どうすればいいんだろう、この気持ち。
どうすればよかったんだろう、あの時。
どうしたらいいんだろう、この先。
渦に呑まれてゆく。
このまま気流にのって
雲になって
雨になって
地が固まって
立てるようになって。
どうしたらいいの?がない人生は、いざって時に踏ん張れない。
そう思うとほんのちょっぴり、呼吸が落ち着く。
今日も今日とて海賊。
宝物を探しに、大海原を駆けている。
もう仲間たちは発見して、残すは一人。
自分だけだ。
皆、箱を開けると、子を見つめる親のようになる。
そして笑い出す。泣きながらの奴もいれば、ちょっと残念そうな奴もいる。
昨日降り立ったこの島。ノッポの木々に抱かれ、生い茂る草花と歌い、見知らぬ動物たちと踊る。
陽光が差し込む方へ進むと、突然白い靄に包まれた。
そして、いつの間にか遺跡が現れた。
そっと、空気のように忍び込む。
真っ暗ではない。トンネルの構造に近いのか。
手が何本も生えた人の像が、いくつもある。
目を伏せているのに、自分に視線が集まってる気がする。
抜けると、目の前に滝があった。崖で段差が作られている。
その中腹に木箱が置いてあった。
取りに向かおうと踏み出すと、あちらからやって来た。
頭に血が昇る。手先足先が震えだす。制御できない。
興奮して開けると、中には、、、
思わず失笑した。
宝物ってずっと前から、側にあったんだなって。
早く船に戻ろう。
そして宴だ。
俺の宝物と。
瞼を上げる。一面の銀世界。まるで絵の中に飛び込んだよう。
街灯はオレンジ色に灯る。誰も彼もが巣に帰る。
街も眠りについている。なのに空は鼠色。
ビルの壁面もコンクリートもその色で、馴染みがあるのに違う世界に来たみたい。
灰色をソリで駆けるのが見える。そういえばクリスマスは今日だったっけ。
窓から幸せが漏れている。それぞれの家にキャンドルが灯る。
「待った?」
頬を赤く染める貴方。
ふたりの手をポケットで暖めて。
私にもキャンドルが灯る。
私の「青春の想い出」って作品があったら、登場人物は私、ただ一人だけだろうな。
それほど、誰の特別になる訳でもなく、目立たずに、ひっそりと、過ごした。
上手に生きたかった。普通の青春を送りたかった。
そんな風に想うこともあるけど。
こんな私も、私は愛しい。
明日を上手く描こうとして、
消して、直して、重ねて、模倣して。
私の人生ってノートは、ボロボロだけど。
これから先、もっとボロボロになるだろうけど。
消しすぎて破けたり、色を重ねすぎてくすんだりなんてこともあるけど。
それでいい。
他人に羨まれる私になるより、自分に誇れる私でありたいから。
これからたくさんの想い出でページを埋めていくんだ。
冬になったら私は、地球と抱きしめ合う。
鎧を外した、素顔の木々と
痛々しいほどの、木枯らしと
身を寄せている、小鳥たちと
行き先のない、虫と
裏にいる、あの季節と
聖なる書の、天使と
移ろいゆく時代と共に生きる、大地と
塔を壊されても、神に阻まれても、言葉を分かち合う、あなたと
抱きしめ合って、支えて、支えられて。
私は、たえる、
冬になったら、抱きしめ合う。