『10年後の私から届いた手紙』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
手紙が届いた。
「お元気ですか?
未来で何をしていると思いますか?
色々楽しく生活していますよ。
10年後,貴方は…
いや,言わないほうがいいか。
想像におまかせします。」
なんだろう。
封筒には
「10年後の貴方より」
と書いてあった。
本当に10年後の自分からなのだろうか?
考えても10年立たないとわからないか。
10年頑張って生きるか。
郵便受けの中、見慣れない封筒が届いている
宛名はしっかり私が記されている
裏を見てみるも、差出人は不明
宛名の文字には酷く見覚えがあったが、誰が書いたかまで想像する頭はなかった
家に帰る
靴を揃えて、マスクを外して、手を洗ってうがいをする
メイクを落として、部屋着に着替えてようやく一息
そういえばと先の手紙を開けてみる
拝啓、あなたへ
元気ですか?私は元気です
私が元気ってことはあなたも元気ってことでいいよね?
ねえ、今ちょっと息苦しくて、でもどうにかやってやろうってさ、何かを始めようとしてない?
それ、絶対今始めてね。人生は一度きり。最近わかったでしょ?
まあ伝えたいのはほんとにそれだけ。あんまりネタばらししちゃっても面白くないから、この辺で。
それじゃあ、また。
敬具
これってもしかしなくても
#10年後の私から届いた手紙
10年後の私から届いた手紙
今、とても不安でこわいと
思いますが、10年後は
あなたに素敵な事が
待っていますよ。
それは…
秘密です
でも…
あなたにとって…
信じられない満たされた
気持ちになれるものです。
安心して楽しみに
待っていてくださいね。
カギはリラックスを
心がけましょう。
高校三年生の卒業前、10年後の私へ手紙を書け、という授業があった。
10年後というと、28歳。そろそろ結婚しているだろうか、仕事ももちろんしているだろう。
高校生だった私は、とりあえず、私生活も仕事も頑張って、と書いた。
そんな手紙を、離婚をして実家に戻った私は読んだ。
古びた学習机の引き出しに、封筒に入ったままの状態で。
仕事も辞め、所謂、ニートとなったので、お金もないから、実家に住む。部屋は昔使っていた自室。
フリマアプリで売れるものはないか、もしくはお金はないかと部屋を片付けていた時に、茶封筒をみつけ、思わずお金かと思ったが、そんなものではない、過去の私からの手紙だった。
くだらない。
一気に冷め、私は椅子に腰かける。ギィっと音がなった。
その時、茶封筒の隣にもう一つ嫌いな便箋が置いてあった。まだ封には入っておらず、書きかけのようだ。
誰かに宛てた手紙を書きかけで止めるようなことはした記憶はないのだが……
手には取らず、目線だけを便箋に落とす。
【28歳の私へ。38歳の私からのアドバイスをここに記す。読むか読まないか、信じる信じないかは、28歳の私が決めて。信じて続きのアドバイスを読む場合は、一番下の引き出しを開けて。】
何これ……
私は生唾を飲み込んだ。
10年後の私から届いた手紙……?
止まっていたはずの自室の時計の秒針が、何故かやけに大きく聞こえた。
【10年後の私から届いた手紙】
10年後の私から届いた手紙は白紙だった。
何故だろう。
私は死んでしまったのだろうか
書くことがないほど私は腐ってしまったのか
私はきっと10年後幸せじゃないんだろうなっと
その手紙が届いた1ヶ月間はその事しか頭が無かった
私は毎回報われない。
周りよりかは沢山勉強しているし、休まずに学校だって行ってる。
体調を崩して行けなかっただけでその日あった補習を
1時間ずっと受けていた。
私はとことん運がない。
きっと10年後の私も今のように苦しんでるんだろうな
こんなに苦しいことが続いてしまうならいっその事死んでしまってもいいのでは無いかと考えてしまう
けれど私は死ねなかった
死ぬ勇気が私には無いからだ。
明日が来るのがどうしようもなく苦しい毎日を私は生きていた。
そんな私でも10年後生きててよかったと思える日があった。
ネガティブな性格をしている私だが、あえて生きる強さを感じさせるために私は白紙で出したんだと思った。
よくわからないが、未来がわかってる人生なんてどうしようもなくつまらないじゃないか。
その困難と苦しさがあってからこそ幸せを感じるんだ
私は誰よりも強く生きてみせる。
私は誰よりも強い。
なので私はあえて白紙で10年前の私に手紙を出そうと思う。
ー私へー
苦しいこと 悲しいこと
ずっと続くのだろうかと
こころ曇っていますか
心配しないで
今あなたを濡らす雨が冷たくても
その雨は時とともに
あなたの憂いを流し去りもする
憂いを手離し身軽になって
穏やかに微笑む日がかならず来るから
うつむかないで前を見て
そのままで 大丈夫だよ
「10年後の私から届いた手紙」
#18
鮮血に似た髪を するりと解かす
広大な砂の地に 1通の手紙
隼は運ぶ
“拝啓 10年後のオレ” “拝啓10年前のオレ”
あぁ やっと返事がきたか
交差する時の中で
同じ青年は 心を開かす
お題【10年後の私から届いた手紙】
タイトル【砂漠に咲く】
10年後の私から届いた手紙
10年後の私から、きっとこんな手紙が届くだろ。
10年前のけいこさん、怠けたらダメよ!脚が衰えないように、毎日たくさん歩くようにして!
それから、人嫌いなのはわかるけど頭のトレーニングだと思って人と話すように。他人とのコミュニケーションは大切よ。
最後に、旦那と仲良くすること。二人の時間は限りあるのだから、それを覚えておいてね。
今のわたし、このアドバイス実行出来るかな?
全然、全然
夢
叶 えてない
私に は
夢
を見る
時間がな い
視 界が途切れ る
思考 が 酔う
1 0年後 の私へ
こ んな私を、許して
今の私には、未来の私が見えなかった
【10年後の私から届いた手紙】 #16
もう何も気にしなくていいよ
泣きたいときは一人で泣いたらいい
もう大丈夫だよ
頑張ってるのは一番知ってるから
だからこそ、逃げ道は作っておきよ
あのな、今一番頑張ってる私に
一ついいことを教えてあげる
呑気症で呼吸するのもままならない私にとったら
今生きてるだけで偉いんやで
しんどいときは周りなんか気にせず深呼吸してみ
気付いたら自分の世界に入ってるって
あともう少しで公立の受験で
一番苦しいときかもしれんけど
努力は裏切らへんから
自分には甘くじゃなく優しく
常に厳しく
ラストスパート頑張って
ずっと応援してるよ
10年後の私から届いた手紙
10年前の私へ
この手紙を読んでいるあなたは今、どんな生活をしているのでしょう。
私はもうほとんど忘れてしまいましたが、アルバイトや大学のサークルの活動に参加しつつ、春休み、夏休み以外は課題に追われる日々でしょう。
私は、あなたが占いなどは好きなのに確定している未来をあまり知りたがらないことを知っています。
なので私が辿ってきた道のりについて教えることは出来ませんが、10年間で必ず得るものと失うものがあることはもう分かっていることだと思います。
得るものも失うものも、その経験が糧となります。
今、自分がどう行動すれば後悔しない結果になるのか考えながら日々を過ごしてくださいね。
『10年後の私から届いた手紙』
10年前の私へ
〇〇〇〇の株買っとけ
分かったな
〇〇〇〇だぞ
絶対に買っとけよ
……絶対だぞ!?
10年後の私より
──パタン
「……これは本物だな、絶対に私じゃん!10年後の私ナイスっ!」
『10年後の私から届いた手紙』
ある日突然手紙が届いた
日付は今から10年後
未来の私は無病息災
立身出世でお金持ち
大事な人がすぐ傍にいて
笑って暮らしているらしい
世界中から祝福される
そんな希望の夢を見た
幸せですの一言があれば
それでいい
#幸せ#10年後の私から届いた手紙
眠気がピークで、自分史上最大のあくびといっしょに、10年後の自分が出てきた。
「これを渡しに」
と、10年後の自分は手紙を手にしている。
眠気に勝てずにまたあくびをして、そのまま眠りに落ちてしまった。
起きたとき、手紙を手にしていた。
あれは夢だったのか、それとも、あれから10年がたったのか、手紙を開けるまでは、わからない。
テーマ:10年後の私から届いた手紙 #95
『10年後の私へ』
私はそんな手紙を見つけた。
なんだろう? こんなもの書いたっけ?
そう思いながらも封を開ける。
『10年後の私へ。きっと貴方は、これを書いていることすら忘れていることでしょう。』
一文目からまるで今の自分を見透かすかのように始まった手紙は、全部で5枚あった。
私は記憶喪失になることが時々ある。
いや、少なくて年に一度くらいの頻度である。
最初は記憶を失ったことにあまり自覚はない。ただ、忘れっぽくなって、自分が誰なのかわからなくなって、どうやって生きていたのかわからなくなって…という感じだ。
親にもそのことを言うことができなかった。
記憶喪失が始まったのは中1と日記に書いてあった気がする。記憶が曖昧なので鮮明には思い出せないが、クラスみんなの名前と顔を忘れ、位置から覚え直した。
その時はまだ、なにかストレスや負荷をかけすぎたのだろうと親に言われ、母はひどく心配していた。
母は私が怪我や病気をするとすごく心配する。私よりも私の体を大切にしてくれている。それは嬉しいのだが、それが過保護に繋がっている気がして、私は自然と記憶が無くなることを母に言えなくなった。
かと言って、父に言えるわけではない。だから私は日記を書くことにした。日記であれば自分がその日したこと、あった出来事などがわかるからだ。
私は日記と並行して未来の自分へ手紙を書くことがあるらしい。
それが今回見つけた手紙も一部。
私はこの手紙以外にも何枚も見つけているらしく、これを私は『未来への手紙』と呼んでいる。
いつ記憶がなくなっても困らないように、対策はしているつもりだが、自分が書いた手紙が親や妹に見られるのは恥ずかしい。だから、見つからない場所にしているのだろう。
この手紙も本のページの間に挟まっていた。
『未来への手紙』は溜まっていったため箱に入れて保存している。
これで何通目なんだろう。そう思いながら箱を漁る。
それにしても『10年後の私へ』なんて書かなくても、明日記憶がなくなるかもしれないのに、おかしな手紙だなぁと思った。
10年後の私から届いた手紙を見つけたこと、日記に書いておくか。なんて思いながら今日も日記を開いた。
10年後の私から届いた手紙?
そんなのいらない。
どうせろくなこと書いてないし、自分が不幸になるって前もって分かっててもどうせ運命なんて変わらないんだから。
それなのにどうして人はそんなまやかしの書に縋るのか。
どうしてそんなにも未来が気になるのか。
それはきっと、自分の未来になんらかの希望を抱いているからだ。
ずるいよね。羨ましいよね。
私も…そんな希望が持てたら…。
10年後の私から届いた手紙
“私は明日しぬ”
なんだこれは
水曜日。平日のど真ん中であり、疲労が蓄積されはじめる頃。折り返しまで来た1週間の疲れをごまかしながらふらふらと揺蕩うわかめのように帰宅したポストの中にはまっさらな封筒が入っていた。適切な判断を下すことのできない脳みそは無警戒に開封し、もったりと中身を読み出す。
そして冒頭。まったくなんだこれは。私の不出来な脳のせいで見間違えたかと思ったが、何度読んでもそうとしか読めない。
差出人不明の手紙としては
10年後の私から届いた手紙
背景、私様、
今悩んでいるその道をそのまま選んで
この道は決して平らな道ではないけれど…
沢山涙も流すし悔しい思いも沢山するよ、
このまま夜が明けなければいいのに、とさえ
思った日もあった。
でもね、その経験が今の私を作ってくれたんだ
人の痛みが分かるよ、自分が経験したから
何も無駄にはなってないよ…だから
そのままその道を選んで突き進んで。
10年後の私へ…頑張ってくれてありがとう
これから私もそっちへ向かうよ、待ってて未来の私。
『10年後のわたしから届いた手紙』
先人たちの言葉は今も生きている。
ただし未来から届いた言葉は1つもない。
先人たちの言葉には、重みがある。
もし、過去へ手紙を出せるとしても、わたしは出さない。
手紙を出すことにより、過去が変わりパラレルワールドが発生し、別の次元のわたしがいることになる…それどころか、手紙を書いたわたしは存在しない可能性もあり、そうなると届いた手紙も消えることになるのだ。
そんなの馬鹿馬鹿しいから、わたしは絶対書かないだろう。
仮に10年後のわたしから手紙が届いたとしても、封を切らないでゴミ箱行きだ。
ちょっと、スマホに置き換えて考えてみよう。
スマホの画面に
【わたしは10年後のあなたです。】
なんてメッセージが入ったら、開かないでしょ?
手紙であっても、同じことだ。
過去からの言葉には重みがあるが、未来からの言葉は、怪しさしかない。
それが現実ってもんだと思う。