莉白

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6/9/2024, 11:30:27 AM

朝になった。暖かそうな木漏れ日が窓から見える。私には全く無関係なものだ。だって私は生まれ付き太陽の光に弱い。小さい頃はそこまでひどくなかったから学校に行くことだってできた。でも学校ではヴァンパイアって呼ばれてた。他のみんなならかっこいいかも、とか思うかもしれないけど自分は親戚そろって宗教信者だった。そんな私にとってこのあだ名はただの屈辱でしかなかった。最初の話に戻るがこの症状は最近になって急にひどくなって来た。もう最後に外に出たのは何年前だったろうか?覚えてすらいない。まぁ覚えようとすらしていなかったけど、それにしてももうこんな窮屈なベッドにいるのは正直もううんざり。人生最後でもいいからもう一度だけ外に出て太陽の光を全身に浴びてみたい。そんなことをいつも考えながら私はこの窮屈なベッドから出ることなく一生を終えた。次はこの棺桶という窮屈な場所にずぅっといないといけないのか。もういいや棺桶なら出られるだろう。多分だって私はヴァンパイアらしいからね。
・・・ハハッまったくその通りだよ。何でバレちゃったんだろうか?最近のガキは感がいいな〜あんなガキらに出会ったのは三千年生きてて初めてだよ。あいつらも仲間にできないかな〜
こんなことを考えているといつもなら冷たい月あかりも暖かく感じるものだ。
【暖かい光】

6/8/2024, 11:56:53 AM

俺は右に行く!
いいや自分は左に行く!
お前左なんかに行ったら絶対後悔することになるぞ!
ハッその言葉そっくりそのまま返してやるよ!
何だと?お前がそんな奴だなんてな、お前にはもううんざりだ。
一回意見が違っただけのくせに
自分はそれが嫌なんだよ!
もういいお前とはもうここでお別れだ。
そうだな、さようならだ
後悔すんなよ。わかったな
んなこと言われなくたってわかってるよ。お前の方もな
ハッ、それじゃあな
あぁ、また明日
【岐路】

6/7/2024, 11:40:13 AM

「明日世界が終わるんだってさ」僕は誰でも嘘だってわかるような冗談言って君と話す内容を作ろうとした。でも君はそんな僕の話を聞く耳すらもたずに眠ったままだ。最後に君と話したのはいつだろうか?もう二、三年ほど前かな。それにしても君は本当によく寝るよね。睡眠不足なのか?それとも不眠症なのか?そんなわけないかいびき一つしないで本当に静かに寝るよね。でも息くらいはしてほしかったな。話は変わっちゃうけどお前は今まで白い服なんて全く来たことなかったくせに今日に限って真っ白な服を着てるんだな。それにいつもにましてニヤニヤした笑顔なんだから。僕その顔大嫌いだって何回言ったらわかるんだよ。
あぁ、明日世界が終わりますように。そんな気持ちを乗せて僕は君のお仏壇に手を合わせた。

6/6/2024, 11:35:16 AM

気味が悪いんだ。気分が悪いわけじゃない。ただ寒気がする。お化けにでも憑かれたような。でも僕のことを祟ってくるような奴なんて、、、あいつだ。僕が三年前に殺したあいつだ。でも本当は殺すつもりなんてなかった。あいつは前はいい奴だった。同じ会社の同僚でぼくより二つほど年下で生意気な奴だった。でも僕たち二人は営業課ではトップ争いをしたり、一緒に出張に行ったりとか、プライベートとかでも仲が良かった。でもそれはあいつが僕の上司になってから大きく変わった。あいつは僕よりも成績が良かった。そしていつの間にかあいつは僕の成績を越した。そしてもう3ヶ月も経てば僕の上司になっていた。そこからあいつは変わった。ものすごく典型的なパワハラ上司さ殴る蹴るだなんて当たり前だったしそれも血や傷のないようにそれに加えて標的は僕だけ。ものすごく悪質なパワハラだ。だから僕は正当防衛としてスタンガンを買った。僕はスタンガンであいつを気絶でもさせてわからせてやろうと思った。でも運の悪いことに僕のスタンガンがあいつの首に当たってしまった。その後あいつはほんの数秒もがきそして、死んだ。人間なんてこんなにあっさり死ぬんだと思った。そんなことを数分考えて、ふと我に帰ると急うに怖くなって、僕はそこから逃げた。僕はそのことを思い出すたびにこう思う僕が悪いんじゃない。君が
【最悪】
僕は殺した人間をその場に置き去りにして逃げた。僕は最も大きな悪になった。
僕は最悪だ。

6/5/2024, 12:29:15 PM

私には誰にも言えない、というか言わない秘密がある。それは、、ちょっとあんまり言いたくないんだけど、特別だからな、あぁえっと、、私に翼がないんだ。この世界じゃ翼が生えていることなんて珍しい事じゃない、翼はみんな持ってるんだ。みんなは天使みたいな綺麗な翼とか、機械仕掛けなメカニックな翼とかすごくかっこいいんだ。ちょっと憧れちゃうよ。私にも翼があれば良いのに、ずっとそう思って生きて来たんだ。誰にもいうなよ。秘密なんだからな、お前を信用してるから話したんだ。
僕はその言葉をいまいち信じられなかったが頷きながら聞いてあげた。でも僕は知ってる。本当は彼女にも翼はあるただ他のみんなみたいに綺麗じゃないから劣等感で開いてないだけだって、でもこんな話をされては少しは慰めも必要だと思って一緒に森に行ってあげた。森のは虫や翼を持たない生き物が多くいる。だから彼女にとっては居心地がいいらしい。自分と同じ立場のものを見て少し安心するんだろう。でも彼女は森の中の池に集って飛び回る蛍を見て彼女は少し涙を流した。そして彼女の涙は池にこぼれ落ちた。その途端彼女は光の包まれた。すると彼女には歪でみんなのように綺麗ではないが翼が生えた。彼女の翼はまるで雛鳥のようだった。彼女の歪な翼では飛ぶことすらままならないが、それでも彼女は翼が生えたことを大層喜んでいた。
いいなぁこいつは歪でも翼があって、僕だって翼が生えることを何年も前からどれだけ願った事かこいつにはわからないだろうな。だけど僕に翼がないことはこいつにだって言うつまりはないよ。僕だけの秘密なんだから。
【誰にも言えない秘密】

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