ー公園ー(モンシロチョウ)
地面に足を擦り付けると、
靴の裏で砂が動いている感触があって気持ち悪い。
サンダルのようなこれではなくて、もっとちゃんとした靴を履いてくるんだった。
自販機で買った無糖のコーヒーを手で弄んだ。
揺らすたびに、重さが変わって、たぷたぷと音がした。
よく冷えていて手の皮膚に張り付いてくる缶は、少々鬱陶しい。
子供たちの笑い声が耳に辛い。
あぁ、どうしてこんなに苛つくんだ。
子供たちは虫取りをしているらしかった。
一匹の蝶を追いかけている。
黒いまだらに白い体。
あれは確か、モンシロチョウ。
ガサッ
軽い音がして、一人が嬉しそうに叫んだ。
「捕まえた!」
網はぐにぐにと動いている。
モンシロチョウが抵抗しているようだった。
一人がモンシロチョウのいるであろう箇所を押さえ、
もう一人がその中に手を突っ込み、モンシロチョウを引きずり出した。
その瞬間、
「あ」
一人が声を上げた。
モンシロチョウの翅の一部が取れたのだ。
「うぇ…。お前なにやってんだよ!別の取らなきゃじゃん!」
「ごめんって。どうしよこれ」
「捨ててけば?」
「うん」
手が離され、
風に揺れる翅と対照的に、本体は軽く落ちる。
「なにこの粉!」
「きったね」
「…」
「は!?なすりつけんな!!」
子供が去っていくのを見届けて、俺もそろそろ帰ろうかと立ち上がった。
缶を捨てようと、子供たちがいた場所を通り抜けるときに、
思わぬことが起きた。
ぶつっ か ぐちゅ。
そんな擬音で表すのが相応しいであろう。
薄い靴底にはっきりと感じた。
こんなにも、気持ち悪いのか。
足を挙げ、踏んだ場所を見る。
意外にも、血らしきものは見えなかった。
ただ、潰れている。
…まぁいいか。
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踏んだらやだなぁ。
おやすみなさい。21:08
5/10/2026, 12:08:03 PM