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8/4/2023, 8:07:47 PM

ほんとうは
救われたい

望む力は
捨てきれないから

野が焼けて、鳥たちが湿地を目指して飛び立つとき

ほんとうは
報いのそばに居たい

小さくて、無様で、ひとりきりだから

なんとか
あたたかいほら穴を

狂わなくても
責められない夜を

欲しくて
過ごしたくて

#つまらないことでも

7/31/2023, 2:44:28 PM

ゆっくりと走りだし
その痣に向かって
跳ぶ夜もある

落ちていく間に
めくるめく物語が
指先を弄びすり抜けていく

繋ぎ止めるために
栞を挿むような
得体の知れない祈りに
降参するような

深い森の仲間に
夢がまたひとつ加わり
ソーサーの上に置かれた
気配が凍りつく

スマホを落として
自分の身を守れなかったんだから、と
逃れられない理由を
言葉にしてみて

この世に味方を
もう探すことができないなら
目覚めている理由が
行為の音になる

ぼくは森をふく風のように
考えることをしないで
あなたと混ざりあう時
生まれてこなかったことにもなるように

ずっと
ずっと
ここにいる

冷たい手を、ぶら下げている

#だから、一人でいたい。

5/1/2023, 2:27:24 PM

真白い昼光をはなつ
シーリングの上に
堪えられないものが
張り裂けて

端から端までを
見渡すことのできない
天を眺めながら
椅子に座って

あんまりな
生活を産んだ
海を産んだ
思いに耽るたびに

だれかの、胸の上で
踊るだけの水滴になりたい
埃みたいに払われても
一つの星でありたい

ぼくはぼくの
屋根のうえを駆けて
たださようならの
準備をしている

#カラフル

4/20/2023, 9:02:50 PM

彼女は激突した。

星々が光るためにここで生まれた。

燃える頭を戴きながら川縁で息を吹き返した。

そして思った。

何者か。

ほんとうは声に出して問いたいことを。

きっかけがあればいのちは蒸発していくから。

夢の底をひきずる足あとが、永遠に画している。

欲望のかたち。

水晶のようにかなしそうな肌の色。

呼吸が濡れるまで炎をせきとめることはできない。

言葉ではきっと思い出せないかもしれない。

それでも、と。

彼女は激突した。

ぼくだけがそのことを知っている。

#何もいらない