→短編・プロファイル
頭をパカッと開けましてね、脳みそを取り出して、裏も表も歯ブラシとか爪楊枝で、隙間の隙間まで思考のカスを取り除きたいなぁ、と思ったりするんです。
これぞまさに、歯垢ならぬ思垢なんてね。脳裏とか特にびっしりとくっついてそうじゃないですか?
大掃除を目前に控えている今の時期、そんなことを考えるんですよねぇ。スッキリ脳で気分爽快!なんちゃって。
えっ? あっ、ハイ、学生の頃はテスト前に掃除を始めちゃってたタイプです、けど……。
あれれ? どうしてわかったんです?
テーマ; 脳裏
→無意味を作成。お次へどうぞ〜。
(タイトル変更 '24.11.9
テーマを曲解し意味不明に陥った為)
逆に問うが、意味があることって何だ?
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↑
とてもアホ子な言い回しですね。
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↑
その揚げ足取りが頭悪そうです。
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↑
歌舞伎揚げ、食べたい。
お後が宜しいようで。 ――――――
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テーマ; 意味がないこと
→短編・ミミック
新宿ゴールデン街のバーで知り合った、トムと名乗るアメリカ人とすっかり意気投合した。
聞けばトムはシカゴでバーを経営しており、ゴールデン街には視察の名を借りた観光で訪れたという。
そう言うことなら多く軒数を回ったほうが良いだろうと、狭い路地を行ったり来たり一緒に何軒かをはしごした。
僕の乏しい英語力と彼の僅かな日本語の単語を駆使して、僕たちは会話を交わした。完全な会話とはいかなかったが、とにかく大笑いをした。僕の人生で最も笑った一晩だと思う。
彼は幾つかの日本語を操って、コミュニケーションを楽しんでいた。挨拶は言うに及ばず、簡単な賞賛の言葉の「おいしい」や「ありがとう」、「イイね」「サイコー」その単語集には「ヤバい」もあって、彼の気さくな人柄をうかがい知ることができた。
彼の英語なまりの日本語は独特のニュアンスを持っていて、僕の頭で翻訳されるとき、すべて平仮名かカタカナで変換された。
別れ際にトムは叫んだ。
「あなたとわたし、サイコーのともだち!」
真っ直ぐに心に響くその言葉に答えて、僕は大きく手を振った。
トムも同じように手を振り、そのまま真夜中の路地に消えていった。
彼の背中を見送りながら、たった一晩の友情も面白いなと、その別れ際の言葉を僕は宝物のように感じた。
しばらく経って、ネットのニュースを見流しているとき、知った顔が目に飛び込んてきた。
トムだった。
その記事が伝えるには、彼は数十件にも及ぶロマンス詐欺の容疑者として逮捕されたという。
警察に連行されて顔をゆがめる彼の姿に、あの夜の面影は何処にもない。しかし、確かに彼だった。
さらに名前もトムではなかったし、日本に十年近く住んでいたらしい。
思えばあの日、彼は僕が何度言っても連絡先の交換をはぐらかした。写真すら撮らせなかった。チョイスされた単語は相手の気分を良くさせるものばかり。シカゴのバー経営も嘘だったのだろう。もしかすると僕を投資詐欺にかけようとしていたのかもしれない。
英語なまりのイントネーションも嘘だったのだろうか?
「あなたとわたし、サイコーのともだち!」
宝物だと思っていた言葉は、僕を騙し討ちするミミックだったのだろうか?
スマートフォン越しの容疑者の顔と、あの晩の好青年の顔が交錯して溶け合う。
僕はたまらずスマートフォンの画面を消した。
テーマ; あなたとわたし
→泣き言
突然襲ってきた物悲しさ。
暗い部屋を見回す。
どうしようもなく淋しくて、でも話せる人もいなくて。
窓の外に雨。綿のような霧雨。
柔らかく包んでもらえそうな気がして、雨の中を歩いてみた。
じわりじわりと雨が服を濡らす。
やがて身体に水を感じる。
泣けてくる。
そこに癒しはなく、ただ冷たかった。
テーマ; 柔らかい雨
→短編・原点回帰、そしてお守り
一日の終わり、ベッドに体を横たえた彼女はサイドテーブルから1枚の写真を抜き出した。
スマートフォンで写真を照らす。分厚く白い枠に囲まれたポラロイド写真だ。
真っ暗な中に一筋の光がぼんやりと写っている撮り損ないのような写真を額にくっつける。ほんのり心に温かいものが灯る。
それは彼女が少女の頃に心を動かされて撮った、初めての一枚だった。押し入れの秘密基地の扉を閉めたときにできた僅かな光の筋の美しさが、その写真を見ると今でも脳裏にくっきりと浮かび上がる。光に集まってダンスする埃の楽しげな様子は、テレビで観たガイコクのオペラハウスを彼女に思い起こさせた。その感動を何とか留めておきたいと、無意識に彼女はポラロイドカメラを手にとってシャッタ―を切っていた。
それが彼女の始まりだった。
心を動かされる瞬間の切り取りをモチーフに写真を撮り続け、彼女はフォトグラファーになった。
数々の賞を獲得し、企業からのオファーや他業界のアーティストとのコラボ作品も多く手掛けた。大好きなカメラ撮影を仕事にできた充実感は毎日感じている。
しかし、
「いつかまたこんな一枚が撮りたいなぁ」
あの日の感動を超える写真には辿りついていない。
他の誰が見ても失敗のような、何を撮ったのかも判らない写真をもう一度眺めて、彼女はそのお守りを慎重にサイドテーブルにしまい込んだ。
そうして、大事な撮影が控えている前日のルーティンを終えた彼女はベッドに潜り込んだ。
テーマ; 一筋の光