朝になった。暖かそうな木漏れ日が窓から見える。私には全く無関係なものだ。だって私は生まれ付き太陽の光に弱い。小さい頃はそこまでひどくなかったから学校に行くことだってできた。でも学校ではヴァンパイアって呼ばれてた。他のみんなならかっこいいかも、とか思うかもしれないけど自分は親戚そろって宗教信者だった。そんな私にとってこのあだ名はただの屈辱でしかなかった。最初の話に戻るがこの症状は最近になって急にひどくなって来た。もう最後に外に出たのは何年前だったろうか?覚えてすらいない。まぁ覚えようとすらしていなかったけど、それにしてももうこんな窮屈なベッドにいるのは正直もううんざり。人生最後でもいいからもう一度だけ外に出て太陽の光を全身に浴びてみたい。そんなことをいつも考えながら私はこの窮屈なベッドから出ることなく一生を終えた。次はこの棺桶という窮屈な場所にずぅっといないといけないのか。もういいや棺桶なら出られるだろう。多分だって私はヴァンパイアらしいからね。
・・・ハハッまったくその通りだよ。何でバレちゃったんだろうか?最近のガキは感がいいな〜あんなガキらに出会ったのは三千年生きてて初めてだよ。あいつらも仲間にできないかな〜
こんなことを考えているといつもなら冷たい月あかりも暖かく感じるものだ。
【暖かい光】
6/9/2024, 11:30:27 AM