始まりはいつもドラマチック。
終わりはどれもリアリスティック。
今まで紡いできたドラマ。
これから編んでいくドラマ。
どんな劇的なドラマにも必ず最期がある。
レンタルビデオ屋にある棚の中の貸し出しビデオの
ように。
図書館にある本棚の中の本のように。
きっと人生というドラマは何処かに仕舞われているのだろう。
人気なモノは沢山の誰かに見られて消費され。
不人気なモノは誰にも見られずにそこにずっとある。埃を被っているかも。
誰かに自分のドラマが娯楽として消費されるくらいなら。
特別事なんてなくていい。
終わりはいつもリアリスティック。
禁断の果実が梨だったら。
アダムとイヴは楽園を追放されなかっただろうか。
梨の旬が他の季節だったら。
ここまで人気にはならなかっただろうか。
梨の名前が「なし」ではなかったら。
スーパーにはなんて名前で並べられたんだろうか。
梨の色が赤だったら。
りんごの一種として扱われただろうか。
そんなことを考えても、梨は梨であり、何かが変わることもない。
私たちは、私は私であり、何かが変わることもないのに、「ああしてたら」「こうしてたら」と考えてしまう。
梨は梨であり、私は私である。
イヴが私で、アダムがあなただったら。
いつまでも楽園という名の監獄にいれたのだろうか。
もし私がイヴだったら。
禁断の果実なんか食べないのに。
秋ってなんか寂しい。人肌が恋しくなる。
落ちるのが早くなった太陽。
なんだか私だけ夜の暗闇に取り残されたみたい。
髪や、服と肌の間を縫う風。
その隙間になんだか胸が締め付けられる。
心なしか木々や葉も元気がなくて。
ぎゅって抱きしめてほしくなる。
そんな存在がほしくなる。
普段は見て見ぬ振りをする心の傷も、秋には自我が芽生えて私の心を悩ます。
出会ってから半年経って遠慮がなくなった友達。
信頼されてるのか、はたまた適当に思われてるのかわからない。
秋ってなんだか寂しい。
爽やかな風が、私の頬を撫でた。
夏の忘れ物を探しに
あの夏。
制服のポケットの、切符を取り出した時に零れ落ちてしまったもの。
駅の改札前に落としたもの。
駅には誰もいなくて、片道切符だから、
取りに戻れなかった。
今の私には、あの頃の青い春はないけど。
ワンピースのポケットから、定期を取り出す時、
何も零れ落とさないように。
君の名前を初めて呼んだのは、もう覚えていない。
でも、物心がついたときには、もう呼んでいた。
それからずっと。
誰かの前でも、心のなかでも、君の名前を呼んできた。
この世に生まれて、最初に贈られたその名前を、
その名前に込められた思いを、
今までその名前と歩んできた軌跡を、辿るたびに、
君のことを愛おしく思うんだ。
普段はそんなこと、意識しないけど。
匂いはないし、触れない。
でも、形は確かにあるし、音だって聞こえる。
そんな君の名前は、、、