人生の道ってやつは、
上り坂、下り坂、曲がり道に分かれ道。
そんな感じで迷ったり、
転んだり、
しんどかったり、
怖くなって後ろを振り返ったり。
はたまた、楽しくてスキップなんかしちゃったり、
鼻歌歌いながらフンフン歩いてたりする。
君と出会ったのは、ちょうど下り坂の終わりが見えないな…あれ?おかしいなぁ…?って辺り。
どん底だった僕を、ずるずると引きずって引っ張り上げてくれたよね。
ほら、貴方がいないとアタシ生きていけないんですけど?さぁ、早くしなさい?みたいな調子で。
ご飯ちょうだい、
ねぇねぇ、遊ぼう!
ちょっと、今うるさい!
しつこい!
かまってよぉ…
ツンツンしている君が、とんでもなく愛しかった。
大好きだった。
君と歩いた道には、僕の足跡と、君の小さな小さな、可愛い足跡がついています。
もう君はいないけれど、何度でも思い出すから。
アゴをツンっと上げて、僕を見下ろしていた君の姿を。
そっとそばにいてくれた君の姿を。
夜中に無茶苦茶に暴れ回って、僕を踏んづけた君の姿を。
撫でないと尻尾パタンパタンしてた君の姿を。
君の鳴き声を、君の姿を、君の命を。
そのうち二又尻尾で
『猫又になったのよアタシ。アタシがいないと貴方ダメでしょ?知ってる』
とか言って、曲がり角から出てきてくれないかなぁ。
君の遺してったもの、まだ全部残ってるんだけど。
『にゃぁお』
#君と歩いた道
少女であった、あの頃は。
─── なりたい者に成れると、信じていて。
──── やりたいことをやれると、信じていて。
─ 魔法だって、
── 御伽噺みたいなことだって、
どこかであるんだって!
…信じていた。
夢を見て、夢を見て。現実から目を背けて、
…いつか、素敵な大人になるんだって、
…いつか、誰かがわたしを楽にしてくれるって。
…いつか、夢は叶うんだって。
…きっと何もかも、上手くいくって、
……いつか、いつか!
信じていた。
無垢で、純粋で。
希望に溢れた、あの頃は。
…もう、戻ってこない。
いつだったかな、
シャボン玉みたいに、パしゃんと潰えた。
本当に呆気なく、敢え無く。
虹色の煌めきを、一瞬残して。
それこそ、御伽噺の一幕の夢のように。
幻は、フッと立ち消えて、
ネバーランドからは、追放されて。
サンタさんはどっか行っちゃって。
残ったものは、地面に散った、汚い染みひとつ。
無垢で、純粋で、………愚かだったなぁ。ホント。
自分はしょせんただの人間だって思い知って、
上手くいかないことが増えて、
「現実を見なさい」って、
「将来やりたいことは?就きたい仕事は?」
「やりたいことは?」
「あなたは、何をしたいの?」
分からないことばかり。
進路、将来のプラン、資格、受験、人間関係、エトセトラ。
夢を見るヒマなんて、ありゃしない。
僕はもう、少女ではないけれど。
いまだに“わたし”と“僕”の間を揺れ動いている。
夢を見る。現実を見る。
僕は、“僕”で、現実を迷いながら、生きてる。
夢見る少女よ、さようなら。
また夢の中で、会いましょう。
瞼を閉じれば、軽やかに笑う、貴方の声が聴こえる。
#夢見る少女のように
前は1人でてろてろ歩いていると、
「ほら、行こう」
って手を引いてくれる人がいた。
…でも、今は、もういない。
………だから、
立ち止まっても、
1人で靴紐を結び直して、
「よしっ」って顔を上げて、
前を向いて、
歩き出さなきゃ。
手を引いてくれる人は、いないけど、
一緒に歩いてくれる人も、いないけど。
たくさんの思い出とか、感情とか、抱えて。
自分のペースで、
「さぁ、行こう」
#さあ行こう
追記:ハートが100になりました。付けてくださった皆さん、ありがとうございます…!
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どうも、こんにちは。
ワガハイ、地底人であります。
まァ、底とは言っても上層の民なので、皆様の身近におりますよ。そうそう、家の下、道の下。
ワガハイは、歩道の下でありますな。多様な足音が響いて参ります。素敵です。
そこらをウロウロしておりますと、時折マンホールの業者様とも、お会いします。
とてもいいオっちゃんですぞ。
先日は美味な菓子を頂戴しました。
……あァっと、違いました。
今日はね、皆様にお伝えしたい事があるのです。
……水たまりを、踏まないでいただきたい!!!
ワガハイ、心の叫びであります。声にも出していきたい所存です。エエ。
なぜかというお話しの前にね、
ワガハイ、地上が大好きであります。興味津々であります。
地上の面妖な構造物、色彩に溢れ、人々の交流も多く!
なにもかも、地底人の我々とは違うことばかり。
たいへん興味深いのです。
エエ、物好きだとドン引きされても構うもンですか。
天井にガンガン頭をぶつける阿呆、
壁でパルクールをかます壁面クラッシャー(迷惑)
が隣人になったとしても!!!なんでボクの周りはこうも変人ばっか…ン゛ン、いや、失礼。
……わざわざ上層にやって来て、住んでいるほどには、ハイ。地上大好きであります。
なかでも、憧れて止まない、空!
そう、空!!!
SORA!!!!
ゴホン、お待たせしました、さぁ、本題でございますよ。
雨の日、地上人の皆様でいう、水たまり。
あれがまどがらす?のような役目を果たしているのです。水たまりが出来ることで、我々、空を見ることが出来るンですな。
雨の日になるとね、水がスゥッーと膜を張ってぼやりとした風景が見えるようになるのでございます。雨が降っている間は、ポチャポチャ賑やかでそれも素晴らしい!雨が止むとね、ゆらゆら揺らめいていた膜が静まりかえって、空が見えるのです。目を凝らせば、グングン流れてゆく、雲。雲。雲。
それをね、踏まれると、困るんです。
がらすとやらが割れたみたく、空がパシャーンと散ってしまう!これはいただけない…!
まァ、それはそれで光が差し込みましてキレイなンですけれども……。
例えるのなら…そう、皆様の娯楽である…ええと、映画?とやらを見るときに、小さい画面をのぞき込むようなことです。覗き込まねばならンのですよ…。
大きく見たいのです!空を!
夜空の煌めき、赤々と燃える夕焼け空、青く広がる、ゆらゆらとおぼろげながらも、雄大な、空を!
ですので皆様、ここはおひとつ、お願いいたしますね。ワガハイのいろんな意味で真っ暗な生活を照らす、唯一の救いであり、癒しなのでございますゆえに。なにとぞ。
しがない地底人より。
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#水たまりに映る空
あの頃は、いつも眺めていたあの人。
今は、いっつも話しかけたいなぁって、LINEのアイコンを眺めている、あの人。ひまわり、好きなのかしら。
会いたいなぁ。ってふと思う。
ちょうど良い、距離感の、素敵なお友達。
願うことは、たくさんあるけれど。
── 笑っている顔を見ていたい。
いつもポーカーフェイスなあの人。笑ってくれると、
なんか、優越感。一緒に盛り上がれるのが、すごく嬉しかった。
── 嬉しそうな顔を見ると、思わず顔が緩んでしまって。逆に
「なんか嬉しそうだね?」
って言われてしまう。
…………貴方のおかげなんですよ、実はね、
── 泣いてる顔を見ると、励ましたくて、どうすれば泣き止んでくれるかなとオロオロして、お菓子をたくさんあげたくなって、貴方のそばにいたくなる。抱きしめてあげたくなる。
…あの人が泣くことは、めったにないから。
── 一緒におふざけしたり、しんどいねって愚痴りあったり。…楽しかったなぁ。
声まねが異常に上手くて、
スタイル良くて、
変なところでツボに入って、
自分の夢に向かって、頑張ってる。
憧れの人。
…眩しくて、嬉しくて、少し、寂しい。
あぁ~、幸せになって欲しいなぁ。
でもね、見ているだけで幸せだな、とも、思うんです。
僕の知らないところで、幸せになって欲しいとも、思うんです。
大事な、大事な、お友達。
僕の気持ちは、友情の範囲はとっくに超えてしまったけれど、どうか、このままで、お友達でい続けたい。
…身勝手でしょうか。
どうにも上手くいかない、この気持ちは、どう名付ければ良いものか。
手に持て余しております。
この気持ちは
恋?
愛?
それとも………
# 恋か、愛か、それとも