秋恋
― 風にほどけた想い ―
落ち葉の舞う帰り道
君の影を探してた
手のひらに残るぬくもりが
季節より先に消えてゆく
駅のホームで見た空は
少しだけ泣き出しそうで
さよならの言葉よりも
君の背中が語ってた
あの日の秋風に
恋の香りがまだ残る
名前を呼ぶ声が
胸の奥で揺れている
コーヒーの湯気に溶けて
伝えられなかった想い
窓の外の木々たちが
ふたりの時間を包み込む
赤く染まる空に
未練が滲むほど
あたたかい恋ほど
冷たくなる季節
もう会えないと知りながら
風に願いを託すの
秋の終わりに咲く恋は
静かに散っても美しい
秋恋――
それは、君と出会えた奇跡
そして、叶わぬ愛の詩
コーヒーが冷めないうちに
テーブル越しの君の瞳に
映る私は少し強がりで
笑ってごまかすたびに
言えない言葉が増えていく
カップから立ちのぼる香り
二人の距離をやわらげて
だけど沈黙の隙間に
心は少しずつ遠ざかる
コーヒーが冷めないうちに
伝えたかった「愛してる」
最後の一口を飲み干す前に
せめてこの想いを残したい
時間は残酷に進んで
私たちを引き離すけど
一緒に過ごした瞬間は
きっと永遠に温かいまま
コーヒーが冷めないうちに
君の手を握りしめたい
言えなかった涙のかわりに
ぬくもりだけを抱きしめて
今も胸に漂う苦い香り
それは甘い恋の記憶
雨と君
放課後の校庭に 雨の匂いがして
君と並んで歩いた帰り道
小さな傘の下 肩が触れるたび
胸の奥が 熱くなる
笑い声が雨音にまぎれて
ほんとの気持ち 言えなくて
雨と君 ふたりの距離は
たった数センチなのに
手を伸ばせば触れられる
その一瞬が愛しくて
水たまりに映る 揺れる青い空
君の横顔がきらめいて
どんな未来より この時間が
ずっと続けばいいのに
心の中で何度も呼んでる
まだ言えない 「好きだよ」を
雨と君 ふたりの恋は
始まりそうで始まらない
でも確かにここにある
淡い光が胸を照らす
信号
赤に止まったまま 君の横顔を見てた
言えない言葉が 胸の奥で渋滞している
青になれば また歩き出す二人
でも心の距離は まだ変わらないまま
黄に染まる光が 僕を急かすけど
勇気はいつも 一歩遅れてる
信号が変わるたび
君への想いが揺れて
赤で止まり 青で進み
黄でためらう心
交差点に残る 君の笑い声
どんな未来へ 続いていくのだろう
触れた手のぬくもり 忘れられなくて
次の青までに 伝えたい言葉がある
信号が変わるたび
恋の行方を占う
赤に止められ 青に背中押され
黄に迷う僕の愛
Secret Love
誰にも言えない 夜の片隅で
心だけが あなたを呼んでる
名前を口にすれば 崩れてしまうから
沈黙だけが 愛を守ってる
触れた指先に 火がともるたび
罪も痛みも 美しくなるの
Secret love 閉じ込めた
光と影の間で
叶わぬ夢と知りながら
あなたにすべてを捧ぐ
街のざわめきに 隠された微笑み
その一瞬で 時が止まるの
許されない恋と 知っていてもなお
私の心は 抗えないまま
重ねた吐息が 夜を染めてゆく
壊れてもいい あなたとなら
Secret love 終わらない
胸の奥で燃えてる
孤独さえも愛に変え
私は生きてゆける
最後の朝が来ても
涙じゃなく微笑むわ
愛した証が
この胸に残るから
Secret love 運命でも
禁じられた真実でも
あなたを愛したこの想いは
永遠に消えない…