今日も今日とて海賊。
宝物を探しに、大海原を駆けている。
もう仲間たちは発見して、残すは一人。
自分だけだ。
皆、箱を開けると、子を見つめる親のようになる。
そして笑い出す。泣きながらの奴もいれば、ちょっと残念そうな奴もいる。
昨日降り立ったこの島。ノッポの木々に抱かれ、生い茂る草花と歌い、見知らぬ動物たちと踊る。
陽光が差し込む方へ進むと、突然白い靄に包まれた。
そして、いつの間にか遺跡が現れた。
そっと、空気のように忍び込む。
真っ暗ではない。トンネルの構造に近いのか。
手が何本も生えた人の像が、いくつもある。
目を伏せているのに、自分に視線が集まってる気がする。
抜けると、目の前に滝があった。崖で段差が作られている。
その中腹に木箱が置いてあった。
取りに向かおうと踏み出すと、あちらからやって来た。
頭に血が昇る。手先足先が震えだす。制御できない。
興奮して開けると、中には、、、
思わず失笑した。
宝物ってずっと前から、側にあったんだなって。
早く船に戻ろう。
そして宴だ。
俺の宝物と。
11/20/2024, 1:26:38 PM