辛いこと

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5/10/2026, 12:08:03 PM

ー公園ー(モンシロチョウ)

地面に足を擦り付けると、
靴の裏で砂が動いている感触があって気持ち悪い。
サンダルのようなこれではなくて、もっとちゃんとした靴を履いてくるんだった。

自販機で買った無糖のコーヒーを手で弄んだ。
揺らすたびに、重さが変わって、たぷたぷと音がした。

よく冷えていて手の皮膚に張り付いてくる缶は、少々鬱陶しい。
子供たちの笑い声が耳に辛い。
あぁ、どうしてこんなに苛つくんだ。

子供たちは虫取りをしているらしかった。
一匹の蝶を追いかけている。

黒いまだらに白い体。
あれは確か、モンシロチョウ。

ガサッ

軽い音がして、一人が嬉しそうに叫んだ。

「捕まえた!」

網はぐにぐにと動いている。
モンシロチョウが抵抗しているようだった。

一人がモンシロチョウのいるであろう箇所を押さえ、
もう一人がその中に手を突っ込み、モンシロチョウを引きずり出した。

その瞬間、

「あ」

一人が声を上げた。
モンシロチョウの翅の一部が取れたのだ。

「うぇ…。お前なにやってんだよ!別の取らなきゃじゃん!」
「ごめんって。どうしよこれ」
「捨ててけば?」
「うん」

手が離され、
風に揺れる翅と対照的に、本体は軽く落ちる。

「なにこの粉!」
「きったね」
「…」
「は!?なすりつけんな!!」

子供が去っていくのを見届けて、俺もそろそろ帰ろうかと立ち上がった。
缶を捨てようと、子供たちがいた場所を通り抜けるときに、
思わぬことが起きた。

ぶつっ か ぐちゅ。

そんな擬音で表すのが相応しいであろう。
薄い靴底にはっきりと感じた。

こんなにも、気持ち悪いのか。

足を挙げ、踏んだ場所を見る。
意外にも、血らしきものは見えなかった。

ただ、潰れている。

…まぁいいか。

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踏んだらやだなぁ。
おやすみなさい。21:08

5/9/2026, 11:07:11 AM

ー歯ー(耳を澄ますと 君と出逢って、 明日世界が終わるなら…… 初恋の日 一年前 忘れられない、いつまでも)

歯の奥に、何かが挟まっていた。
舌で触る。
手は入れたくないのだ。

それでだんだんイラついてくる。
何だって、こんな日にこんな事をしているんだろう。

【今日隕石が衝突し、地球は滅亡する】

ネットはすでに色々な言葉で溢れていた。
0.1秒でさえ、止まることなんて知らなそうに。

ニュースの切り抜き動画だって、すでに相当な数回っている。
誰もが情報を求めているんだ。

それでもどうでも良さそうに、仕事をする人間がいる。

警察は忙しそうに街を飛び回り、コンビニ店員はだるそうにレジ打ちをして。
会社員は電話の向こうに頭を下げ、黙々と書類を作る人間もいる。

仕事のない俺には分からないし、バカみたいに見えるけど。
多分みんな思っているんだろう。

明日がきたらどうしよう って。

半信半疑。

もっと、

泣き叫ぶとか、
裸の人間とか、
抱き合うとか。

ドラマみたいになると思っていた。
でも案外普通で、冷静で、喚いているのは極少数で。

信号は律儀に色を変えて、
半額シールの貼られた惣菜を買う人がいて、
学生は笑いながらスマホを覗いて。

つまり、あくまでエンタメみたいなものってことだ。

舌でまた、奥歯を探る。
取れない。
だってそれは、舌が厚いからだ。

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恋愛の話入れようと思ったのですが、少し書くのが難しくて諦めました。お題回収しきれず申し訳ないです。
それと、サボったのもごめんなさい…。
おやすみなさい。20:07

5/4/2026, 10:49:59 AM

ー邪魔者ー(二人だけの秘密)

屋上で一人たそがれながら、
自販機で買った無糖のコーヒーを格好付けて飲む。
これこそ休み時間の有効な使い方だろう。

「チッ」

横から突然舌打ちが聞こえたら、自分に向けられたものではないかと気になりはしないか。
僕はまさにその瞬間。
ドキリとして顔を向けた。

そこにいたのは絶世の美女…。
気の強そうなその人は、いつの間にか僕の隣に来ていたようだ。

「あー!ムカつく!!」

びっくりする程大きな声でひとり言をいう。
怖い。

自然に場所を変えようとするとその人は、

「どこ行くの」

と言った。

僕に向けた言葉か、これまたびっくりするひとり言か。
どちらかと言えば前者だろう。

しかし僕に勇気は無いので、別の人間に話しかけた可能性を考慮し、再び歩き出す。

「ちょっと」

手が、僕の肩を掴んだ。

「え。…僕ですか?」
「そう。話聞いてよ。どうせ暇でしょ」

「暇っていうか…」
「いつも一人なの知ってるんだからね」

「…なんで僕」
「だって、他に誰もいないし」

本当だ。
屋上には僕たち以外に人間が見えなかった。

「……」
「あれ見て」

彼女が指すところには、一組のカップル。
腕を組みながら歩いている。

「…カップル?」
「うん。まぁそうとも言える」
 
この人は、カップルを見て嫉妬する、恋愛がしたい人?

「あの人ね、私の彼氏」
「…浮気ってことですか?」

「そうそう。浮気大好きな人なの」
「…どうして付き合ってるんですか?」

「格好いいから」
「あなたが浮気相手の可能性もある」

「あなたって呼び方気持ち悪い。凛(りん)って呼んで」
「…はい」

「私は本命。それは本当」
「どうして?」

「中学からこの4年間付き合ってるから」
「え?」

「幼馴染みで、成り行きで、みたいな?」
「凄いですね」

「あっちも私のことステータスだと思ってるみたいだし、もう恋心なんてお互い燃え尽きてるから、見栄を張るために付き合ってるだけだけど」
「…それで、なんの話ですか?」

「あぁ。愚痴?言わせてよ。一緒にいるとこ見たら、あいつ嫉妬するかもだし」
「嫉妬させたいんですか?もう好きじゃないとか言いながら?」

「それは……なんだって良いでしょ!」
「それに僕じゃ嫉妬なんてしなさそうですけど」

「大丈夫でしょ!」
「…うーん。僕は確かに暇なので、昼休み屋上でならいいですけど」

「ありがとう。もう今日は良いかな。明日からお願いね!」
「はい」

「あっ!私があいつのこと好きなの誰にも言わないでね」 
「言いませんよ。相手だって」 

話し終わらない内に、暖かい何かが頬に触れた。
音が、消える。

「お願いね」

耳元でそう聞こえたかと思うと、彼女は小走りで去って行く。

感触が残っている気がして、恐る恐る頬を触りながら、
僕は呆然として屋上の扉を見つめていた。

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おやすみなさい。19:49

5/3/2026, 11:00:39 AM

ー利ー(優しさだけで、きっと)

誰かの為になることを、
自分の利も求めずにする。

そんな超人、いるんでしょうか。

つまり、
優しさだけで嬉しくなるのは、

「自分のためだけに動いてくれる人はいない」という考え。
これを、表面上で読み取れなかった「相手にとっての利益」を無視して、
自分の考え方が違ったと、裏切られたと感動しているから。


…個人のどうでもいい見解ですけど。

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昨日書いたものに、句点のつけ忘れを見つけたので直しておきました。
誤字脱字はなるべく気を付けたいです。
20:00

5/1/2026, 1:43:47 PM

ー虹ー(カラフル)

可愛いよね。
カラフルって。
だから私、全身をカラフルにしてるのよ!

虹みたいな感じ。

だけど不思議ね。
そんな私のこと、
みんな変な目で見てくるの。

からかわれたこともあった。
それで私、知ったんだけど。

最近、なんだったかしら。
ほらあの…。
Lなんとか。
…うーん。

忘れちゃった。

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おやすみなさい。22:43

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