37.君と一緒に
俺らはいつも孤独だった。
僕は親を小さい時に亡くし、誰にも引き取られず
施設に入れられた。
そんなことがあり僕は心を閉ざすようになり、自分を傷つけるような行為をし続けていた。
そんな僕の前にいた君はいつも明るかった。
みんなと仲がいい君から目が離せなかった。
だが君は誰にも見せない表情がある。
いつも学校帰り、海辺で君を見つける。
入学初めの時から毎日君はそこにいた。僕は遠くから眺めていた。君はとても悲しそうに海を見ている。
そんな君に話しかけた。
「何でそんなに悲しそうな顔をしてるの」
君の隣に座って君が見つめる先をみた。
答える前に君は泣き出してしまった。
僕はなんて声をかければいいのかわからなくて、
ずっと君のそばで君が見つめていた先をまた見た。
その日から君は学校でも話しかけてくるようになった。僕も嫌な思いはしなかった。
それから、僕たちは付き合うようになった。
君はなぜ毎日海を見ていたのか、なぜ悲しそうな顔をしていたのか話してくれるようになった。
君は寂しがりやで、とても繊細な子だとわかった。
毎日死んでしまいたいのだと思いながら
海を見ているのだと知った。
それがなんだか悲しくて心がギュッとなった。
君の思いに答えようと思った。
だから君と一緒に、手を繋いで海に歩き続けた。
36.日の出
僕は孤独だった。いつも味方でいてくれるお父さんが失踪してしまった。タバコを買ってくるって言って
帰ってくることはなかった。最後に交わした会話
なんてたわいない話で覚えてもいない。
僕は、お父さんのことを知りたくていつも夏休みに
行っていたお父さんの別荘に行った。
とても静かなところで海の波の音が聞こえて涼しい。
お父さんの机の引き出しを開けた。一段目にはタバコが置いてあり、二段目にはウイスキーが入っていた。
僕はお父さんがやっていたようにタバコを吸った。
少しむせたが2本目は慣れたようだった。
部屋にはお父さんが書いた本がたくさんあった。
僕は夢中になってウイスキーを飲みながら読んでいた。が、酔いが回ったのか気づいたら眠っていた。
するとお父さんが目の前にいた。
「よお!お前も来ていたのか!
お前にはまだ早いだろ笑」
久しぶりに聞いた声に泣きそうだったが堪えた。
「どこに行ってたの?楽しかった?」
そう聞くしかできなかった。
「そうだなぁ〜これから雪山に行こうと思ってるんだ。お前も行くか?」
お父さん雪苦手じゃん笑そう思いながら頷いた。
するとお父さんは笑いながら「いつかな笑いつも心の中で一緒だからな!しんどかったら言えよ!」
そう言われ目が覚めた。全て夢だったんだ。
外を見ると日の出だった。
それを見てお父さんの顔を思い出す。
僕はひとりじゃないんだと心から思った。
35.今年の抱負
僕は1月1日に初夢を見た。僕は夢日記を書いていた
ことがあるくらいすごい不思議で怖い夢が多い。
例えば…アリス症候群になった話とか
誰かに追いかけられる話とか。
あまり覚えていないがとても怖い夢だったことは
覚えている。それを踏まえて聞いてほしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日の夢は、誰かに追いかけられる夢を見ていた。
僕は第三者的なポジションで上から見下ろすみたいに自分を見ていた。とても怯えていて声も震えていた。
よっぽど怖い奴に追いかけられているんだな、
そう思った。僕は棺桶がたくさんある場所に辿り着き開いている棺桶に入って隠れた。
息を殺して隠れていた。
第三者で見ている僕は、誰に追いかけられているのかとても気になってしまった。
笑い声が聞こえるだけで誰なのかわからない。
追いかけていたやつの姿が見えた瞬間、
背筋がゾクッとした。そんなわけがない、そんなことあるはずがない。
追いかけてきたやつは、まさかの自分だった。
追いかけている自分は、とても笑っていた。
僕が出せないような声を出しながら…
そうして見つかった。
追いかけられていた自分は、
追いかけていた自分に顔を潰されて殺されていた。
僕は息ができなくなりそうだった。
自分が自分を殺している場面を、目撃したのだから…
とても怖かったのは、血がついた顔で天井を剥きながら第三者の僕を見て笑っていた。
起きた僕は泣きながら鼻血を出していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんな夢を見て僕は健康面、日々の生活を大事にしようと、そう思いました…
34.1年間を振り返る
一年間、僕は大きく変わった気がする。
まず、人見知りが改善された気がする。
親の友達で小さい時から仲良くしてもらっている人や近所の人にたわいない話もできるくらい変わった。
親にも、「前よりも話すようになったね」
と言われた。
あとは、学校を辞めた。
学校生活が合わず2学期になって絶えられなくなり、
喘息が悪化してそれでも毎日走らされて、
学校行きたくなくて親と朝から喧嘩…
そんな日々が続いた時、俳優の仕事に興味を持った。
それからは早かった。
オーディションを受け、合格し、学校を辞めた。
これからもいろんなことに興味を持ってやりたいと
思ったものはチャレンジしてみようと思う。
このアプリも、毎日は無理でも語彙力を少しでも
治すため続けようと思う。
33.冬休み
僕は冬休みなんか嫌いだ。
なぜなら、寒くてさらに孤独に感じる。
僕の家は貧乏だから暖房もない。雪が降り始めたら
死を意味するぐらい危険だ。親は働きに出ているので顔もあまり合わせない。
誕生日の日でさえ、1人で毛布にくるまりながら自分でお祝いの歌を歌ったりしていた。
こんな誕生日のせいで自分が何歳なのかも
忘れてしまった。
親も今生きているのかさえもわからない。
お腹が空いてきた。でも家には何もないし動けない。
僕は確信した。もうすぐ僕は息絶えてしまうのだと…
せめてもう一度親に会いたかった。お腹いっぱいに
ご飯を食べたかった。暖かい場所で過ごしたかった。
だから僕は冬休みが嫌いだ…