語り部シルヴァ

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12/18/2024, 10:42:17 AM

『冬は一緒に』

暖房に加湿器、そしてコタツ...
コタツにはみかんを3、4個添える。
早速コタツに足を入れる。

熱くない程度にじりじりする熱が伝わる。
少し古いコタツだが壊れていないようで安心する。
冬はやはりこうでなくちゃ。
背中が肌寒いのでブランケットをかけて手はコーヒーを入れたカップで温まる。

暖房を消しても不思議と寒さを感じない。
こうなってしまってはコタツという牢獄の出来上がり。
もうコタツからは出られない...

体を伏せぬくぬくとしているとお腹周りがさらに暖かくなる。
起こして見てみると飼い猫がふとももの上で丸まっている。
愛らしい姿と優しい温もりが寒さを完全に吹き飛ばす。

今年の冬も一緒に過ごせてよかった。
猫も同じ気持ちなのか喉を上機嫌にゴロゴロと鳴らしていた。

語り部シルヴァ

12/17/2024, 11:14:02 AM

『とりとめもない話』

犬が吠える。
帰り道の夕焼け空が赤くなる。
子供たちが高い声をあげて家へ帰る。
それを見たカラスがガラガラ声で去っていく。

野良猫が媚びる。
辺りに晩御飯の香りが漂う。
そんな匂いでお腹が空く。

空はどんどん暗くなっていく。
帰ろうかな。

スマホを覗く。
眩しくて目を狭める。
もういいや。スマホをポケットに入れて歩き出す。

この話にオチもない。おしまい。

語り部シルヴァ

12/16/2024, 10:38:49 AM

『風邪』

うつらうつらとしていた意識が体温計のアラームで
少し目が覚める。
38°...完全に風邪のようだ。
この時期だからもしやとは思っていたが
本当に風邪を引くなんて...
喉が痛い。熱があるくせに寒い。視界が少し歪む。

冬に風邪を引くと決まって小さい頃を思い出す。
静かな外に加湿器の静かな音、お母さんが
すりおろしてくれたりんごの味。
あのりんごの味を超えたすりおろしりんごは今までない。

お母さんが私を思ってすりおろしたりんご...
きっと親の愛情なんかがあったんだと思う。

大人になってもまた親に甘えたいな...
なんて口が裂けても言えないから
自分で加湿器とりんごを準備し始めた。

語り部シルヴァ

12/15/2024, 10:30:42 AM

『雪を待つ』

外はどんどん寒くなる。
天気予報だとまだ初雪はまだ先のようだ。
窓越しに空を見上げる。
急に雪も降りそうにない晴れた空。

私は雪が好きだ。
雨と違って左右に揺れながらゆっくり落ちていって、
しんしんとして静かになる空間。
そんな景色を見ながらあったかいココアを飲むのが
最近の楽しみ。
あかぎれとか乾燥とかのケアが大変だけど...

雪が好きだと友達に話すと学校が無しになって
帰れると言うからとりあえず合わせてるけど...
ばばくさいと言われるのが目に見えてるから
これでいいと思う。

窓を開けて思い切り息を吐く。
白い煙になって空に消えていった。
寒いのはわかってるけどそれほど雪が降るのが待ち遠しい。

さすがに寒いので窓を閉めてコタツに潜り込んだ。

語り部シルヴァ

12/14/2024, 11:44:48 AM

『イルミネーション』

街はいつもよりさらに煌めいている。
カラフルな電球が街路樹に建物に飾られ、
夜の姿はいつもよりおめかしされていた。

正直イルミネーションの綺麗さはわかんない。
車のライトが眩しく感じるのと同じで、
チカチカと点滅されると目が痛くなる。
それに何より寒い。いつもより着込んだはずなのに
やたらと芯まで冷えるような感覚が続く。
あー...やっぱり帰りたい。
寒いのが苦手だから断ろうと思ったけど...

ちらっと横目で隣にいる先輩の顔色を伺う。
先輩の目は夜の街よりもキラキラしている。
俺に気づいたのか先輩はこっちを向いて
満面の笑みで話しかける。

「寒いの苦手って言ってたのにごめんね!
でも来れてよかった!すごい綺麗で視界が眩しいよ〜」

「そりゃあ良かったです。けど先輩、1人で来れますよね?」

「やだなあ。カップルが多い中1人で来るの虚しいじゃんか。
こういうの誘えるの君くらいなんだし...」
「そりゃあそうですけど...
それなら俺達もカップルに見られますよ。」

ちょっとからかい気味に先輩に返すと、
先輩は今更気づいたのか隠せてない照れ笑いをして
顔を一気に赤らめた。

...先輩の普段見ない一面をみれただけでも
今日は来れてよかったのかもしれない。
なんてクサイセリフは言えないので、
「先輩、顔真っ赤ですよ〜。
もしかして実はデートのお誘いだったり...?」
といつもの調子でからかってみた。

その後、先輩の返答を聞いて、
先輩と同じように顔を赤らめ体の芯まで熱くなった。

語り部シルヴァ

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