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人生の道ってやつは、
上り坂、下り坂、曲がり道に分かれ道。
そんな感じで迷ったり、
転んだり、
しんどかったり、
怖くなって後ろを振り返ったり。
はたまた、楽しくてスキップなんかしちゃったり、
鼻歌歌いながらフンフン歩いてたりする。

君と出会ったのは、ちょうど下り坂の終わりが見えないな…あれ?おかしいなぁ…?って辺り。
どん底だった僕を、ずるずると引きずって引っ張り上げてくれたよね。
ほら、貴方がいないとアタシ生きていけないんですけど?さぁ、早くしなさい?みたいな調子で。

ご飯ちょうだい、
ねぇねぇ、遊ぼう!
ちょっと、今うるさい!
しつこい!
かまってよぉ…

ツンツンしている君が、とんでもなく愛しかった。
大好きだった。

君と歩いた道には、僕の足跡と、君の小さな小さな、可愛い足跡がついています。

もう君はいないけれど、何度でも思い出すから。

アゴをツンっと上げて、僕を見下ろしていた君の姿を。
そっとそばにいてくれた君の姿を。
夜中に無茶苦茶に暴れ回って、僕を踏んづけた君の姿を。
撫でないと尻尾パタンパタンしてた君の姿を。
君の鳴き声を、君の姿を、君の命を。

そのうち二又尻尾で
『猫又になったのよアタシ。アタシがいないと貴方ダメでしょ?知ってる』
とか言って、曲がり角から出てきてくれないかなぁ。
君の遺してったもの、まだ全部残ってるんだけど。



『にゃぁお』

#君と歩いた道

6/8/2025, 10:49:08 PM