彼女は激突した。
星々が光るためにここで生まれた。
燃える頭を戴きながら川縁で息を吹き返した。
そして思った。
何者か。
ほんとうは声に出して問いたいことを。
きっかけがあればいのちは蒸発していくから。
夢の底をひきずる足あとが、永遠に画している。
欲望のかたち。
水晶のようにかなしそうな肌の色。
呼吸が濡れるまで炎をせきとめることはできない。
言葉ではきっと思い出せないかもしれない。
それでも、と。
彼女は激突した。
ぼくだけがそのことを知っている。
#何もいらない
4/20/2023, 9:02:50 PM