『My Heart』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
My Heart
濡れた石を蹴る帰り道
遠くの他人がゲェムの話 靴の下の水の声
邪魔で投げた傘 何時もと違う私の心
私は屹度 心の呪縛から解けて雀の様
今だけ解けて どうでも良くなる
此の儘 校区外まで駆けて行こうか
馬車を降りた足で向かうのは長い付き合いの友人宅。白い手袋に覆った手でノッカーを叩くと、そう待つこともなく出迎えられた。
「ようこそ、今日を心待ちにしていたわ。わたくしのパンジーさん」
「ご機嫌よう、わたくしのビオラ」
二人のあいだだけの愛称で呼び合って、笑み交わしながら招かれる手に従って邸宅に入る。
月の第一木曜日と第四月曜日の十四時はアトホームの時間として、この邸宅での心穏やかな時間を過ごす。
ただし通されるのはドローイングルームではなく、小さな温室だ。
小さな温室はこの国には珍しい植物も植木鉢に収まって育てられている。木々や草花に囲まれた中心にティーセットが用意されたテーブルがあり、入り口のすぐ傍らに用意されたコートハンガーに帽子と上着を預けて、中央のテーブルに着く。
月にたった二回だけの彼女とのアトホームの時間。
けれどアトホームのマナーを破ったふたりきりの時間。
「今日は良い茶葉を用意できたの。香りが蜜のように甘くて、味はワインように芳醇よ。パンジーのために取っておいたの」
「楽しみだわ。ビオラのスコーンも待ち遠しかったのよ」
「わたくしも、パンジーさんとの時間が早く来てほしいと思っていたわ」
手袋を脱ぎ、テーブルに置いて彼女が用意するお茶を待つ。その間の他愛のない会話に、胸が苦しくなる。
お互いに会いたかったと言葉にしても、誰にも親しい仲だと言っても、こうして特別なアトホームを月に二回行う仲だとしても肝心な言葉は、わたくしたちの心を口にすることはない。
「さあどうぞ、パンジー」
「いただきますわ、ビオラ」
テーブルの下で靴先を触れ合わせながら、持ち上げたティーカップをゆるやかに傾ける。
とろりと甘い甘い蜜の香りが飲みながら、まるで自身の心を飲んでいるような心地になった。
甘くて、豊かなのに、絡まるのを恐れるように流れていく。
「素敵な香りと味ね。ビオラが用意してくれるお茶はいつも美味しいけれど、今日は格別だわ」
「喜んでもらえて嬉しいわ。パンジーのことを想いながら選んだのよ」
綺麗に紅を乗せた唇を持ち上げて浮かべる微笑みは、とてもとても愛らしい表情をしていて、触れ合っている靴先から熱をじわりと点されるようだった。
#My Heart
1
ついばんで解れた糸の真っ先に
また軟膏をほら塗り替えて
2
すり替えていいと思う苦しみは
割れた心にまた宿るから
3
さようなら気分転換またいつか
煙る指先ラッキーストライク
4
雲はゆく再び雨を蓄えて
君のところに雨を降らせに
題『My Heart』
いつかかならず君に渡すから
もう少し待っててください…
もう少しだけ…
ごめんな…
My Heart
私の心は、私が一番好きになりたい。好きでいたい。
好きでいられる自分でいたい
16
悪口だけで繋がっている人達は
自分の立場が危うくなった時
いとも簡単にその人を裏切るのだろう
まるで今まで笑って話していたことなんて
無かったかのように
全く知らない人みたいに
たとえ悪魔が襲ってきて
最初は一緒に逃げていても
捕まりそうになったら
繋いでいた手を離して
その人を悪魔に差し出すのだろう
そしてその人が食べられるのを
遠くから黙って見ているのだろう
ガラスというほど脆くはないな、と君が言う。
ダイヤモンドほど輝かしくもないだろ、と言う。
だから、あんたの心は石英に似てる、と言う。
その時から、わたしは、わたしの心ってそういうものだな、と思っている。
まあ、ついでに言っておくなら、せめて水晶って言ってくれないかな、とも思っている。
それは、なんというか、ロマンの問題として。
#My Heart
『My Heart』
最近心がぎゅーって
なって苦しい、、
息もできないぐらい
苦しくて
しんどくて
過呼吸まで起こす、、
今日は桜を見に行った
でも、下ばかり向いて歩いてた
そしたら、そしたらね
道の端っこに
まだ形を残した
一輪の桜の花が落ちていた
きっと風に吹かれて落ちたんだろうね
下ばかり見てても
小さないいことがあった
下ばかり見てても
お花は見つけられる
きっと今日
道の端っこで見つけた
一輪の桜の花のように
足元に落ちていたり
足元に咲いていたりする
お花は
上ばかり向いていては
見つけられない
下ばかり向いているから
見つけることができるんだよ
下ばかり向いて歩くと
顔を上げなさいって
言われるけど
下ばかり向いているからこそ
見つけられる幸せもある
逆に上ばかり向いていると
いいことも悪いことも
全部、全部
視界に入ってくる
下を向いてもいいんだよ
上ばかり向いて
歩こうとしなくていい
きっと
上を向いて歩こう
とばっかり思っていたら
見たくないものまで
見えて疲れちゃうから
下を向くのも大事
My Heart_
私は学校で超人気者よ!
家でも家族にチヤホヤされるの!
どこに行ったって周りが私に視線を向ける!
とっても幸せ!
私は誰よりも可愛くて魅力的な子なのよ!
私より可愛い子なんていないわ!
毎日友達と遊んで
大好きなお菓子作りをして
たーっくさん寝て
楽しい毎日を送るの!
こんなに楽しいなんて最高よ!
私ってどうしてこんなに優秀なのかしら!
「私が世界で1番楽しんでるわ!」
そう毎日自分に言いかけてたのよ
でも、もう限界みたいですの
…笑える
しとしとと雨が降り続く中
君は約束通り花見の名所へ連れて行ってくれた
桜色の傘を半分に分け合って歩き
君は時々立ち止まっては
綺麗、と桜を愛でていたけれど
僕の胸の高鳴りは違う方向へ向いていた
ああこの時の何と儚く美しいものか
これほどまでに離れ難いものかと
一人こっそり永遠を願ったものだ
泣きそうなくらいに幸せだったのだ
願わくば
僕の心がいつか灰になった時
何も知らぬままに泣いてください
そのために今の僕の胸の痛みがあるのです
My Heart
「人の心はどこに宿るのだろうか。なんていう使い古された問いに対して今更ボクなんかが言葉を重ねる必要などないくらいには、様々な立場や考えの学者の皆様が散々議論を重ねて来たのだろうけどさ。やはりボクとしてもそれは折に触れて考えたくなる話題なわけだよ。キミも一度くらいは考えたことくらいあるだろう?やぁ、いい朝だねダーリン」
出会い頭、挨拶の枕詞にしては長すぎる台詞を1度も噛まずにすらすら述べる目の前の女に、僕は目を見開き、固まる。…そして数秒を使って何とか脳を動かして状況を理解。嘆息を返した。
「なんだいなんだい、景気悪いね。やなことでもあった?」
「目覚めたら自室に招いた覚えのない女が布団に潜り込んでいて、しかも寝起きの頭に訳の分からない前置きを長文でつらつらぶち込んでくるんだ」
「それは災難だったね」
「お前のことだよ」
そいつは失敬!なんて言って布団からするりと抜け出した彼女はへらへら楽しそうに笑っている。
「話の続きは朝食の席でしようか。ボクはジャパニーズブレックファスト定番の納豆ご飯でいいよ。お腹ぺこぺこだからなるはやでよろしく」
「飯までたかる気か…?てか作るの僕かよ」
僕が用意した朝食にありつきながら、彼女は「さっきの話の続きだけどね」と僕の注意を集めようと箸を向けてカチカチ鳴らしてくる。
「箸でこっち指すな行儀悪い」
それを軽く手で押さえながら、仕方なしに聞く姿勢を取る。基本的にこの女は自分のやりたいことはやりきる性分だ。しっかり話を聞かない限りずっと隣で何かを言い続けるだろうからトータルで見てしっかり話を聞いてやる方が効率が良い。
「他の派閥もいるだろうけどね。心の在処については脳、心臓、体という器の中、魂と呼ばれる部位の中…基本的にこの4つが有力候補だろう。その中の魂派は、その21gを証明する手立てがほぼなく、そのことから魂派の者の主張は精神論にならざるを得ずに、悔しいが一番論拠が薄かった。でもね、それは昨日までの話さ。ボクはついに真実に辿りついてしまったんだ。そう、魂はある」
「何でもいいから食べながら喋るな。米粒飛ぶから」
そいつは失敬!なんて言って飛んだ米粒を拾い集めてひょいぱくと口に突っ込む彼女。先程も含めて、多分失敬なんて思っていないだろう。
「ふう、ところでダーリン。僕の理論を完璧にするには1つ前提が必要なんだけども」
そして彼女は
「なんでキミは朝からボクに聞いてこないんだい?「キミって昨日死んだよね?なんでここにいるの?」ってさ」
天気の話くらい気軽に、易々と僕の地雷を踏み抜いた。
「…何言ってるんだよ現にお前は、目の前に」
「分かってるくせに。まあ説明して欲しいんだね?いいとも。ボクのこれは死体だよ。魔力でコーティングして腐らないように。魔力を流して動いているように見せているだけの機能停止した廃棄物さ。いやぁ死んでから魔女になるとは思ってなかったけど、昨日まで自分になかったはずの魔力でも案外使ってみれば出来るもんだね?」
まあ動かすのに1晩かかっちゃったけども。と、彼女…僕の目の前で昨日脳漿を撒き散らして死んだはずの恋人は、昨日までと何ら変わらない笑顔をへらりと浮かべた。
「で、さっきの話に戻るとね。今って動いて見せてるけど言わば糸で操る人形みたいなものでさ。脳も動いてなければ、心臓の鼓動もなくて、外殻だって生命活動が何もないただの肉塊と何ら変わらないものになってしまった。多分今ボクと言えるものはこの魂のみ。だけど今ボクは魔法を操れるし、考えることもできるし、昨日と同じようにキミを愛していると確信できる。ということはやはり心と言えるものは魂に紐ついていたのだと、まあそう結論付けたというわけさ」
正直、昨日から僕の頭はそれほど働いていない。脳が処理を拒んでいたからだ。でも、これだけは言える、いや言っていいんだよな、と僕は緊張で乾ききった唇を舐めて湿らせながら恐る恐る声を出した。
「…でも、だったら。お前は死んだ、けど、これからも今までと変わらず僕のそばにいるってことだ、そうだろ?」
うんそうだよ。となんてこともないように気軽に返事をしてくれる、そう信じて疑わない僕を
「うーん、そうだと言いたいところなんだけど。それに答えるためにまずボクが聞きたいんだよね。ねぇダーリン」
またも彼女はどん底へと突き落とすのだ。
「キミさ、キミの魔法でボクのこと作ったりしてないかい?ダーリン…じゃなくて鬼灯と虚構の魔女」
僕の通り名を久々に口にした彼女は、朝目覚めて一番に考えた可能性を僕に再度突きつけていた。いなくなったはずの恋人がいる、そんな奇跡あるはずない。
虚構の魔女。固有魔法は「在るはずのないものを在ると偽る」能力である。
「もちろん、キミが何もしていないというのなら正真正銘ここにいるのはボクさ。タッチの差で魔女になれたから上手いことこの世にしがみつけた超絶ラッキーなボク。だから先程の問いにもいくらでも頷くよ、今日を過ぎてもずっとキミと一緒にいよう。魂とやらが摩耗して消えるその時まで。約束だ」
「でもね、これでキミがボク恋しさに無意識で「ゾンビ風になって蘇ったボク」を作り出してしまったならそもそも先程の理論は何一つ意味がなくなる。だって魂も何もないこういう風に話して笑って過ごすだろうなってキミが思うボクの幻影なんだもの。約束だってできないさ、だってそれならもう本当のボクはいないってことになるんだもの」
「だからキミに聞きたいんだよ虚構の魔女。キミはボクに魔法を使ったかい?」
そう言い連ねる彼女に僕は喘ぐようにして小さな反論をする。そうだ、この子も魔女になったのだから。
「お前も魔女になった…そう言ったじゃないか。そうしたらセフィロトに登録されて今頃大図書館にお前の名前の本があるはず…流石に僕の能力だって不可侵の大図書館までは変質させることはできないはずだ。だったら、お前が魔女になった、その事実でお前の存在を証明出来る」
そんな僕に
「うん、まあ見に行ってもいいんだけどね。ボクの魔女名言ったっけ?言ってなかったかな?…では改めてボクの名前は「虚像の魔女」。キミたち魔女の通り名は必ず2つの要素で構成させてると前に言っていたじゃないか。じゃあボクは何故不完全にも1つの…しかも虚像なんて名前なんだろうね」
彼女…虚像の魔女は少し寂しそうに微笑んだ。
*
後にセフィロトに向かうも、やはり本には虚像の魔女としか書いておらず、司書をしている魔女たちも全員首をかしげた。
そして僕は、彼女…虚像の魔女の存在が僕の魔法によるものかを疑いながらも、それでもどうしたって本人としか思えない彼女を愛さずにはいられずに。
ここから、虚像の魔女の心の実在を証明するための長い長い日々が始まったのだ。
『あの詩人』
逆さの蝙蝠傘のような心持ち 生春巻を食べながら
あの詩人の詩を思い浮かべる 誰もが詩人であるけれど あの詩人はやはり良い なんか良い 私の心に挨拶もなしに上がりこんできたのに 嫌な感じがしない
許してしまって良いのだろうか ひと言忠告すべきだろうか 私の道徳心が天秤でシーソーを始めたようだ
私の心臓から出る黒い霧の化け物
もうとっくに、幼い頃に、みんなは同じ化け物を倒してしまったから気が付かないのね
あるいは、無視できるほどに押さえ込んでるか
私は違った
見てよこいつ
あまりに変わりすぎて、よく見てもそれと気が付かないでしょう
いや、もうみんなには見えてないんだ
黒くて大きい化け物が
私の全身を締め付けているのが
これのせいで動けないんだよね
これがみんなと同じ高さのハードルを飛べない理由
ああ、信じないぞ、って顔してるね
そうだ、そうだよね
見えないんだもんね
私だけか
私だけか
いや、みんなにもいるのかも
みんなが強くて抑え込めてるだけで
こいつ、生殺しが好きみたい
全然私の息の根を止めてくれないの
私が死ぬまで、私の心臓の鼓動を触媒に
存在し続ける化け物
「マイ・ハート」って、名付けたの
そろそろ、他人すら傷つけるようになるわ
だから、私、お別れを言いに来たの
ごっ、とぶつかる音がして刃先が止まった。
体の芯まで衝撃がひびく。目の前が真っ白になる。息は荒く、汗がどっと噴きでて手がぬめった。
一瞬何もかも忘れてしまいそうになる。慌てて自分をひきもどす。
思考がぱちりと止まってしまったのは痛みだけのせいじゃない。いいや、痛みなんてほとんど感じていない。脳の中で物質が飛び交っていて、わたしの感情はほとんどよろこびに傾いている。
あなたの頬に血が飛ぶ。青ざめた頬に赤色が映えて、その赤がわたしのものだと思えば嬉しくて、けれどやっぱりそんなもの付いていないほうがあなたは綺麗だ。
包丁を放り投げて、こちらを見つめて固まってしまったあなたの手を取った。血の気がひいて冷たい指先を、わたしの胸の中へ導く。肋の隙間を通して、やわいところへ。
早鐘を打つ、という言葉通りにわたしの心臓はすさまじいスピードで脈打っていた。あなたに触れられているから。まだ冷たい気がするけれど、きっとすぐにあたたかくなる。
ねえ、これでわたしの想いは分かってくれるよね。
しっかり
こねこね こねこね
まーるく
くるくる くるくる
お手玉
ペッタン ペッタン
仕上げの形は
ハート型
召しませ特製ハンバーグ
My Heart
重い
重い
重い
朝起きて日が鬱陶しいから 瞬きもする気が起きない
鼻が詰まってる
目覚めない
部屋を回る風も詰まる
蟠りがある 泡沫みたいに消えればいいのに
猫が擦り寄ってきて私の膝に座った
かわいい
少し軽くなる
絵を描く
木炭が削られる音を聞きながら木炭紙の摩擦を感じて また少し軽くなる
母の嘔吐の嘔吐く声が聞こえる
あの憎い母の。 滝が降ってきたみたいに重くなる
正直母が苦しんでいるのは愉快だ もっと苦しめばいい
でも軽くならない
父と2人の夕飯、明るい話は無い 酸化した空気を感じるだけ
重くなる
重すぎてきっともう何周もしている
何も感じない
それは嘘 そうであって欲しいだけだ そうなら、楽だから。 不安定ななくていいものだ
お題 「My Hart」
僅かに毛が生えてる?ってこともあれば
やっぱりツルッツルかも…
てこともあるよ。
まぁ基本ガードは固いね。
なかなか心から打ち解けることはないな。
きっかけは些細なこと。
出会った次の日に遠くから車飛ばして
大きなバラの花束貰ってみ?
マッハのごとく雪解けよ。
其れが始まり。
そして今がある。
My Heart
My Heartを揺さぶるもの
探し続けたい
私の心は、もうとっくに決まっている。
多分これは、運命の恋だ!
そうと決まれば私は告白するしかない!!
大好きなあの人へ!!!
――きっとこれは、産まれる前から決まっていたこと。
運命の導きが、私とあなたを結び付けてくれたの。
私はそう信じる。
まぁそれでも、あなたの心を聞くのは、ちょっと怖いけどね……
〜My Heart〜
形を失った肉塊が、バッテリーに繋がれて自動的に脈打っているだけのような
培養液に封じられ脆いガラスに守られたような
使い勝手の悪い可動式の入れ物の中で、ただ生きることだけを望んでいる、不安定で行き場のない物質
温度の変わるガスのようなもの
#My Heart