トケイソウ

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5/26/2025, 1:27:28 PM

君の名前を初めて呼んだのは、もう覚えていない。
でも、物心がついたときには、もう呼んでいた。


それからずっと。
誰かの前でも、心のなかでも、君の名前を呼んできた。


この世に生まれて、最初に贈られたその名前を、

その名前に込められた思いを、

今までその名前と歩んできた軌跡を、辿るたびに、
君のことを愛おしく思うんだ。


普段はそんなこと、意識しないけど。


匂いはないし、触れない。
でも、形は確かにあるし、音だって聞こえる。



そんな君の名前は、、、

5/22/2025, 2:54:23 AM

朝焼けを見にいこう、と思って。
早起きして、始発に乗った。

でも目的地に着く前に、日が昇ってきてしまった。
電車の車窓に、ビルの間隙を縫って、光が届いた。

紺碧の空に、光の線が四方八方に広がって。
その一部が、私に差し込んだかのように思えた。

胸を打たれた。日の出は、朝日は、こんなにも美しいのだと。

朝が来なければいい、なんて思うこともある。

だけど、この美しさを知れたなら。

少しは明日に希望が持てる気がする。

5/16/2025, 6:15:46 PM

選択するってことは、何かを得て、何かを失うこと。

得られたはずのもの、持っていたものを手放すということ。

人生は選択の連続である。
それは、
夜何時に寝て、朝何時に起きるとか、
おやつを食べるか、食べまいかとか、
日常の些細なことから、

進路先をどのように選択するかとか、
何の授業を取るか、
といった大きなことまで。

私は今、こんな時間まで起きてスマホを触っているわけだけれども、

健康を手放しているんだよな。


11/24/2024, 11:43:09 AM

くるくる



まきまき



あみあみ



きゅっきゅっ



ふわふわ



すぽっすぽっ



もこもこ



ぬぎぬぎ



ぱちぱち



あったか〜い



セーター



11/24/2024, 1:57:37 AM

ある日、散歩をしていると穴を見つけた。
足の大きさ程の穴だったので、またいで通った。


次の日、また穴があった。
24インチのテレビくらいの大きさだった。
大きくなっている気がしたが、横を通った。


1週間後、その穴は玄関のドア程の大きさになっていた。
横に足場もなかった。
仕方がないので、他の道を通った。


1ヶ月後、様子が気になったので、穴まで向かうことにした。
もはや谷だった。
橋を架けなければ通れないほど、大きく、長く、果てなかった。

どうやら近所でも、話題になっているらしい。
路地なので迂回する道は山程あるが、不便だと。


だんだん大きくなる穴に疑問をもった。
夜に変化しているのではないかと考えた。

その日の夜、穴を見に行くことにした。


それは、ぶくぶくと黒い泡を出しながら、道路に侵食していた。


その音をしばらく聞いていると、人の声のようなものが聞こえた。

しかし何を言っているか分からない。


しゃがんで、泡に耳を近づけた。
ありがとう、と聞き取れた気がした。

と、いうのもいつの間にか、真っ逆さまに落ちていたからだ。



それは退屈な授業のようにも、一瞬にも感じられた。






底は、クッションが敷き詰められてるようだ。
さすがに頭から着地すれば、助からないと思うが。














ここまでで、何か分からなかったことある?
大丈夫?そっか。じゃあ、話を続けるね。











あ、そうだ、そうだ。
俺、暗闇に一人で不安だったんだよね。
落ちてきてくれて、ありがとう。



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