風を感じて
潮騒が 胸の奥をほどいて
君の笑顔が ふいに揺れる
伸ばした手は 届かないけれど
今も海風に 名前を呼んでる
夢じゃない
君の笑顔が 目の前にある
あの日願った 未来の中で
触れた手のぬくもりが
今もずっと 離れない
心の羅針盤
夜風にまぎれて ふと浮かぶ名前
誰より近くて 誰より遠い
交わした言葉は まだあたたかくて
指先でなぞる 記憶の欠片
すれ違うたび 胸が軋んで
愛した意味を 探してしまう
心の羅針盤(コンパス)は まだあなたを指してる
行き先もないまま ただ夢を追いかけた
あの頃に戻れないと わかってるのに
想いは波のように 寄せては返す
静かな朝には 微熱が残る
言えなかった嘘と 本当が混ざる
強がる背中に 気づいてたはず
それでも触れずに 目をそらした
壊れるほどに 愛せた日々が
いまも胸を 締めつけるの
心の羅針盤(コンパス)が 示す場所にあなたが
いるだけでよかった ただそれだけだった
運命と呼べたならば まだ救われた
だけど現実(いま)は 二人を引き裂くだけ
ああ 別れのその先に
殉じるような愛があると
誰が教えてくれただろう
あなたに捧ぐ 最後の祈り
心の羅針盤(コンパス)は もう戻れない場所へ
永遠の片道を 迷いなく進んでく
この愛を背負いながら 生きてゆくわ
あなたの記憶だけが 私の北極星(ポラリス)
またね
「さよなら」は言わない
それが二人の約束だったよね
夕焼け色の風の中
手を振るあなたの笑顔が
胸の奥に焼きついてる
「またね」って
たったそれだけの言葉なのに
こんなにも
切なく、あたたかくて
何度も心で繰り返してる
歩き出した道の先に
同じ空が続いているなら
きっと、いつか
笑いながら会えるよね
だから今日も
強がりじゃなく
「またね」と言うよ
あなたの幸せを願いながら
ただいま、夏。
風鈴の音が 遠く揺れて
陽炎の向こう 誰かが笑ってる
あの日の匂いが 胸にふいに咲くたび
心の奥 小さな扉が開く
好きだったTシャツ 少し色褪せたまま
まだ捨てられずに 引き出しの奥に
"また会えるかな"って 言えなかった言葉
セミの声が かき消した午後
ただいま、夏
あの空に もう一度帰りたい
君の声も 君の影も
波のように胸に寄せる
さよならさえ きっと言えずに
季節だけが大人になる
海辺の写真は 今もぼやけたまま
ピントが合わないのは 時間のせいかな
"またね"の代わりに 手を振ったあの夕暮れ
今でも夢に出てくるんだ
あの頃の私が
もしもここにいたら
君にどんな顔で
「おかえり」って言うかな
ただいま、夏
焼けた砂 裸足で歩いたね
手のひらのぬくもりさえ
忘れたくても忘れられない
胸の奥で 何度も揺れる
戻れないのに、また巡る
“好きだった”じゃなくて
“今も好き”って言えたら
少しは何か 変わったかな?
青い空が ただ笑ってた
ただいま、夏
もう一度 君に会いたくなる
過ぎた時間も 切なさごと
この胸に刻みつけて
またいつか この場所でそっと
「おかえり」って笑えるように