周りにとけ込めない女の子

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36.日の出


僕は孤独だった。いつも味方でいてくれるお父さんが失踪してしまった。タバコを買ってくるって言って
帰ってくることはなかった。最後に交わした会話
なんてたわいない話で覚えてもいない。
僕は、お父さんのことを知りたくていつも夏休みに
行っていたお父さんの別荘に行った。
とても静かなところで海の波の音が聞こえて涼しい。
お父さんの机の引き出しを開けた。一段目にはタバコが置いてあり、二段目にはウイスキーが入っていた。
僕はお父さんがやっていたようにタバコを吸った。
少しむせたが2本目は慣れたようだった。
部屋にはお父さんが書いた本がたくさんあった。
僕は夢中になってウイスキーを飲みながら読んでいた。が、酔いが回ったのか気づいたら眠っていた。
するとお父さんが目の前にいた。
「よお!お前も来ていたのか!
お前にはまだ早いだろ笑」
久しぶりに聞いた声に泣きそうだったが堪えた。
「どこに行ってたの?楽しかった?」
そう聞くしかできなかった。
「そうだなぁ〜これから雪山に行こうと思ってるんだ。お前も行くか?」
お父さん雪苦手じゃん笑そう思いながら頷いた。
するとお父さんは笑いながら「いつかな笑いつも心の中で一緒だからな!しんどかったら言えよ!」
そう言われ目が覚めた。全て夢だったんだ。
外を見ると日の出だった。
それを見てお父さんの顔を思い出す。
僕はひとりじゃないんだと心から思った。

1/3/2024, 9:51:12 PM