『10年後の私から届いた手紙』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
きっと心配性のあなたの事だから
良からぬ事を想像しているだろうけど
未来も明るいよ!
今よりも もっと刺激的な日々を送っているよ
大丈夫!
そのままでいい
そのままのあなたでいて!
#10年後の私から届いた手紙
ビリビリに破られた紙が、下駄箱のスノコの上に落ちていた。
「ラブレターでも破ったのか……?」
私は、紙片を1枚ずつ拾う。何が書かれているかは分からない。辛うじて、『ごめんね』『私 より』『生』の字は分かる。
ラブレターだとしたら、なんとなく内容は想像できる。
私より良い人がいるだろうからごめんね、みたいな。
「あれ……? でもそれって、ラブレターじゃなくない……?」
それに、それを破く意味が分からない。
貰った側が怒って破いた? こんな、誰かに手紙を拾われて解読される可能性のある場所で?
私は、紙片をパズルのように並べた。内容が気になる。もし本当にラブレターだったとしたら、あげた方と貰った方には悪いけど。
少しずつ紙片パズルが完成していく。
罫線が引かれただけの、白い便箋。いや、ノートを破いたのかも。とにかく、シンプルなそれに、並んだ言葉。
『2024年2月15日の私、これを見たらすぐに逃げて。絶対に捕まらないで。詳しいことを言えなくてごめんね。生きて。 10年後の──』
「10年後の私より……?」
どういうことだろう。捕まらないで、とは誰に?
じ、と見ている間にふと気付く。この手紙を読んだだけでは、内容の意味が分からない。だから、破いても意味がない。意味があるとしたら、恐らくこの手紙の主の10年前である私と、"私を追っている誰か"にしか。
ハッとして、外靴に履き替えるのも忘れて昇降口へ向かった。しかし、遅かった。
「ざんねんでした」
手紙を破いた犯人が、ニタリと笑って私の行く先を塞いだ。
ごめん、10年後の私。ちょっと間に合わなかったかも。
10年後の私から届いた手紙
『運動しっかりせぇよ』
10年後の私から届いた手紙
未来の自分に手紙を書くならきっと、元気にしてるかとか
友達と連絡とってるかとか、聞きたいことは色々あるけど
生きていたくないと本気で思っているか、と聞きたい。
もし思っているなら、まだ生きるのをやめるのは早いぞと
口を出してもいいと思う。
それだけ未来には価値があると、未知が広がっていると
今は思う。
今は、迷いながら探りながら
不安も抱えながら
インナーチャイルドを連れて
行きたい未来へ行こうとしてる時だよね
大丈夫、
宣言したとおりに
どうにかなってる
不要な物を捨て去って
毒親から解放されて
物を書いて
写真を撮って
困らない程度にお金もらって
それなりに元気に
ちゃんと生きてる
本当の私が
ちゃんとここにいるから
だから、そのまま信じる道を
インナーチャイルドを連れて
ここまでおいで
【10年後の私から届いた手紙】
10年後の私からの届いた手紙。
失敗した帰り道は、やはりいつもよりもとても冷
たく暗いものの様に感じる…上を見上げると雲と
間に小さな星が一つだけこちらを覗いてる。
そして私は思わず、
「なぁ…このままで大丈夫かい?10年後の私は何
をしているんだい…」とつぶやく。
当たり前だか、そんな事をつぶやいたところで…
返事は帰ってくるはずはない。そんな事を知って
るがゆえに、少し虚しくなった。
だが…絶望した事はこれまでも沢山あった、しか
し、それでも生きてる。あの雲の隙間から見える
星もきっと、「これから先良い事も悪い事もある
が最後は幸せになる!」と言う10年後の私からの
手紙であろう。そう信じてる。そんな期待を込め
て…また、歩き出す。10年後幸せになれるよう
に…
白紙。
そうか、私は――。
テーマ「十年後の私から届いた手紙」
「10年後の私から届いた手紙」
あれなんかある、
見てみよ。
えぇまって、
めっちゃ懐かしいもの見つけた!
小学生の時集めてたシールやカードが入っていた。
なんかこの紙なんだろ、
読んでみよ!!
”10年後の私へ”
生きてる〜?
今楽しいよ♡
高校ちゃんと行けてますか?
不安で仕方がない笑
今なんの仕事に就いてる?
”アイドル”の道は辛くなるけど頑張ってね!
私ならきっとできるよ!
自信持ってね!
”10年前の私より”
やばぁ__。
なぜか涙がこぼれてしまった。
アイドル本気で目指したけど不合格だったしなぁ...
だけどなりたい!自信持てるようにしたい__。
「ありがとう。10年前の私」
【202,お題:10年後の私から届いた手紙】
10年後の私から手紙が届いた
薄いピンクの封筒に、可愛い猫のシールが貼ってある
それを見た瞬間、私は涙が溢れた
そうか、"僕"は嘘を付かずに生きていけているんだな
自分の好きなものを、隠さず好きと言えているんだな
私が私であれたことを、そのピンクの封筒は証明していた。
10年後の僕から届いた手紙にはこう書かれていた。
もう無理だった、ごめんね。
今の僕は死ぬほど辛いのに、未来のお前が何を言ってるんだ。努力しろよ、と一番嫌いな言葉を未来の僕に向かってつぶやいた。
10年後の私から届いた手紙
楽しいこと嬉しいこと幸せなこと
宝物みたいに詰め込まれてる
だけど次第に薄い筆跡
何か私に知らせたいみたい
今の時間を大切にしてって
過ぎた時間は戻らないって
一体何を伝えたいんだろう
ハッと目覚めて午前7時
そろそろあなたを起こさなくちゃ
この手紙が無事にあなたに届いていることを願います。
このようなことを伝えても、たちの悪い悪戯だと思うかもしれません。
けれど、これは真実なのです。
すぐそばに彼女はいますか?
あなたが一生添い遂げると決めた彼女です。
もしそばにいるのなら、悟られないようにひとりになってください。
この手紙を読み終えたらすぐに逃げてください。
どこでも構いません。彼女から離れられるのなら。
彼女に小さな違和感を覚えていますね。
幸せだと自分に言い聞かせて、その綻びに気付かない振りをしている。
しかし針の先ほどだった綻びは、いずれ大きな闇となり、あなたを呑み込んでしまいます。
彼女は悪です。
あなたを破滅させる。
悪魔は悪魔の顔をしてはいないのです。
あなたがあなたでいられるうちに、あなたのままで。
ぼくはもうだめです。
10年後の私から届いた手紙
カタり。まただ。最近、不可思議な手紙が毎日決まった時間に届く。10年後の自分を騙る者からの手紙だ。正直気味が悪い。ドアスコープを覗きこんで送り主が誰なのか突き止めようとしたが、誰もいないのに手紙が届く音がするだけだった。
手紙の内容だって気味が悪い。逃げろ、引っ越せなどという内容がつらつらと書いてある。引っ越しにはお金がかかるし何より今の家を気に入ってる。引っ越す理由などない。
届いた手紙は一応何か相手の手がかりがないか、サラリと目を通す。今日の手紙は一段と不気味だ。とにかく今日だけでも逃げろ。そうじゃないと後悔する。こんな平凡な日々に、なにか起こるはずもないだろう。
ピンポーン。インターホンが鳴る。今日は特に誰も来る予定はなかったはずだが。実家からなにか突発的に送られたのだろうか。ドアスコープも覗かずに、ガチャとドアを開けた。
朝家のポストを覗いてみると手紙が入っていた。
それは10年後の私から届いた手紙だった。
10年前の私へ
私は今笑えてる?楽しい?きつい?さびしい?
そんな私は今頃ちょーつらいでしょう。死んじゃおなんて考えてるかな?そんなことは考えない方がいいね笑でも、そこまで追い込まれてるんだよね。誰にも相談できんくて辛いよね。
でもね、あなたは生きてるよ。このとーり元気にね。私は幸せに暮らしてる。今のあなたには想像できないくらい本当に幸せ。きついことや辛いことがあってもあなたの周りには支えてくれる人が居ます。あなたはひとりじゃないよ。そのことを忘れないでね。ほら、顔を上げてごらん。
この先あなたに訪れることはきっといい事だから。自分を信じて幸せになってください。
10年先のわたしより
テーマ「10年後じゃないけれど」
自分はまだ成人式は行っていない。まだ、高一だから…
でも、これだけは未だにずっと覚えている。それは、中3の時に「成人になった自分」への手紙を書いたからだ。あの時が懐かしい。あと4年で成人式、どんな自分になっているのだろうか4年ぶりに友達と成人式の日に会う日まで、自分は待ち遠しい。
早く…成人になりたい。そのためには高校生活を楽しく過ごしながら、勉強にも負けずに取り組まなきゃ鳴らない。『早く、皆に会いたい……』
10年後の私から届いた手紙
朝、いつものように郵便受けを確認しに行くと、手紙が入っていた。
宛名が私の名前になっていたことにも驚いたが、封筒が私がよく使うものとそっくりだ。
中を見ると
「10年前の私へ
後悔しないように今を生きてください
あの人との思い出をもっとつくってください
あの人の好きな食べ物を沢山作ってください
あの人の健康に気を使ってください。
私より 」
なんとなく察しがついて、同時に信じたくないと強く思った。
この手紙が偽物でありますように
そう思いながらマッチを付けた。
10年前じゃなくて、10年後の私から届いた手紙。
手紙を見ると、字がなんだか綺麗に見えた。そして、言葉遣いも、今の私と違ってとても美しくなっていた。
「貴方のおもっている、理想の私にはなれなかったけれど、とても幸せです。
10年後の** **より」
普通の大きさの便箋に、ただそれだけ書かれていた。
理想の私になれなかったようだけど、幸せなら、いいかなと思った。
もう少し、生きてみようかな。
「ただいま〜」
ガチャ、家に帰ってきた私。リビングに入ると机の上に私宛の手紙が置いてある。
母親が私に向かって話しかけてきた。
「ほら、小学校の一年の時に書いたでしょ?10年後の自分へって。届いてたよ」
「えー、私何書いたのかな?」
私はドキドキしながら手紙を持って2階に上がる。
自分の部屋に入ると鞄をベッドの上に置いて、その横に座る。
封筒には色鉛筆でハートのマークが何個か書いてあった。
ゆっくりと手紙を開封していくと、中から白い便箋が出てくる。
ピラッ
便箋を開くと、小学校一年の私の拙い文字。
でも、妙に愛着のある文字だった。
「10年後のわたしへ
げんきですか?わたしはまあまあげんきです。
わたしの今のともだちはまおちゃんです。10年後の今のともだちは何ちゃんですか?
犬のミミはげんきですか?たくさんもじがよめるようになっていますか?
わたしはおとなになっていますか?わたしはじぶんを見つけていますか?やりたいことにむかってすすんでいますか?
未来のわたしへ。まけないでください。いつでも10年前のわたしがおうえんしていることをわすれないでください。それではまた10年後にお会いしましょう」
手紙を読んで、私はクスッと笑う。
可愛い文章だ。我ながら。
私はペンと便箋を取り出す。
そして手紙を書いた。
「10年前のわたしへ
お手紙ありがとう。わたしはとっても元気です!
今のわたしのともだちは、さやと、のりかと、みちこちゃんです。仲良くやってるから心配しないでね。
ミミは、もうお年寄りだよ。でも、まだがんばって生きているし、わたしたちも大切に育てているからね。
もじもたくさん読めるようになりました。
わたしは、、、おとなになっているか、しょうじき分かりません。おとなになっているといいんですけど。
そこは10年後のわたしにたくしますね。
じぶんのやりたいことは、イラストです。毎日がんばってかいています。絵のべんきょうをしてしごとにできたらいいな、と思っています。
あなたのおうえんがとてもこころづよかったです。忘れません。10年前の私ががっかりしないように毎日をせいいっぱい生きますね! 10年後のわたしより
PS、かんじはできるだけ使わないようにしました。どれだけ読めるかわからなかったから。」
私は手紙を書くと、もう一度読み返す。
十年前の私へ届くあてもない手紙を書いてしまった。
便箋を封筒に入れると、綺麗なお気に入りのシールを封筒のワンポイントに貼って引き出しの一番上に入れておく。
十年前の私からの手紙に重ねて置いておいた。
また落ち込んだ時は私の力になってね。
あなたと私の手紙を読んで元気を出すから。
そして、私は10年前の私へと言葉に出して一言言う。
「ありがとう」
10年後の私から届いた手紙
(本稿を下書きとして保管)
2024.2.15 藍
カタン、と。ポストに軽いものが落ちる音がした。
見に行ってみれば、宛先も差出人も書かれていない淡い色の封筒が入っていた。
封を切る。
中には白地に暗い灰色の罫線が引かれたシンプルな便箋が一枚だけ入っていた。
そこには、変わらない癖が滲み出る字で素っ気ない一言が綴られていた。自分に不器用なのは10年経っても変わりないのね、と思わず笑う。
手紙を封筒に入れ直して机の引き出しに仕舞った。
10年後、同じ言葉を私に贈ろう。
(10年後の私から届いた手紙)