→短編・サークル
何とか無事に今年度を終えることができそうだ。
私は最後の採点を済ませたテストをポンポンと叩いた。マル、バツ、そして名前の横に点数を書き込んだ。3月の今、しばらくテストからは離れられる。
学期終わりの感慨に、クラスの児童たちの顔が脳裏に浮かんだ。私が彼らの担任でいられるのは、もう後少し。新学期には5年生になる彼らを担当するのは、私ではなく別の先生だ。私は1年生の担任になる。
学校って不思議だ。学生からすると通過点だが、教師は仕事場だ。1年を繰り返す。終わっては、また新たに始まる。まるでサークル軌道を巡るように。まぁ、同じ1年なんてないんだけどね。毎年毎年、なんだかんだと改定されるし、教育現場は世論に敏感だし……おっとっと、変に暗くなりそうだった。
もっと楽しいことを考えよう。例えば、新学期のこととか。1年生って、わちゃわちゃしててカワイイんだよな。アニメの小さな黄色いオバケみたいな子たちを思い出させる。
国語も算数も、いっぱい勉強しようね。先生、頑張るからね。
終わって、始まる。行事遂行にテスト採点。
1年生のテストに初マルを付ける、そんな日がやってくる。
テーマ; 終わり、また初まる、
3/12/2025, 3:53:10 PM