『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
飛べ!
かごの鳥よ
大空に羽ばたけ!
自由を手にしろ!
かごの中にいれば
食事も水も手に入る
誰かが見ている
ひとりではない
それが本当の幸せ?
見ている人がいるとはいえ
心を傾けてもらえることもない
ただ かごの中で飼われているだけ
かごの鳥よ!
自分の力で
大空に羽ばたけ!
かごの外の世界には
それまでと違う幸せがある
自分の力で探しに行け!
「鳥かご」
私の前に 男性が立ち止まる。
格子越しにこちらを見て。
「早く飛べる方法を教えて」という。
私は羽を広げてみせ
止まり木の上で羽ばたく。
「わかったよ。ありがとう」
男性は笑顔で立ち去った。
好きな女の子に見せるのだろう。
またある時 女性が立ち止まる。
格子に手をかけて身を乗り出して。
「美しいしぐさを教えて」と。
私は虹色の尾羽を広げ
背筋を伸ばして立って見せる。
「わかったわ。ありがとう」
女性は頬を染めて立ち去った。
好きな男の子にアピールするのだろう。
ある時には歌い方を
そしてある時には踊り方を
人々は私の元を訪れて
教えを請うて そして去っていった。
私の鳥かごの前には
次々とさまざまな人々が立ち止まり
消えてゆく。
「せんせい」なんて、呼ばれても
所詮は鳥かごの鳥。
カゴから出られず
誰かが話しかけてくれるのを
一生かけて 待つばかり。
そんな鳥かごから鳥かごへ
自由に選んで 学んで育って
美しくなってゆく。
それがあなた。
「鳥かご」
『鳥かご』は不自由の象徴として描写されることが多い。でも、餌が貰えて大切にされる……それ自体は悪いことではないはずなのだ。
問題があるとするなら、『鳥かごとその所有者を鳥から選べないこと』なのかもしれない。
ぱたぱたぱたぱた
アイムインサイドとりかご。
とりかごの「と」!!
都会の怖い時間は終わり!!
とりかごの「り」!!
理解できない世界はたちまち!!
とりかごの「の」!!
のっとられてさらわれて!!
とりかごの「こ」!!
この世ならざる朝までこおる。
とりかごの「 " 」!!
、、、、、、、、、、、、、。。!?
ぶわわーん(笑)
夜の帳が降りたなら。
それは多分とりかご。
ぱたぱたぱたぱた。
氷漬けの羽を溶かすのは朝陽。
ぱたぱたぱたぱた。
大人も子供もぶっ倒れる音。
ぱたぱたぱたぱた。
だからこれで話はおしまい。
【鳥籠】
子供頃、よく思っていた。
絵本に描かれた鳥かごの鳥は、どうして逃げ出さないのだろうかと。
おとぎ話の鳥かごはとても簡易に描かれていて、鳥がちょっと頭を働かせたらすぐにすり抜けられそうに見えたから。
そしたらすぐ、青空を羽ばたけるのに。
大人しく、細い止まり木に留まり続けるのは何故なのか。
大人になった今なら想像できる。
逃げ出したとしても、生きられないのを知ってる。
あの絵本の鳥は賢かったんじゃないだろうか。
ひとりで餌を取れないひ弱な鳥は、だから逃げ出さなかったんだ。
狭くても、飛べなくても。
ここに居れば餌を貰える。
……社会の歯車に成り果てた。
夢を追えない自分と重ねて苦笑いを噛み殺した。
羽を畳んで、行儀よくそこに居る。
飛べない鳥じゃない、飛ばない鳥。
俺は今日も、華奢で形だけを整えたその鳥籠の中で。
見る事の無いだろう青空を横目に、息をしている。
外の景色がよく見える場所に
鳥かごのインコを世話している
右や左に動き
「空は、どこまで続くの?」
「幸せって何?」
「自由って何?」
鳥かごの中しか知らないインコ
今日も、首を傾げて
言葉ではないけど
小さな瞳で
問いかける質問
ハジメテ
アドベンチャー
中と外を隔てる扉に
鍵はかかっていなかった
外に出ていく者もいた
帰っては来なかった
中にとどまる者もいた
いずれ動かなくなった
僕は外に出る
たとえそこが次の籠だとしても
※鳥かご
いつか、鳥かごの外にでたら、自由な世界が広がっていると思ってた。
でもそれは、誰も守ってくれない世界。
鳥かごの中で歌う君
もうとっくに逃げ出せることを
君はわかっているはずなのに
どうして?なんて聞いてみても
ただ歌い続ける
嬉しそうに、時々、悲しそうに
いつまでもそんな姿を見ていたいと
僕の願いが縛り付けているのだろうか
(鳥かご)
LINE〜
【無事就職出来ました!皆さんがアドバイスしてくれた〜〜】
あ〜あ、まただ。一生この中に入れば安全なのになんでみんな出ていくのだ。例え、ここから出たとしても結局は大きな鳥籠の中に捕えられるんじゃないか。だったらこの小さな鳥籠の中でゆっくり生活すればいいのに。...何幸せそうにしているんだよ
.
.
.
『結局あいつ同窓会来なかったな〜』
「あいつ?」
『ほら、受験失敗してからずっと引きこもってるって奴』
「ああ、あのプライド高そうなやつね。確かまだニートしてるんじゃなかったか?」
『あいつずっと甘やかされて育ってそうだったしな〜。失敗したという現実が未だに受け入れられてないんじゃないか?』
「それもそうだけど、親御さん優しそうだったし、まだ甘やかされてるんじゃない?」
『肥えた鳥は鳥籠から出ようとは思わないよな〜』
あの日出ていった彼のために残していたかごを久しぶりに出した。帰ってくるところはここだと、待っているぞと長いこと軒下に吊るしていたかごは、朽ちてはいないがどうしてもみすぼらしくなっていた。もう無理だ、帰ってきやしないとしまおうとするたびに、悔しそうに反対していたルームメイト、出ていって久しく、生きているかも分からない彼が、それでも持っていくのは苦しいからと置いていったかご。ほこりやくもの巣よけに袋に入れていたから、汚くもないし、むしろきれいなものだと思う。雨風にさらされたかごは――さすがににおいはしないか。代わりに汚れてくれた袋には感謝。
彼もさすがに生きてはいまい。天寿をまっとうできているなら、案外生きていてもおかしくないが、いや、奴は鈍くさかったからな。食事もへただったほどだしな。すんと鼻で笑って、かごを覗く。面影は見えないか。くせのある羽の輝きは思い出せるが、はてどんな顔だったか。まあ鳥なんだから、鳥臭いのだろう。思い出せない自分には失望もしない。突然、ポーの鴉の台詞がよぎる。――またとない。そうだ、またとないのだ。彼の面影も、彼の口癖も、彼と彼の息づかいも。そう思うとようやっとさみしさを俺は感じ。息を吸ったら――
あくびが出た。
「日々の糧をお与えくださり__…」
声を殺しながら、家の裏で的はずれな言葉で炎に祈るその子はものこそ知らなくとも賢い子供だった。
今起きていること、そしてそれが今の自分にはどうしようもないことであると理解していた。だから炎に祈ったのだ。
「__…感謝いたします」
二切れほどのパン、自宅のテーブルについて朝食を前に正しい言葉で炎に祈るその女はものこそよく知っているが愚かな大人だった。
あの時起きていたことがおぼろげになり、しかし得体のしれない何かにいつまでも囚われ罪悪感を抱いている。だから炎に祈るのだ。
その日の早朝も澄んだ空、曇天雨天を忘れがちなこの砂漠の町のどこかにある家で、薬師Jは静かに朝食を終えていた。
祈るたびに胸が苦しくなり、組んだ両手に力がこもり、気づけば手に爪が食い込んでいることに気づいては現実に帰る。厄介なことに薬師Jにとってそれは日課のようなものになっていた。
今日は母に会おうと決めていた日だった。
手作りの料理と酒、そして汲んで来た水と布きれを持って、薬師Jは家を出た。
しばらく歩いているうちに、荒れた石たちが並ぶ砂の上に立っていた。どれも似たような重い石の中からある一つを見つけ、薬師Jはそこまで歩いていく。途中、躓いて桶の中の水が少しだけこぼれた。
「…昨日ね、ちょっと散々だったの」
だから会いに来たのよ、と薬師Jは布を水に浸して石を磨き始めた。
「診てた患者さんがね、亡くなっちゃった」
…もともとおじいさんな方だったけど。
薬師Jは補足するようにそう言って石を磨き続ける。
「でもやっぱり、どうにかできなかったかなって思っちゃうんだ」
石はすでに綺麗になっていた。薬師Jはそれでも構わず石を拭き続けた。
「それに、リーフ払ってもらえなかったんだ」
生活困っちゃうなぁ、と薬師Jはぼやいた。
早朝の周囲は誰もおらず、ただただ砂同士が擦れるような風の音だけが耳に響いていた。
愚痴ってごめんね、と薬師Jはようやく布で石を磨くのをやめ、用意していた料理と酒を手に石に向かって笑顔を作る。
「今日ね、料理上手くいったんだ」
笑うどころか一つもものを言わない石に、一緒に神様に祈ろう、だとか、乾杯、だとかと話しかけ続ける姿はさながら母に縋る子供のようだった。
そこでふと、目眩がした。酒に酔い、太陽が真上に来ればそれは当然のことだった。薬師Jは正気に戻ったように食べかけの料理と空になった酒瓶と桶を持って立ち上がり、一度ふらりとよろめいて墓石をあとにした。
私の本音は
鳥かごの中。
どんなに外に出たいと暴れようとも
鍵をかけて閉じ込めておく。
ただ
その鍵を
どこかに落としてしまったらしく、
誰が持っているかもどこにあるかも
分からない。
この囚われた本音を
いつ誰が
外へ出すのだろうか。
そんな人がいつか
現れるのだろうか。
#鳥かご
そばにいてね。離れないでね。僕だけを見ていてね。
言い聞かせたのはたった3つだけなのに。
キミはいとも簡単に約束を破った。
それって、どういうことか分かってる?
僕を否定したも同然なんだよ。
こんなに毎日愛を囁いているのに、僕以上にキミを愛せる人間なんて居やしないのに。
どうしてキミはそんな態度をとるの。
何が気に入らないの。
僕にどうしてほしいの。
キミには僕が必要ないとでも思ってるの?
そんなの馬鹿げてる。
僕から離れてキミが幸せになれるだなんてあり得ないんだ。
それでも僕から離れたいというのなら、試してみたっていいよ。
本当にキミには僕が必要ないのか実証してみせてよ。
ただし、1秒でも僕のことを考えたらキミの負けだよ。
その時は。
もう二度と出られないように飛べなくしてやる。
次の日、雛の様子を見にいくと、彼女はいなくなっていた。鍵は空いていないのに
ぴぃぴぃ
きゃあきゃあ
愛らしく、あるいは喧しく。
ふらりと立ち寄ったペットショップ、飼うわけではないけれど目についた鮮やかな色合いに足を踏み入れた鳥類のコーナー。
こんなに小さいのに中々な値段だなとか、騒がしいのはコイツかとか考えながらキョロキョロと店内を歩く。
狭そうな鳥かごの中で身を寄せ会う小鳥たち、窮屈そうな大型の白い鳥、澄ました顔で歌うキレイな鳥。
小さな世界で生きる彼らは1度でも空を夢見たことはあるのだろうか。
いや、そもそも空を知らないかもしれない、外敵なんて存在を見たこともないのかもしれない。
綺麗な水と餌を与えられ、定期的なケアを受ける穏やかな暮らし。
外の世界を知らない、管理される鳥たち。
不自由な世界で安心して生きている、外の自由を知らない鳥たち。
ふと思い出す自分の周りの奴らの言葉、僕の事なんてろくに知らない奴らの言葉。
聞こえる度に肩身が狭くなる、窮屈さを感じる。
鳥かごどころかまるで檻のような
いや違う、違う。僕は外にいるんだ。自分の意思で。
だから少しばかり羨ましく感じるなんて、ないはずだ。
そうだ僕は人間なんだ、彼らよりも多くの権限を持っていて、自分の未来は自分で決められる、そのはずだ。
これ以上居続ける気分じゃなくなった。
店を出て、最寄りの駅に向かう。
明日も仕事だ頑張ろう、理不尽も不公平も呑み込んで、同じ日々を繰り返す。
あの鳥たちだって必ずしも良い主人に出会えるとは限らない、自分と同じだ、同じはずなんだ。
だから羨ましいなんて、無いんだ。
管理され、安心安全に過ごせる彼らが羨ましいなんて。
子どもの頃、鳥を飼っていたことがある。
確か、セキセイインコだった。
ふと思ったんだけど、鳥かごの掃除って
したことは無かったような…。
親の仕事だったんだな。なんか申し訳ない。
玄関に置いてあったから、そう大きくはなかった
かもしれない。あんまり覚えていないなぁ。
「鳥かご」
#1 鳥かご
目の前に広がる広い世界。
黒い太い線で切り離されているそれは、小さな部屋で過ごしていた私には想像も出来なかったくらい、広く、明るく、うるさい。
私の前を通る人は皆、可愛いって笑う。
時々目の前まで来て少し悩んでから帰る人もいる。
今目の前にいる人も、その人達と同じなのだろうか。
彼は、今まで私を見てきた人達よりもずっと長く見つめて、たった一言、こう言った。
『こんな狭い鳥かごに入れられて、可哀想。』
そう言って帰っていく猫背な背中を、私は不思議に思いながら眺める。
可哀想、とは、一体どういう意味だろうか。
だって私は、今こんなに幸せ。
広い世界を見渡すことが出来るし
天敵に襲われる心配もない。
ご飯もしっかり食べられて、寿命や病気以外で死ぬことなんてほとんどない。
これ以上の幸せなんてあるの?
私からすれば、こんなどこまで続いているかも分からない大きな世界で、どこから襲われるかビクビクしながら生きている貴方の方がよっぽど
可哀想。
主人公は鳥。マンションの部屋で
飼われている鳥(バード)だ。
この鳥は人間の言葉を理解できる。
その部屋には若い男と女がいて
毎晩のように男の「愛してる」「愛してる」
という絶叫が聞こえる。
当初、鳥はゲージに入れられ
男女との間にカーテンがあったので
二人の行為は見ることができなかった。
やがて、体が大きくなると
ゲージの外に出されるようになり。
男女の行為を目にする。
女が男に蝋燭の熱い滴を垂らすのだ。
男はそういう趣味があるのではない
女の愛に応えるため、痛みに耐えているのだ。
僕はいつまで鳥かごに入ってればいいんだろうか。そう思う反面、外に出ようと布団から起き上がると力の抜ける足。
ゴミだらけの、布団と薬と酒と水しかない鳥かごはあまりにも居心地が良すぎたんだ。