37.君と一緒に
俺らはいつも孤独だった。
僕は親を小さい時に亡くし、誰にも引き取られず
施設に入れられた。
そんなことがあり僕は心を閉ざすようになり、自分を傷つけるような行為をし続けていた。
そんな僕の前にいた君はいつも明るかった。
みんなと仲がいい君から目が離せなかった。
だが君は誰にも見せない表情がある。
いつも学校帰り、海辺で君を見つける。
入学初めの時から毎日君はそこにいた。僕は遠くから眺めていた。君はとても悲しそうに海を見ている。
そんな君に話しかけた。
「何でそんなに悲しそうな顔をしてるの」
君の隣に座って君が見つめる先をみた。
答える前に君は泣き出してしまった。
僕はなんて声をかければいいのかわからなくて、
ずっと君のそばで君が見つめていた先をまた見た。
その日から君は学校でも話しかけてくるようになった。僕も嫌な思いはしなかった。
それから、僕たちは付き合うようになった。
君はなぜ毎日海を見ていたのか、なぜ悲しそうな顔をしていたのか話してくれるようになった。
君は寂しがりやで、とても繊細な子だとわかった。
毎日死んでしまいたいのだと思いながら
海を見ているのだと知った。
それがなんだか悲しくて心がギュッとなった。
君の思いに答えようと思った。
だから君と一緒に、手を繋いで海に歩き続けた。
1/7/2024, 12:46:47 AM