昨日の晩は雨が強く降った。
いや、今日の朝だろうか。
友達と電話を繋いで、適当に言葉を落としていくと、
三時間ほどを暗闇に溶かすことになる。
友達の持っている思い出っていうのは大体明るくて、
私の持っている思い出は、少し冷たかった。
隣の芝がなんとか、くらいの違いではなかった。
昨日は雷がうるさかったが、今朝はやけに静かだった。
多分昨日のこの時間も同じようだったのだろうが、
私にはやけに冷たく感じた。
猫背で、いつも下を向いて歩く私。
凛としていて、それでいてよく笑う友達。
今も、きっと友達は前を見て歩いている。
ふと、空を見上げる余裕まであるだろう。
私は今日も駅まで俯いて歩き、
水たまりに映る空をかろうじて見下す。
『水たまりに映る空』
小説チックにしちゃった!!
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誰でもおいでね!!!
私はいつでもにこにこ話した。
誰の前でも、にこにこ話した。
あなたの前では一層増して、
にこにこ、笑った。
元気を体現するように生きてきた私は、
今更あなたの前で弱みを見せる
なんてことはできなかった。
暇だから、といって駅までついてきてくれるあなたは、
きっとにこにこしてる私じゃなくて、
私の隣のあの子がいいんだ。
多分、私でもあの子でもないのは、分かっている。
知らないうちに、嫉妬が私を埋め尽くす。
明日もきっと、私はにこにこする。
あの人にも、この人にも。
自分を偽って、
あなたを騙している、ひどい罪悪感が、
あかい空をそっと包みこんでいく。
『そっと包みこんで』
地下鉄を使ってやっとたどり着けるような、
少し遠い場所にあるテニスコート。
朝から、顔に見合わない短いスコートをはいて、
君はラケットを手に持った。
君を見に来たよって言えたなら、
どれほど後悔から逃げれるのか。
君の試合はこの一つあと。
10番コートのフェンスに近づき、
特に興味のないテニスの試合を見ておくことにした。
そわそわしている君を見ていると、
なんだか僕も落ちつかなくなる。
君が僕を見つけなくたっていい。
君がその真面目な顔で、ラケットを振ってくれれば。
一人でいると欲が深くなってしまう。
僕は僕を暗闇の中に隠して、
泣きながら挨拶をする一方を目で追う。
君の試合はもうすぐだ。
君が僕の暗闇で、瞬く間に輝き出す。
『光輝け、暗闇で』
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おいでねみんな!!!
真っ暗な部屋の中、
僕は1人船に乗り込む。
画面だけが明るく光って、
さながら、イカでも釣りに行くようだった。
今日はもう店じまいにしようと、
目を閉じようとするも、
未来への道は、
未だひらけてはこない。
『未来への船』
昨日の夜用意した、
住所を書いた紙を財布に入れて、
私は家を出る。
この期に及んで鍵を閉めていく私に、
私は無性に腹が立った。
いつもとは違う方向の電車に乗るのは、
案外緊張するし、楽しい。
ICカードを使わずに、
今日くらいは切符を買った。
特別な日のように振る舞う私に、
私は無性に腹が立った。
いつもはスーツを着て、
人のごったがえす駅を早歩きで歩いていたから、
人気のない駅についた途端に孤独が身に沁みた。
ラフな格好で、リュックサックなんか持ったりして、
人から見れば観光客のようだろうし、
今の気分はそのような感じだった。
木の看板にかかれた、少し細長い文字に従って、
私は山道に入った。
道には、かろうじて車の跡があったが、
ガードレールなどはなかった。
そのため私は、昨日の夜に見た夢のように、
脇道にそれて、草を踏み倒して進んだ。
考え事をしながら歩いていたからか、
それとも何も考えていなかったからか、
気づけばだいぶ遠くまできてしまったようだった。
ここでいいか、と
背負ったリュックサックを静かにおろす。
ああ、私はこの静かなる森へ
なんてことをしてしまうんだろう、と思う。
しかし事は予定通りに、
そう、昨日の夜に見た夢のように、
静かに進んでいった。
『静かなる森へ』
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