49.無色の世界
いつもと同じ生活。
ご飯食べて、学校に行って、家に帰り寝る。そんな毎日。
本当につまらない。僕の世界は何も無い無色の世界だ。
新学期が始まる。入学式。桜が舞うこの季節。
ぼーっと桜を見ていたが、ふと目線を下げるとあの子はいた。
綺麗な髪、白い肌、あの子は桜を愛おしそうに見ていた。
その姿に目が離せなかった。なんだろうこの胸の高鳴りは。
気づいたのかあの子は僕に笑いかけてきた。
その姿に僕は恋をした。
あの子と出会って僕の世界は変わっていったんだ。
あの子とクラスが一緒になりしかも隣の席だ。
僕は仲良くなろうと話しかけ、
連絡先も交換し、とうとうデートの約束もできた。
前日は告白のセリフを考えていて寝ることもできなかった。
待ち合わせ場所に着くと、あの子は待っていた。
私服も可愛くて胸の高鳴りは治まらない。
あの子と一緒に行く水族館はとても楽しかった。
きっと何をしても楽しいだろうな。
そう思い、「好きだ。」と心の声が漏れてしまった。
あの子は顔を真っ赤にして「私も好きだよ。」そう答えてくれた。
この無色な世界を、あの子は彩りの世界に変えてくれた。
これからも一生忘れない君を、大切にするよ。
48.夢見る心
「夢は夢!現実を見ろ」親にそう言われ絶望をする。
何も考えられない。
誰もいない教室で君は私の悩みを聞いてくれる。
「僕は現実より夢を見て、その夢を現実にするために頑張る君が好きだな。」そう言われ顔が赤らむ。
恥ずかしくて私はスケッチブックで顔を隠す。
スケッチブックには君の似顔絵でいっぱい。
私はそう言ってくれる君が好き。
47.この場所で
いつもの図書室。いつもの席。その隣には君がいる。
君の笑った顔が好きだった。
帰りもたまたま一緒になったり、連絡も毎日じゃなくても続いたし。
「やっぱ隣にいて落ち着くわ」その言葉でいつも胸が高鳴る。
今日もいつもの席に座ろうと図書室に来た。
でもその席には知らない女の子。その隣には君がいる。
胸が張り裂けそう。いつもの笑顔はその女の子に笑いかけている。嫌だ。やめて。そんな顔でその子を見ないで。
そう言いたかったけど声が聞こえた。
「いつもいる女の子に付き合ったこと言わないとじゃない?勘違いしてるかもだし。」女の子が言った言葉に君は少し困った顔で話す。
「まぁ話さないとだけど。別に好きじゃないからな。話しやすいだけ。」
その言葉を聞いて胸が締め付けられ、涙が出た。
私は好きだった。その私にしか出さない笑顔が…
気づかれないようその場を去ったが君からの連絡。
図書室来てた?らしき人が見えたんだけど…
その連絡を見て見ぬふりをした。
この場所で好きになって、
この場所で失恋をして、
この場所でひとりで終わった。
付き合ってすらないのにひとりで終わった。
こんな失恋嫌だな…
46.時計の針
私の時計の針は止まったまま。。
私は記憶がない。
でも彼女がいるらしい。可愛らしくて愛嬌のある女性だ。
そんな彼女は毎日会いに来て昔の話をしてくる。
初めて話した日、一緒にご飯を食べた日、デートした日、私が知らないことがたくさん。
何も思い出せない。彼女は何も思い出せていない私を見て寂しそうな顔をしていた。そんな彼女を見て私は抱き寄せていた。
彼女は泣いてしまった。思い出せない私は虚しい気持ちでいっぱいになった。
ある日、海を歩いている時、彼女のことが気になった。何をしているんだろう、どこにいるんだろう考えていると頭の中で知らない記憶が蘇る。私は体が動いていた。
彼女の元へ走っていく。どこにいるか分からないけど体が覚えている。彼女を見つけると抱き寄せていた。
「おもいだしたよ」やっと思い出せた。
彼女は笑顔で泣いてしまった。私も泣いた。
私の時計の針は動き出した。彼女とこれからも動き出そうと思う。
45.Kiss
『真実の愛のキスで呪いは解ける』
「呪い?」私の頭にはハテナがいっぱいだ。
真実の愛なんてあるはずがない。今の私は戦うだけ。
私が行っても呪いは解けるはずがない。
だが戦うのが仕事だから行かなくては。
毎日毎日戦いに戦って行く。だが真実の愛のキスなんてできなかった。やりたくもなかった。初対面の人にキスなんで出来るはずない。
ある日、いつも通り戦った。
姫の目の前まで歩いていく。「またどうせキスなんてできない。」そう思っていた。
だが、姫の方を見ると私が昔から知っている人だった。
名前も知らない、誰かも分からない。
ただ人目惹かれて、毎日笑顔でとても綺麗な人なのは覚えている。私の初恋の方だ。
私は自然とキスをした。すると姫は目覚めた。
私でも、真実の愛があったのか。ふたりで抱き合った。
2人は結婚し、幸せに暮らした。