『1件のLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「1件のLINE」&共依存(?)
届いたメッセージは、一行だけだった。しかし、その短い言葉には、彼女の心情が滲み出ていた。
「もう会えないかもしれないけど、あなたと過ごした時間は本当に幸せでした。ありがとう。」
切なさと感謝の気持ちが、私の胸を締め付けた。
私は彼女に返信を送ろうとしたが、手が震えていた。どうやって伝えればいいのか、わからなかった。私も彼女と過ごした時間は本当に幸せだった。彼女との思い出は、私の心に永遠に刻まれるだろう。
「私もあなたと過ごした時間は、一生忘れない。ありがとう。」
私は、伝えたかった言葉を簡潔にまとめて送信した。しかし、彼女からの返信は、私が予想していたものとは異なっていた。
「ごめん、冗談。会えるよ。」
彼女の言葉に、私はほっとした。だが、同時に小さな怒りも感じた。冗談でも別れを告げるなんて、彼女が私に対してどんな思いを抱いているのか、わからない。でも彼女は私にとって特別な存在だ。会えないなんて、考えられない。
「こんな冗談はもうやめて。」
この一言だけでも伝えたかった。これ以上は送るつもりはなかった。しかし、止められなかった。
「私たちはずっと一緒なの。これは絶対に変わらない。そうでしょう?」
自分でも驚くほど、私は言葉を重ねた。
「そうね。私たちはずっと一緒よ。」
ああ、良かった。彼女も私と同じ。"一緒"だ。
"私たちはずっと一緒よ"
その一言がどれだけ嬉しいことか。
今日もまた彼女と私の愛は深まっていく。
誰にも邪魔できない。私たちの愛情。
1件のLINE
『次はいつ会えますか?』
ポコンと、独特の音を立て端末の画面に映し出されたその文字列を見て、はてと首を傾げた。
相手の名前に見覚えはなくて、またいつもの迷惑メールかと思い既読スルーを決め込んだ。
しばらくしてまた、ポコンと端末が鳴る。
『見てるんでしょう?無視しないでくださいよ』
なんだか気味が悪く感じて今度も無視を決め込む。途端に、端末がポコンポコンと鳴り続けた。
『無視しないでよ』
『知ってるんだから』
『早く出てよ』
『つめたい』
『みてるんだから』
ひっと悲鳴をあげたはずみで、手から端末が転げ落ちる。それを追って身をかがめた瞬間、ちょうど今まで自分の頭があった位置に凄まじい音を立てて鉄骨が突き刺さって、その衝撃波で自分はバランスを崩しその場に尻もちをついた。
「だ、大丈夫ですか!?」
顔面を蒼白にしてこちらへ駆け寄ってきた作業員の話ではトラックに積んでいた鉄骨の束をまとめていたロープが突然切れ、勢いついた鉄骨の一部が吹き飛んだということらしい。
ガタガタと震えながらも大丈夫ですと返したこちらに、作業員の一人がそれは良かったと言いながら手を差し伸べてくる。その手を取りたちあがろうとした、その時だった。
再びポコン、と画面がめちゃくちゃになって壊れているはずの端末が鳴る。
『無知は罪、間に合ってよかった』
その通知音は他と、なんら変わりない軽さで俺の意識を引き寄せた。
公式LINEがほぼの、俺のそのアプリの使用頻度はもう何年も変わらない。
十代や二十代ではない。
友達と暇があればやり取りをしていた時代はもう遠く、仕事でも滅多に使わないその通知音は、鳴ってもチラリと横目で相手を確認してそのまま……。
通知は三桁近い。
見ないならブロックでもミュートでもすれば良いのだろうが、それすらも億劫な程俺の日常は怠惰だった。
恋人と別れたのはもう二年前、それからその緑のアイコンは俺にとってほぼ飾りに近い。
『若菜』
ソファーにだらしなく座り、撮り溜めた映画を見るとも無く見ていた俺は、一瞬見間違いかと固まった。
別れたのは二年前。
……そんなはずはない。
しかし。
俺は別れた恋人若菜をブロック出来ず非表示にしていただけだった。
ハードワークで疲れた目が、見間違いをするより高い可能性。
何故かソファーの端で落ちそうになっているその小さな機械に手を伸ばせず俺はそれと睨み合っていた。
『二年待ってくれ、その頃には俺昇進してるはずだから、そしたら君に構ってやれる』
『構ってやれる?別に無理に構って"貰わ"無くても大丈夫よ』
仕事に熱中して彼女を独りにし過ぎた俺に、彼女は愛想をつかした。
外は茹だるような暑さで。
ちょうど、こんな休みの...久しぶりに二人の時間を持てた日の事だった。
……二年。
二年経っていた。
怒って部屋を出て行ったきりの彼女。
ちょうどそれを追い掛けず見送ったその場所で。
俺の死にかけていた感情が騒ぎ出した。
「久しぶり」
突然送られてきたLINE
差出人を見れば数年振りに見る名前
最後にやり取りしたのは
卒業して少し経ってから
理由はなんだったっけ…
思い出せないくらい
今となってはほんの些細な出来事
お互いに意地を張って距離を置いた
何度も謝ろうとトークを開いては閉じて
仕事の忙しさを理由に時が流れた
このLINEのきっかけは
クラスメイトの結婚式
「久しぶり!元気にしてた?」
何事もなかったかのように返信する
「元気だよ!招待状見た?」
一瞬で時間が戻ったかのよう
あの時の景色が目に浮かぶ
あの2人が結婚か…
招待状は2人の幸せだけじゃなく
私たちの新たな繋がりを届けてくれた
もう一度なんてないんだろうからさ
私は別の人の1件のLINEを待つことにしたんだ
#1件のLINE
私しかいない部屋に響く通知音。
スマホを確認すると、先輩からの返信だった。
それだけでもすごく元気が出た。
だって好きだから。
でも。。。先輩には気になってる人がいる。
もうすぐ告白するんだって。
好きな人いるなら…私と関わらないでよ。
これ以上好きになったらもうどうしようもないじゃん。
話しかけてこないでほしいのに、それはそれで嫌だと思ってしまう。
私の、先輩への好きな気持ちが高まった返信。
でも、私の恋が終わった返信。
嬉しくて悲しくて、寂しかった
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「俺さ〜近々その子に告白するんよね〜。緊張す
るww」
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LINEはここ数日、いや数年、交流が全くない。
というか、家族としかしていない。
それよりも、この先どう生きていくかが問題だ。
まずは、旅行がしたい。
ずっと同じ日々の繰り返しだとストレスが膨大になっていることに気づいている。
違う景色を見て、何か新しい空気みたいなものを取り入れたい。
雨の中なんとか家に帰ると、スマホに一件のLINEの通知。
わたしの好きな人からだ。
LINEを交換しただけでほとんど会話もしなかったのに、
「雨大丈夫?」って。
あなたのおかげで大丈夫じゃなくなりそうです。
『1件のLINE』
一件のLINEに僕は嬉しくもなったし、悲しくもなった
一件のLINEが来ること数十分前は、僕は
外をボーと見ていていた。
そこへLINEの着信の音がしたから見てみたんだ。
そこにはこう書かれていたんだ。
「こんにちは。貴方様にお知らせがあります。
嬉しい報告ですよ?いいですか?とっても嬉しい
ご報告です。貴方様の亡き骸がご家族のもとに行き
ました。でも暑い時期なので腐敗していたそうです
が、でも無事ご家族のもとに行かれたんでよかった
ですね。でも、まあ、貴方様はあちら側に行けませ
んがね。何故か気になりますよね。だって、貴方様
は、ちゃんと人生をまっとうしていないからですよ
では、ちゃんと罰を受け、その罪を償ってください
長くなりましたが、さようなら。」
1件のLINE
数年前、絶賛不登校期間。
友達から1件のLINEが来た。
「ねぇあんたが学校いない間も悪口言われてるよwww今𓏸𓏸(私の名前)ちゃんブーム来てるよまじでwww」
と、私の悪口ブームが来ている事を私に報告する必要があったのか、なかったのか……。
私からするとその報告はいらなかった。
かえって学校に行きずらくなるしもう行けない。
そもそも私の悪口ブームが来ている事を報告してくるような人が友達と言えるのか……
大人、子供含め人間不信になっていた。
教師がいじめの先頭に立ち、生徒はそれに従う。
また、生徒の主犯格は周りに命令を出しこう言う。
「お前ら出来なかったら分かってるよな?」
こんな事言われたら大抵の人間はいじめをせざるおえない……。ちなみに私は決してやらないが…笑
これはいじめられたから分かる感情であり、いじめられたからこそ私はいじめない。という意思だ。
申し訳ないが、いじめられていなくてもいじめをするという発送には至らない……。
その主犯格達はいじめをいじめだと認識していないようだった。だからあんなに楽しそうだったのか…と、とても思った。
画鋲を入れ、ゴミ箱をかける事がいじめと認識されない世の中はおかしいと強く感じる。
あの1件のLINE以来私は学校に行けず、自分は弱いと思ったがこのままではダメだと、転校して新しい環境に移った。
そこで私を待っていたのはまた新しいいじめだった。
ただ人が変わっただけでなんの代わり映えもないいじめ
ああこういう運命の人もいるよね、それがたまたま
私だった。
という愚痴です……︎;;
読んでくださるだけで私は救われます……。
いつも読んでくださり本当にありがとうございます。
何度も何度もスマホの画面を見たが
やっぱり返ってこない
遊びの誘いをしたがLINEが返ってこない
あれからもう5時間もたった
お風呂入ってこよ
お風呂から上がったら返ってきてるかもしれない
そう期待を胸に脱衣所にいく
上がるとすぐにスマホの画面を見た
すると
一件のLINEが来ていた
私は笑顔を隠せずにやけてしまった
手が震えながらもその通知を開く
「ごめん、その日は予定がある」
はぁ、なんて運が悪いんだ
こんなに待ったのに
いつの間にか私は笑顔が消えていた
次は絶対誘う
そう心に誓った
〈一件のLINE〉
とある日の午後。1件のLINEがスマホに入る。
《ちょっと手伝って》
またパシリか……渋々指示されたコンビニに向かう。黒いポシェットにジーパン。白いTシャツ。
スマホを弄り、アイスを頬張っていると
「わり、遅れた」
そんな呑気な声が聞こえる。顔を上げると、金髪の男性が片手を上げる。小さくため息を吐き
「なんの用?」
「……わかってんだろ?」
真っ直ぐな瞳を向けられる。そうだ。そうだった。
LINEが来たら『宵闇』の合図。
今宵もまた…人を襲わねば
1件のラインが人生を変えてしまうこともある。
喜び悲しみ怒り全てを文章で表現する。
それはとても難しい。
想定外の受け取られ方をするときもある。
1件1件丁寧に。
そして直接話すのが1番。
朝 いつもと同じ時間に同じ人から同じ3文字が届く
いつもと同じなのになんとなく嬉しいその3文字に私も同じ3文字を送る
うん 今日も素敵な一日にきっとなる
#1件のLINE
今どこにそんな連絡無視をする君への距離を少し広げる
メッセージ嬉しかったのはちょっと前今はあなたの束縛はいや
『私は好きだけど。あなたは、私の事見てないよね』
既読
17:15
大学の知り合いから告白された。
ゼミが一緒で、背が高く、猫背で、細長い鼻の上に眼鏡をかけている。
あなたが知っているのは、本当の私じゃないの。
そういうつもりで、送ったLINEだった。
ただ、私が毎日笑ってるのは、あなたのためじゃないのに。
私が毎日笑ってるのは、自分が幸せである、幸せが嬉しいから。
あなたは、私のことを見ていない。
それが、どれ程難しいことであっても、恋をするぐらい好きなら、本当の私を知ってよ。
って、高慢かな。
『迷ったときには』テーマ:1件のLINE
ポコン、と音が鳴る。
あの人からの連絡じゃないか、とすぐにスマホを見るが、実際はただの公式アカウントからの通知で、私はそのアカウントの通知をオフにする。
ポコン、と音が鳴る。
今度こそあの人からの連絡じゃないか、とスマホを見るが、『あの人から連絡来た?』という友達からの確認の連絡で、私は未読スルーをする。
ポコン、と音が鳴る。
今度こそ、いやきっと違う。相反する期待と失望を胸に抱えながらスマホを見る。するとやっと、好きなあの人からの連絡だった。
嬉しい、でもどう返信しよう。今度は違う悩みが頭を駆け巡る。
既読を付けられぬまま、一分、五分、十分。早く何かを送らないと、連絡を無視したみたいになる気がする。
選んだ私の答えは──。
ポコン、と音が鳴る。
気になるあの人からの返信だろうか。スマホを見ると、
「ふふ。こんなスタンプあるんだ」
可愛いけれどちょっと変わったスタンプが送られてきたのだった。
『さよなら』と、メッセージがひとつだけ残されていた。
恋人が、突然いなくなった。警察も動いたが、見付からない。煙のように消えてしまった。
煙に巻くのが得意だからって、そりゃねーだろ。
さよなら? 勝手なこと言いやがって。
ゆるせねぇ。
見付けたら、一発殴らせてもらう。
「1件のLINE」
無視するか返信するか二分の一
最近決めたルール。
1日、1件しかLINEを返さない。
自ずと見えてくる優先度。
その時の、何が、大事か。
溢れる未読メッセージの中に
本当に価値あるメッセージは
1日に1つ、あるか、ないか。
#1件のLINE -16-