47.この場所で
いつもの図書室。いつもの席。その隣には君がいる。
君の笑った顔が好きだった。
帰りもたまたま一緒になったり、連絡も毎日じゃなくても続いたし。
「やっぱ隣にいて落ち着くわ」その言葉でいつも胸が高鳴る。
今日もいつもの席に座ろうと図書室に来た。
でもその席には知らない女の子。その隣には君がいる。
胸が張り裂けそう。いつもの笑顔はその女の子に笑いかけている。嫌だ。やめて。そんな顔でその子を見ないで。
そう言いたかったけど声が聞こえた。
「いつもいる女の子に付き合ったこと言わないとじゃない?勘違いしてるかもだし。」女の子が言った言葉に君は少し困った顔で話す。
「まぁ話さないとだけど。別に好きじゃないからな。話しやすいだけ。」
その言葉を聞いて胸が締め付けられ、涙が出た。
私は好きだった。その私にしか出さない笑顔が…
気づかれないようその場を去ったが君からの連絡。
図書室来てた?らしき人が見えたんだけど…
その連絡を見て見ぬふりをした。
この場所で好きになって、
この場所で失恋をして、
この場所でひとりで終わった。
付き合ってすらないのにひとりで終わった。
こんな失恋嫌だな…
46.時計の針
私の時計の針は止まったまま。。
私は記憶がない。
でも彼女がいるらしい。可愛らしくて愛嬌のある女性だ。
そんな彼女は毎日会いに来て昔の話をしてくる。
初めて話した日、一緒にご飯を食べた日、デートした日、私が知らないことがたくさん。
何も思い出せない。彼女は何も思い出せていない私を見て寂しそうな顔をしていた。そんな彼女を見て私は抱き寄せていた。
彼女は泣いてしまった。思い出せない私は虚しい気持ちでいっぱいになった。
ある日、海を歩いている時、彼女のことが気になった。何をしているんだろう、どこにいるんだろう考えていると頭の中で知らない記憶が蘇る。私は体が動いていた。
彼女の元へ走っていく。どこにいるか分からないけど体が覚えている。彼女を見つけると抱き寄せていた。
「おもいだしたよ」やっと思い出せた。
彼女は笑顔で泣いてしまった。私も泣いた。
私の時計の針は動き出した。彼女とこれからも動き出そうと思う。
45.Kiss
『真実の愛のキスで呪いは解ける』
「呪い?」私の頭にはハテナがいっぱいだ。
真実の愛なんてあるはずがない。今の私は戦うだけ。
私が行っても呪いは解けるはずがない。
だが戦うのが仕事だから行かなくては。
毎日毎日戦いに戦って行く。だが真実の愛のキスなんてできなかった。やりたくもなかった。初対面の人にキスなんで出来るはずない。
ある日、いつも通り戦った。
姫の目の前まで歩いていく。「またどうせキスなんてできない。」そう思っていた。
だが、姫の方を見ると私が昔から知っている人だった。
名前も知らない、誰かも分からない。
ただ人目惹かれて、毎日笑顔でとても綺麗な人なのは覚えている。私の初恋の方だ。
私は自然とキスをした。すると姫は目覚めた。
私でも、真実の愛があったのか。ふたりで抱き合った。
2人は結婚し、幸せに暮らした。
44.奇跡をもう一度
何もしなくてもいい
少しの間でいいから会いたい
あの海の上で初めて出会った時みたいに。
またあの人に出会えたら…
この気持ちも忘れられるのに
早く会いたい 期待してる自分がいる
もう来ないのにね…
43.たそがれ
学校が終わり、みんな帰る準備をしている。
それを見て私も帰る準備をする。
君が来るまで…
みんなが帰っていく。みんなに手を振って見送る。
教室が私1人になるまで。秘密の約束。
君が来るまで、あと少し、待ち続ける。
来るはずもないのに…
勝手に涙が出てくる…
気づけば外は夕暮れ。早く帰ろう。
誰も来るはずのない教室から…