今回は中の人の実際の話をします
この前、家で久々の休日を味わっていたら
友達が押し寄せてきたんです
そして、そのままピザパーティー&映画祭り
帰って行ったのは次の日でした…
楽しかったのですが、本音を言うと
ちゃんと連絡してからして欲しかった
まぁ我儘なお願いですよね…
『雨がやみませんね』
ポツポツと降る雨を見て、
隣の君はそう言い、私をみる
その眼差しは優しいうえに
雨に佇む、姿はよく似合っていた。
たしかに、雨はやまない
だから、その言葉は正しい。
でもその言葉は、もう一個意味を持っている。
で君はその言葉の意味知ってんのかなぁ?
さて、どう返そうか?
ちょうど、私はその言葉の返し言葉を知っていた。
突然、雨が降ってきた。
傘がなく困っていると、
隣に貴女がふとやって来た。
雨に佇んでいるその姿がいつも以上にうつくしくて、
雨はたしかに困りものだが、
俺はその姿をずっと見ていたいかったし
何より、昔から片想いしてる貴女のそばにまだいたかったから
俺は、思わず微笑みながら、こう言った。
「雨がやみませんね」と
そう、言ってから、少し恥ずかしくなる
やべ、これじゃあ、貴女が好きなんだって事がバレる。
あっでも、もしかしたら、この言葉の意味知らないかも…
そう思いながら、貴女を見ると、
貴女は一瞬驚いた顔をし、
それから、ハッとするぐらい、鮮やかに微笑む。
思わず、見惚れると、
貴女は、俺の真ん前まで、顔をよせ
こう優しくささやいた
『そうだね、雨がやみまないね?だから私は寒いです』
まさかの意味を知っている上に
返し言葉を使ってきた。
俺はキャパオーバーしながら、
「じゃああっためてあげます」と
言いながら、貴女を壊れもののように
優しく丁寧にハグした。
雨の中、佇む2人
さて、
今日はここに何を書こうかしら?
今日はいろんなことがあって書きたい事沢山あって
母さん困っちゃうわ。
んーそうだわ、
今日はみんなで、ケーキを作ったことを書きましょう。
すごく楽しかったわよ。
ジョンとゴウとルルはお買い物を手伝ってくれました。
2人を指示するジョンは、さすが長男で頼もしかった。
ゴウとルルは、小さな手で、一生懸命に計算してて、
相談しながら、お買い物をしてる姿はとても凄かった。
母さん実は自分の分早めに終わらせてこっそりつけてたのよ?
あなたたちは、気づいたかしら?
お家に帰ったあとは、
今度はマイケルとフレッドとショーンとジニーで
ケーキを作り始めました。
普段は、喧嘩ばかりしてるマイケルとフレッドが協力して
作ってるのを見て、母さんすごく嬉しかった。
ショーンとジニーが果物を切ってくれたわね。
とても上手に切れてて、いっぱい褒めちゃった。
ケーキ焼いてる間に、ロナルドが皿洗いを手伝ってくれた。
初めてなのに、綺麗に洗えてて、母さんはびっくりした。
ジルとココは、味見担当で、満面の笑顔で味見してる顔が
とても可愛くて、ついもう一切れ上げて、
父さんに怒られちゃった。えへへ
完成したケーキはとても美味しくて、
母さん、みんなの事がとても誇らしかった。
是非、みんなと、
「『また作りたいなぁ』っかぁ…」
俺は死んだ母の日記帳の最後のページを読みながら、
その懐かしい字をなぞり
必死に溢れてくる涙を堪えていた。
俺はマイケル、今年で17歳になるこの家の次男坊
(まぁヤンチャすぎて、家のモンスター次男って言われる)
今日は大掃除の日で、
なんとなく書斎の部屋を掃除してると
死んだ母の日記帳が見つかった。
母は、俺が9歳のときに事故で死んだ。
開いてみると
この日記は、全部のページが埋まっていて
とくに最後のページには、
母のお誕生日のケーキ作りの様子が詳細に書かれていた。
読んでいくうちに、涙で溢れ、俺の視界が曇った。
だって、この日記は
この日記は、書いた本人である母の事は
あまり書かれてなくて
俺たち子供のことが沢山書いてあったのだ。
『今日は、双子のフレッドとショーンが珍しく喧嘩しました。
早く仲直りしてほしいなぁ』
『今日は、四ツ子のルルとロナルドとゴウとジニーが
おままごとしてて、母さん参加しちゃった』
『ジョンとマイケルは、日々大きくなっていくね、
母さん嬉しなぁ、』
『ジルが掛け算出来た!!まだ四つなのにすごい!!』
『ココが今日お花をくれた。押し花にして取っとこう』
そう言った、俺たち子供の日々の事が細かく書かれていて、
そのことに、俺は泣いた、駆けつけた他の兄弟姉妹も泣いた。
日記は全て語り口調になっていて
おそらく母さんは、俺たちに見せる気だったんだと思う
大きくなった今の俺たちに、
忘れかけた小さい頃の事を教えるために、
ただそれだけの為に書いていたんだと、思う。
年老いた自分と大きくなった自分の子供たちと
懐かしげに、小さな頃のことを思い出して語り合う。
でも母さんは死んで、それはもう叶わない。
俺は、嗚咽を堪えて、こう言った
『なんで、書い、た本人が不在なんだよ…母さん』
もちろん、答えはない。
でもどこかで、懐かしい声が聞こえた気がした。
死と生は向かい合わせで
死はみんなに平等に等しく訪れる
だからこそ、向かい合わせの死が来るまで、
生と共にある僕らはこの世界を生きる。
どんなに死にたくても、明日が見たくなくても
生きる、生きる、生きる、
背一杯、生きる
たとえ笑えなくても、どんなに苦しくても、
生きなければ、いけない。
生きて、生きて、生きて
自分の限りある時間、全力で駆け抜ける。
何言ってんだって思うかもしれないけど、
兎も角、僕は、たしかに顔を見たこともないけれど、
それでもあなたにこの矛盾した言葉を伝えたい。
僕だって、明日が見たくないときがある。
死にたいと思う日も、苦しくて仕方ない日もある。
でも、それでも、心臓は止まらなくて、
死にたいのに、生きなきゃいけないくて、
でも、死ぬのは怖くて、痛くて、
でも生きたくて、でも死にたくて、
大きな矛盾を抱えて、それについて考えて、考えて
この感情はなんだろうと考えながら僕は生きる。
いつか来る終わりである死と向かい合わせで生きる。
だから、結局言いたいのは、ただ一つ
どうか生きててください。
死が、顔を見たこともないあなたに訪れるまで、
どうか生きててください、死なないでください。
自分で自分の心臓にピリオドを撃たないで下さい。
僕が言いたいことは、それだけです。
ごめんね、ごめんね
ごめんなさい。
助けられなくてごめんね。
わがまま言ってごめんね。
未完成な自分が愛してごめんなさい。
死なせてしまって、ごめんなさい。
本当は守りたかった、自分がこの未来を守りたかった。
全てを乗り越えて、ハッピーエンドを贈りたかった。
あの場所が好きだった。
大切だったから取り戻したかった。
何がなんでも取り戻したかった。
でもそのせいで、君は死んだ。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんね、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんね。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんね、
どうか、どうか、どうか、どうか、
赦して、どうか自分を赦して、赦せなくても
赦したくなくても、どうか
きみをしなせてしまったこととあいしてしまったことを
ゆるして、
『つぎこそは、きみをしなせない。きみをまもるよ』
今度こそ君を守るために、
今度は、自分は、天使にも悪魔にもなる
そう思いながら、言葉は崩壊と死と静寂に包まれ、消えた。
贖罪とやるせない思いを抱えながら、
自分の意識は途切れた。