莉白

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私には誰にも言えない、というか言わない秘密がある。それは、、ちょっとあんまり言いたくないんだけど、特別だからな、あぁえっと、、私に翼がないんだ。この世界じゃ翼が生えていることなんて珍しい事じゃない、翼はみんな持ってるんだ。みんなは天使みたいな綺麗な翼とか、機械仕掛けなメカニックな翼とかすごくかっこいいんだ。ちょっと憧れちゃうよ。私にも翼があれば良いのに、ずっとそう思って生きて来たんだ。誰にもいうなよ。秘密なんだからな、お前を信用してるから話したんだ。
僕はその言葉をいまいち信じられなかったが頷きながら聞いてあげた。でも僕は知ってる。本当は彼女にも翼はあるただ他のみんなみたいに綺麗じゃないから劣等感で開いてないだけだって、でもこんな話をされては少しは慰めも必要だと思って一緒に森に行ってあげた。森のは虫や翼を持たない生き物が多くいる。だから彼女にとっては居心地がいいらしい。自分と同じ立場のものを見て少し安心するんだろう。でも彼女は森の中の池に集って飛び回る蛍を見て彼女は少し涙を流した。そして彼女の涙は池にこぼれ落ちた。その途端彼女は光の包まれた。すると彼女には歪でみんなのように綺麗ではないが翼が生えた。彼女の翼はまるで雛鳥のようだった。彼女の歪な翼では飛ぶことすらままならないが、それでも彼女は翼が生えたことを大層喜んでいた。
いいなぁこいつは歪でも翼があって、僕だって翼が生えることを何年も前からどれだけ願った事かこいつにはわからないだろうな。だけど僕に翼がないことはこいつにだって言うつまりはないよ。僕だけの秘密なんだから。
【誰にも言えない秘密】

6/5/2024, 12:29:15 PM