辛いこと

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5/1/2026, 9:42:01 AM

ー禁物ー(楽園)

「お母様、あれはどうしてここに居るのです?」
「雇ってるの。あなたと年も近いでしょう。友達として接しなさい」

「友達は信用ならないと、お父様から教わりました」
「ふふ。対等な関係はそうかも知れないわね。だけど、あれはお金で雇っているのよ。安心して大丈夫でしょう」



あの頃、中性的な体つきをしたそれは、綺麗な顔をしていた。

「名前は?」
「マリと申します」

髪も、結んでいたのに、背中の真ん中辺りまで落ちていたから、結構長かったと思う。

「どうしてここに来たの?」
「家が、苦しくて」

「好きな食べ物ってある?」
「好き嫌いはあまり」

綺麗な声だと思った。
よく響く、中性的な声。

「お父様には会った?」
「はい。お会いしました」

「どうだった?」
「お優しい方だと思いました」

「……」
「坊ちゃま。旦那様がお呼びです」

「え?分かるの?」
「はい」

長いまつ毛に隠れた瞳は、どこか遠くを見つめている。
いつでもすまし顔で、僕の後ろに立ってついてきた。



「旦那様!お辞めくださ」
「黙れ!お前は重罪人だ!息子をたぶらかす悪魔め!」

「お父様。どうかもう一度、考え直してみてください」
「えぇい!煩わしい!今のお前は信用できんのだ!」

「でも!」
「「でも」では無い!いつからか知らんが、いつの間にか子供を作って!あちらとの結婚もこれでパァだ!」

マリはしばらくして、処刑された。
お腹の子と共に。

お腹の子は自分の子ではない。
それを証明するものはどこにも無かった。

誰も疑わなかったのだ。

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私は駄目な人間なんです。どうして忘れてしまうのでしょうか

4/29/2026, 12:10:46 PM

ータネー(風に乗って)

風に乗って会いに行くわ。

色んなところで、
色んなものを見たの。

教えてあげる。
綺麗なもの。

あなたの家にポツンと落ちて、あなたは私を拾うのよ。

あなたの手で、育ててもらえたらどれだけ…。
私はその瞬間に、ピンクの花を咲かせるでしょうね。

そしたら、
あなたは優しく私を撫でるわ。

「可愛いね」って言いながら、
どこもかしこもその手で掴んで。
私を引っこ抜いちゃうでしょうね。

可哀想な私は、水の中に浮かぶの。
あなたの用意した、私じゃない別の子が描かれた花瓶にね。

そしてあなたは結婚するの。
なんでもない顔で、綺麗な人と。

そのうち子供も生まれるわ。
だから私は復讐をするの。
汚れてしまったあなたたちに。

タネを落として、
机の上でそれが芽吹く。
家具に根っこが絡みついて、徐々に家の中を侵略していくの。

業者を呼んだって無駄。
私は新種なの。

気高くて美しくて…
とっても、繁殖能力が強い。

あなたは後悔するでしょうね。
私を育ててしまったこと。

それで母子と一緒に別の場所へ引っ越すわ。
私と子供たちを残して。

私たちは茎を切られて、研究所に運ばれるでしょうね。
それ以外は家と共に燃やしてしまうの。

でも、運ばれている最中。
子供たちがタネを落とし始める。
そこから根付いて取り返しがつかなくなって…。

あぁ、もうすぐ彼の玄関だわ。
すぐに拾ってもらわなきゃ。

きゃっ!
危ないじゃない!
踏んづけられるところだった…。

さぁ!
お願い拾って?

ぐしゃ

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おやすみなさい。21:10

4/28/2026, 11:30:09 AM

ーもうー(刹那)

彼女の体を、何かが切り裂いた。

飛び散る肉片。
ビチャビチャと嫌な音をたてる。

「ぁ」

どれがどこの皮膚だったのか判別できないほど、
細かく砕かれた彼女の骨だけは、まだ残っていた。

骨にこびりついた欠片。
僕が握っていた彼女の手だけが、傷ひとつなく手の中に収まっていた。

刹那。
体に鋭く、痛みが走った。

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おやすみなさい。20:30

4/27/2026, 10:55:41 AM

ーどーでもー(生きる意味)

「生きる意味ってなんだと思う?」

突然の問い。

「え?」
「だから、生きる意味ってなんだと思う?」

「…幸せとか?」
「幸せになりたいの?」

「…そりゃそうでしょ。幸せがいいよ」
「自分の幸せのために、みんなが犠牲になるとしても?」

「壮大過ぎない?流石にそこまでして幸せになりたくはないけど」
「なんで?」

「道徳的にダメでしょ」
「じゃあその「道徳的」が無かったら?」

「…どうだろ。てかなんの質問?」
「無人島になにもってく?的なやつ」

「あー。そっか。なにもってく?」
「船」

「ふね??…いや待ってその船燃料切れだわ」
「木の船は?」

「凶暴なサメがいるから食われてサメEND」
「じゃあ、絶対壊れない船」

「重くて沈んだ」
「…あっ。燃料MAXの凄い硬くてバランス完璧な大型船」

「ふーん。……サメに食われてサメEND」
「ずるっ!めっちゃ硬い船だよ!」

「実は未来のサメだったからなんでも壊せる」
「未来ヤバいねそれ」

「うん。だから生きる意味とか考えてる場合じゃない」

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おやすみなさい。19:55

4/27/2026, 7:42:24 AM

ーあの子は善ー(善悪)

善悪とは何だろう。
僕を否定するやつらは悪で、僕はきっと善だろう。

僕が好きな唐揚げは善で、トマトは悪。
あの子は善で、あの男は悪。

あの子が善ってことは、あの子が好きなあの男は善?
……あの子が善なら、あの子の嫌いな僕は悪?

ううん違うよ。
僕を嫌いな奴が悪。

僕が好きな人と、僕を好きな人は善。
あれ?


…僕は悪?
でも僕は善で、あの子も善で、あの男は悪。
でも僕は悪で、あの子は善で、あの男も善。
でも僕は善で、あの子は………。

あの子はなんだ?
あの子が善だと変になっちゃうな…。

でも、あの子は善だろ?

基準はなんだ?
僕はなんだ?

誰が善だ?

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お題だけのものが9枠あるので、とりあえずそれ以上溜めないように頑張ります。

多分今日からまた七時〜九時までのどこかに(金、土を除く)書く感じになります。

溜まった9枠は休日のどこかで気が向いた時に書こうと思うので、
あなたも気が向いた時に読んでくれたら嬉しいです。

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