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3/6/2026, 12:20:49 PM



絆とは
声にしなくても伝わる
あたたかな糸のようなもの。

離れていても
触れられなくても
ふとした瞬間に
胸の奥でそっと結び直される。

強く引けば切れてしまうけれど
ゆるやかに寄り添えば
どこまでも続いていく。

涙の夜にも
笑った朝にも
その糸は静かに揺れて
私たちをつないでいる。

絆とは
約束ではなく
義務でもなく
ただ「あなたがいる」という
確かな気配のこと。

そして今日も
見えないその糸が
私をそっと支えている。



眞白あげは

3/5/2026, 12:11:11 PM

たまには

たまには
夜の窓をそっと開けて
風の声を聞いてみる。

いつもより少しだけ
ゆっくり歩いてみると、
街灯の下で影が
思いがけずやさしい形をしていたりする。

たまには
胸の奥の引き出しを
ひとつだけ開けてみる。
しまい込んだ言葉が
まだ温かいまま眠っていることに
気づくかもしれない。

たまには
誰にも見せない顔で
自分を撫でてやる。
今日を生きた重さを
そっと抱きしめるように。

そして
たまには
何も変えなくていい夜があってもいい。
ただ呼吸して、
ただここにいるだけで、
世界はちゃんと続いていくのだから。



眞白あげは

3/4/2026, 11:05:13 AM

大好きな君に

大好きな君に
言葉をひとつ渡すなら
それは花よりも軽く
ため息よりもあたたかいものがいい。

君の笑顔が
朝の光みたいに
そっと世界を明るくするたび
胸の奥で小さな鐘が鳴る。

大好きな君に
触れられない想いがある。
名前をつければ壊れそうで
黙って抱けば溢れそうで
ただ、君の隣にある空気になりたい。

君が歩く道に
影が落ちる日があっても
その影の輪郭を
そっと撫でる風でいたい。

大好きな君に
届くかどうかもわからないまま
今日もひとつ、言葉を置く。
どうか君の心の片隅で
静かに灯りますように。


眞白あげは

3/3/2026, 1:26:44 PM

ひなまつり

桃の香の
やわらぐ宵に
小さき灯りが
ひとつ、またひとつ
紙の肌を透かして揺れる。

段に並ぶひとびとは
遠い昔の息づかいを
そっと抱えたまま
微笑みをたたえ
春を待っている。

手を合わせるでもなく
祈るでもなく
ただ、静かに見つめるだけで
心の底に
あたたかな水脈がひらく。

春はまだ
戸口の向こうに立つばかり。
けれど、灯りの中で
わたしは少しだけ
やさしくなれる。



眞白あげは

3/2/2026, 6:32:28 AM

欲望

胸の奥で、名もない獣が目を覚ます。
静けさを破らぬよう、そっと息を潜めながら、
それでも確かに、世界の輪郭を押し広げていく。

触れたいものは、いつも少しだけ遠い。
指先が届かない距離にあるからこそ、
光は濃く、影は深く、心は熱を帯びる。

欲望とは、欠けた部分の形をした灯火だ。
満たされるたびに姿を変え、
満たされぬたびに言葉を覚え、
やがて私の歩幅を決めていく。

逃げても追ってくる。
抱けば牙を見せる。
それでも私は、
この獣と共に生きていく。

なぜなら、
欲望のない私など、
ただの影にすぎないからだ。



眞白あげは

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