一尾(いっぽ)in 仮住まい

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3/3/2025, 4:50:19 PM

→救い。

ひらりと心の垣根を飛び越えて、
するりと心の機微に嵌まり込むような、
そんな一文を模索する。

感覚の角度、情緒の震度、言葉の明度……。

模索しすぎて前後不覚、文筆の海に落っこちた。

沈まないよう藻掻いていると、アプリと言う名の灯台の、青いライトがひらりと頭上をかすめていった。
それに手を伸ばして、伸ばして、伸ばして、何とか岸にたどり着く。
息も絶え絶え、灯台を見上げて、
「ありがとう」


テーマ; ひらり

3/2/2025, 1:50:00 PM

→ランチのあと10分ほどうたた寝したんですけどね……

起きたとき、自分がどこにいるのか、そもそも自分が誰なのか、ぜぇんぶ解らなくなっちゃったんス。
自己の境界線が曖昧になって、他人と自分の区別ができない変な感覚。

瞬間記憶喪失状態。

寝ぼけてただけなんでしょうけど、とにかく嫌な汗と変な動悸が止まらんかった。

今思い出しても、チョビっと背中が泡立っちゃう。
すんげぇ怖かったぁ。

テーマ; 誰かしら?

3/1/2025, 6:57:59 PM

→いただきます。

 関西ではこの時期になるとスーパーマーケットや八百屋にウスイエンドウが出回り始める。ぽってりした薄緑色の鞘に春の息吹を感じて心が少し浮き立つ。豆ご飯の季節だ。
 ウスイエンドウは和歌山産がほとんどで、他の地域出回る機会は少ない。関西以外に住んでいたとき、それを知って驚いた。
 鞘をパコッと割り開く。中にぎゅうぎゅうに身を寄せる豆は、指を入れる隙間もなくて取れにくい。半身になった鞘に何とか指をねじ込んで豆をパラパラ外す。豆はほんのり湿度を帯びていて、指で摘むと薄い皮の瑞々しさが伝わってくる。
 豆も鞘も水洗いしておく。鞘を先に煮て、その茹で汁で米を炊く。その間に豆を塩茹でして、米が炊き上がってから加える。そうすると豆にシワが寄らない。
 鼻をくすぐる青い香りのするご飯。白いご飯に鮮やかな緑。緑は春の色だ。生命の力強さ。芽吹きのときに備えた栄養をたっぷり含んだ豆はわずかに甘い。口の中でポクポクと噛む。楽しい食感。これだけでご馳走。おかずは具だくさんの味噌汁があれば上々。
 あっという間に空っぽのお茶碗。大満足の春先取り。
 ご馳走様でした。

テーマ; 芽吹きのとき

2/28/2025, 5:50:29 PM

→短編・あの日の温もりは特別だった、と。

「ゆっくりするのも大事なことです」
 心療内科医は親身な口調で保養を促し、僕のカルテに何かを書き込み始めた。口調とは裏腹に、彼はその横顔で、僕を診察室から放り出した。
 
 自分の存在を、ひどく希薄に感じる。出社して人と接んしている方がまだマシなんじゃないだろうか? 
 仕事から離れて何をするでもない日々。毎日が休日。当て所もなく彷徨う。スーパーやコンビニや本屋。ぶらぶらぶら。初めは目新しかった平日の平穏も、今では日常の一コマとなって久しい。
 今日何日だっけな? 曜日の把握も曖昧だ。時間の経過は季節が教えてくれる。風流な話ではない。何にも関わっていないから、そんなことになる。秋から冬へ、クリスマスや正月が過ぎても、実感がない。イベントは忙しく立ち回る人のためにあるのだと知った。

 春の手前、やたらと寒い日。空気は澄み切っていて、北風が強く吹き荒れている。道端に枯れ葉が舞い上がる。樹木から離れ落ちた枯れ葉は、まるで僕のようだ。踏ん張りがきかず、ただ風まかせ。
 突発的な向かい風が吹いた。息が詰まる。風は落ち葉と同じように、僕の身体から魂を引き剥がそうとした。
 僕は身体に両手を巻いて自分を抱き留めた。咄嗟の判断だった。

 生きるための些細な抵抗。
 希薄な自分の色が少し濃ゆくなったように感じた。
 自分を抱きしめる自分の温かさに目頭が熱くなった。

 いつか、今日を思い出す日は来るだろうか?


テーマ; あの日の温もり

2/27/2025, 9:43:42 PM

→YouTubeの「後で見る」リストに……

「がお〜、がお〜。
オイラ、とってもつよいんだぞぉ〜」

レッサーパンダの威嚇。

心がささくれた時用の常備薬。


テーマ; cute!

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