だって
生まれてきたんだもの
そう思った
凍てつく星空の中
ひとりでコーヒーを飲みながら
生まれた意味について考えていた
あの時も
あの時も
このときのために
あの経験をして
今ここで星を見ていることは
また これからの
あの時 になっていくんだろう
正解なんて 分からない
不正解を知らなければ 正解もわからない
間違いは 違いを知るためにある言葉
間違いをしなければ きっとこの星は
ここまで輝いては見えなかった
自分の心の古傷が
誇らしく、じんわりと疼く
こうやって生きていくんだと
生きているうちに
感じたい
手放した時間
私の人生の中でいくつあるんだろう
Xでどうでもいいネタみて消化したり
悲しい恋愛のその先みて、別れたり
当てにならない言葉信じて 結果信じられずに心折れたり
土砂降りの雨の中に立って
歩かない時 進まない時
これは
なんの時間だろうなと思う
辛くて
つらくて
立ったまま
足がぬかるむような感じ
ここ いやだな
ここから 離れたいな
重くて冷たくて寒くてカチコチになったコートを脱いだ
コートは捨てた
雨が身体に染み渡って
口にも入ってくる
冷たいだけだった水が
潤いに変わった
空を見た
これから自分に落ちてくる雨のひとしずくを
ずっと眺めてた
今、私 手放した時間に きっと居る
キンモクセイ
いつからか 秋になると
キンモクセイが騒ぎ出す
それも自然のそれではなく
市販のそれだ
キンモクセイのビジネス化とともに
街にあるキンモクセイは
なにやら
ステータス感を増したかのように
今年も秋になると香り出す
まるで、私が本物のキンモクセイですよ
と言わんばかりに
年配の方にはトイレの香りだと言う人もいるようで
賛否両論のある香りのようだ
香りというのは、繊細なもので
誰かが好きな香りを嫌いと言われると悲しい
個人的には
あまり好きでない人がその香りを身に着けていたりすると
そのブランドまで嫌煙してしまうものだから
やっかいなその性格に笑いながら
また自分の香りを探しに行くのだ
キンモクセイ
ネロリやバニラとはまた違う
木の穏やかさと、甘やかな香りは
最後の秋を彷彿とさせる
これから来る冬を前に
今年あった出来事を次々に思い出す
本当の実りとはなんだったのか
自分の中の総決算のような香りと私は認識している
行かないで、と願ったのに
行くよ
私は
明日の私へ
今日の私は さようなら
願っても
願っても
私の人生
私だけが操縦できる
秋風
寒くなっていく、今の季節に
なにかに立ち向かわなければならない人がいる
明日
うかっても
うからなくても
小さいお祝いの日にしようと思う