トケイソウ

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11/21/2024, 11:49:52 AM

どうすればいいんだろう、この気持ち。


どうすればよかったんだろう、あの時。


どうしたらいいんだろう、この先。





渦に呑まれてゆく。
このまま気流にのって
雲になって
雨になって
地が固まって
立てるようになって。





どうしたらいいの?がない人生は、いざって時に踏ん張れない。


そう思うとほんのちょっぴり、呼吸が落ち着く。

11/20/2024, 1:26:38 PM

今日も今日とて海賊。
宝物を探しに、大海原を駆けている。

もう仲間たちは発見して、残すは一人。
自分だけだ。


皆、箱を開けると、子を見つめる親のようになる。
そして笑い出す。泣きながらの奴もいれば、ちょっと残念そうな奴もいる。


昨日降り立ったこの島。ノッポの木々に抱かれ、生い茂る草花と歌い、見知らぬ動物たちと踊る。


陽光が差し込む方へ進むと、突然白い靄に包まれた。


そして、いつの間にか遺跡が現れた。
そっと、空気のように忍び込む。


真っ暗ではない。トンネルの構造に近いのか。

手が何本も生えた人の像が、いくつもある。

目を伏せているのに、自分に視線が集まってる気がする。


抜けると、目の前に滝があった。崖で段差が作られている。
その中腹に木箱が置いてあった。


取りに向かおうと踏み出すと、あちらからやって来た。


頭に血が昇る。手先足先が震えだす。制御できない。


興奮して開けると、中には、、、












思わず失笑した。
宝物ってずっと前から、側にあったんだなって。


早く船に戻ろう。


そして宴だ。


俺の宝物と。

11/19/2024, 11:26:50 AM

瞼を上げる。一面の銀世界。まるで絵の中に飛び込んだよう。


街灯はオレンジ色に灯る。誰も彼もが巣に帰る。
街も眠りについている。なのに空は鼠色。



ビルの壁面もコンクリートもその色で、馴染みがあるのに違う世界に来たみたい。



灰色をソリで駆けるのが見える。そういえばクリスマスは今日だったっけ。


窓から幸せが漏れている。それぞれの家にキャンドルが灯る。



「待った?」



頬を赤く染める貴方。
ふたりの手をポケットで暖めて。

私にもキャンドルが灯る。


11/18/2024, 12:31:52 PM

私の「青春の想い出」って作品があったら、登場人物は私、ただ一人だけだろうな。

それほど、誰の特別になる訳でもなく、目立たずに、ひっそりと、過ごした。


上手に生きたかった。普通の青春を送りたかった。
そんな風に想うこともあるけど。


こんな私も、私は愛しい。

明日を上手く描こうとして、
消して、直して、重ねて、模倣して。

私の人生ってノートは、ボロボロだけど。
これから先、もっとボロボロになるだろうけど。


消しすぎて破けたり、色を重ねすぎてくすんだりなんてこともあるけど。


それでいい。
他人に羨まれる私になるより、自分に誇れる私でありたいから。


これからたくさんの想い出でページを埋めていくんだ。




11/17/2024, 12:36:39 PM

冬になったら私は、地球と抱きしめ合う。


鎧を外した、素顔の木々と
痛々しいほどの、木枯らしと
身を寄せている、小鳥たちと
行き先のない、虫と
裏にいる、あの季節と
聖なる書の、天使と
移ろいゆく時代と共に生きる、大地と
塔を壊されても、神に阻まれても、言葉を分かち合う、あなたと


抱きしめ合って、支えて、支えられて。

私は、たえる、


冬になったら、抱きしめ合う。





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