53 AM

『さあ行こう』

財布に飲み物...あとは匂いがキツくない制汗剤。
これから自転車で炎天下の中恋人の家に行く。
徐々に暑くなってきて自転車で行くのも一苦労だ。
大人になれば車で涼しげに行くことができるのかな...

なんて夢を見ながら準備をする。
服装もなるべく軽装で。じゃないと汗が
すごいことになってしまう。
会いたいから自転車を急いで漕いでしまうのも
気をつけないと...

準備を整えてスマホで天気予報を確認。
最高で33度...猛暑日にしては早すぎるな。
ため息をついてスマホをズボンのポケットに入れる。

ゆっくり深呼吸して陽の光で真っ白に輝くドアを開ける。
さあ。行こうか。

語り部シルヴァ

Next