待ってて
少しだけでいい
あなたの時間の端っこに
わたしの名前を置いておいてほしい
追いかけられない日も
声を届けられない夜も
それでも心は
あなたの方へ歩いている
急がなくていい
焦らなくていい
ただ、消えずにいてくれたら
それだけで十分なんだ
わたしはここで
あなたの影が揺れるのを
静かに、静かに
待っているから
眞白あげは
伝えたい
伝えたい、という一語には
胸の奥でまだ形にならない
あたたかさと痛みが同居している。
言葉にすればこぼれ落ちそうで
沈黙すれば届かないままで
その狭間で揺れる想いが
今日もあなたの中で灯っている。
風に乗せれば軽すぎて
石に刻めば重すぎる。
だからこそ、
あなたの声でしか運べないものがある。
たった一行の手紙でもいい。
震える指先のままでもいい。
伝えたいと思ったその瞬間から
想いはすでに、誰かへ向かって歩き出している。
眞白あげは
この場所で
この場所で
風の音を聞きながら
ひとつ深呼吸をする
昨日までの言葉も
胸の奥に沈んだ痛みも
ここでは少しだけ静かになる
誰かの期待でも
誰かの評価でもなく
ただ、私が私でいられる場所
歩いてきた道の影も
これから向かう光も
どちらも抱えたまま立ち止まる
この場所で
もう一度、始められる気がした
眞白あげは
誰もがみんな
誰もがみんな
ひとつの物語を胸に抱えて
今日という道を歩いている。
笑っている人も
黙っている人も
その影には
言えなかった言葉や
しまい込んだ涙がある。
誰もがみんな
強くなんてない。
けれど、弱さを隠しながら
それでも前へ進もうとする
その姿は、誰よりも美しい。
すれ違うだけの人にも
見えない戦いがあって
見えない願いがあって
見えない優しさがある。
だから、どうか忘れないで。
あなたが今日を生きたことも
誰かの明日を照らしている。
誰もがみんな
不完全で、愛おしい。
眞白あげは
花束
あなたの手のひらで
そっとほどけた色たちが
今日という日の温度を教えてくれる。
抱えきれない想いも
言葉にならない願いも
花びらのあいだに沈めれば
やわらかく形を変えていく。
誰かのために選んだはずなのに
気づけば自分の心が
いちばん救われていた。
散ってしまうことさえ
美しいと思えるのは
終わりがあるからこそ
今が咲き誇ると知っているから。
花束は、贈るものじゃなく
そっと寄り添うもの。
あなたが歩く道に
ひとつ、またひとつ
静かに灯りをともす。
眞白あげは