一尾(いっぽ)in 仮住まい

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3/16/2025, 1:49:51 PM

→やぁやぁやぁ! 桜の季節がやって来る!

薄ピンクの雲を頭上にいただいて、
イカ焼き、たこ焼き、ベビーカステラ、いちご飴とくればリンゴ飴、唐揚げ、はしまき、わたあめ、かき氷はちょっと時期が早いかな、焼きそば、たい焼き、チョコバナナ!
全部まとめて花の香り添えですよ。
そろそろ準備は宜しいですか?

テーマ; 花の香りと共に

3/15/2025, 4:00:27 PM

→短編・どうしてですか、兄さん?

 あぁ、兄さん、煙突を登る細い煙が小川のようです。
 覚えていますか、兄さん? 昔よく夕方に散歩したことを。二人で小さな川の流れに耳を澄ませましたね。
 川底の浅い小川の音は存外に大きかった。夕方になるとピチョンピチョンと小魚たちが騒ぎだす。夕日に白銀の鱗を光らせて、めいっぱい飛び上がり、さざなみを立てる。
 どうして小魚たちは飛び上がるのかと質問した僕に、「夕日は心の隙に変な感傷を差し込ませるからね」と答えてくださいましたね。
 あなたはあの時、川でも魚でも僕でもなく、沈みゆく夕日を暗い目で見ていた。
 そうして呟いた。「心がさざめくのだろう」と。あれは独り言だったのでしょうか? それとも僕の記憶に何らかの楔を打ち込むためだったのでしょうか? 例えば、僕の中にあなたの部屋を作ろうとした、とか。
 あなたにとって夕日がどんな意味を持っていたのか、僕にはわかりません。そしてそれをあなたに問う機会も永遠に失われてしまった。
 人目を避ける僕たちの秘密の関係は、僕をあなたの葬儀から遠ざけた。火葬場の煙に見当を立てるのが精一杯だ。
 夕方の空に煙が四散する。僕の心は静かなままだ。
 兄さん、あなたの居場所は僕の中になかったようです。あなたへの想いは川を打つ魚のように刹那のものだったようです。
 僕は酷い奴ですか? えぇ、それでいいです、そのほうがいいです。
 そうでなきゃ、あなた無しで、この先どうやって生きていけばいいんですか?
 
テーマ; 心のざわめき

3/14/2025, 2:35:19 PM

→どっかにあるんかな? 

足掻き続けても
けっきょく凡才
知ってたよ
往生際の悪い愚才

日々を渡るだけ
何も生み出せず何も成せず
時間の流れに逆らえないなら
唯一の解決策
世界に背を向ける

凡才なら平凡な
愚才なら意味不明な
作品が作れればマシなほう
それさえできない惰弱の権化

逃げに逃げてとこへゆく?
探してるのはどんなもの?
どっかにあるんかな?
自分だけの文才


テーマ; 君を探して

3/14/2025, 8:53:52 AM

→短文・大傑作

すべてのジャンルの頂点に立つ、文学の中の文学がここに! 
さぁ! ご拝読ください!
古今東西の小説家の誰もがひれ伏すであろう大傑作を!

え?
どこにあるのかって?
ここにあるでしょう! 
見えないんですか? 職人が髄を凝らして作り上げた、この透明書籍が!
そうかぁ〜、見えませんかぁ。残念だなぁ〜。


テーマ; 透明

3/12/2025, 3:53:10 PM

→短編・サークル

 何とか無事に今年度を終えることができそうだ。
 私は最後の採点を済ませたテストをポンポンと叩いた。マル、バツ、そして名前の横に点数を書き込んだ。3月の今、しばらくテストからは離れられる。 
 学期終わりの感慨に、クラスの児童たちの顔が脳裏に浮かんだ。私が彼らの担任でいられるのは、もう後少し。新学期には5年生になる彼らを担当するのは、私ではなく別の先生だ。私は1年生の担任になる。
 学校って不思議だ。学生からすると通過点だが、教師は仕事場だ。1年を繰り返す。終わっては、また新たに始まる。まるでサークル軌道を巡るように。まぁ、同じ1年なんてないんだけどね。毎年毎年、なんだかんだと改定されるし、教育現場は世論に敏感だし……おっとっと、変に暗くなりそうだった。
 もっと楽しいことを考えよう。例えば、新学期のこととか。1年生って、わちゃわちゃしててカワイイんだよな。アニメの小さな黄色いオバケみたいな子たちを思い出させる。
 国語も算数も、いっぱい勉強しようね。先生、頑張るからね。
 終わって、始まる。行事遂行にテスト採点。
 1年生のテストに初マルを付ける、そんな日がやってくる。

テーマ; 終わり、また初まる、

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