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ゆっくりと走りだし
その痣に向かって
跳ぶ夜もある

落ちていく間に
めくるめく物語が
指先を弄びすり抜けていく

繋ぎ止めるために
栞を挿むような
得体の知れない祈りに
降参するような

深い森の仲間に
夢がまたひとつ加わり
ソーサーの上に置かれた
気配が凍りつく

スマホを落として
自分の身を守れなかったんだから、と
逃れられない理由を
言葉にしてみて

この世に味方を
もう探すことができないなら
目覚めている理由が
行為の音になる

ぼくは森をふく風のように
考えることをしないで
あなたと混ざりあう時
生まれてこなかったことにもなるように

ずっと
ずっと
ここにいる

冷たい手を、ぶら下げている

#だから、一人でいたい。

7/31/2023, 2:44:28 PM