『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
理想のために高い壁を作れば
登れなかった時に納得しちまうもんな
ただ昨日を真似るだけの生活も
ふとした瞬間に忙しく感じたりして
無性にやめたくなる
そういう場面はいくつも用意されてて
それでも続けたいらしいから
今日だって必死に抗ってる
今日も月がきれいですね。
もうすぐ満月になる小さな欠けは、輪郭を滲ませ、のんびりとそよいでいる。
もう行くね、と跳ねた向こうに、金の波が広がる。
また会おうね、と手を伸ばす。
【高く高く】
【地の果て】
何でも高ければ良い。
そう思っていたし、そう教えられてきた。
テストの点数が高ければ褒めてもらえるし、
身長が高ければモテる。
志を高く持つことは大事だと言うし、
スペックが高ければ期待も高まる。
何でも高ければ良い。
そう思っていた。
「……」
あるアパートの1室で、俺は寝転がっていた。
大量のゴミ袋は異臭を放ち始め、そこら中に散らかった缶ビールが邪魔くさい。
ハイスペックボーイ(仮)だった俺がなぜこうなってしまったか。
俺は元からハイスペックボーイでは無かったからだ。
周りを見れば、俺より顔が良い奴、俺より成績優秀な奴、俺より要領が良くて上司に気に入ってもらえる奴、俺よりできる奴なんて山ほど居た。
俺は決して、ハイスペックではなかったのだ。
いや、或いは自分の能力が劣ってしまったからかもしれない。
どちらにしろ、他人と比べ始めたのが悪かった。
自分のことが見えてくると、やがて自らに絶望するようになった。
些細なミスが積み重なって、
些細な事で喧嘩して疎遠になって、
些細なすれ違いで嫌われて。
そんな事の繰り返しで自分は堕ちてしまった。
「……」
俺は無気力な手を振り絞ってYoutubeを開き、好きなアーティストの曲を再生した。
部屋中に歌が響き渡る。
結局、高ければ良いもんじゃなかった。
どんなに地の果てだろうが、俺は人間でいることができるのだから。
この人は、そんな歌を歌っている。
〈高く高く〉
産婦人科からの帰り道、小さな駄菓子屋に寄った。
駄菓子が特別好きではないが、気晴らしにひとつやふたつ、懐かしい菓子でも買おうと寄った。
店内はこじんまりしていて、店主と見られる60代後半の男性もぺこりと頭を下げるだけだった。私以外の客は、小学校低学年くらいの男の子3人だけで、大人の客は私以外誰もいなかった。
どの駄菓子も見覚えあるもので、よく食べていたものまであった。
久しぶりに心躍る感覚に驚きつつも、冷静に商品を見ていく。
「ねぇねぇ、シャボン玉飛ばそーぜ!」
店内にいた一人の男の子が急に言いだした。
一瞬、私に向かって言ってるのかと思ったが、隣にいた2人の男の子に対して言っていたようだ。
2人も「いいね」「俺、赤のやつにする」とわいわい騒ぎ始め、各々シャボン玉キットや駄菓子を手に取り会計をしていた。
彼らがいなくなった店内は、同じ店とは思えないほど静かになった。
「何かあったのですか?」
いきなり店主が、声をかけてきた。
私は驚きつつも「少し、身内の不幸で」と簡潔に答えた。店主は顔を変えず、シャボン玉キットを渡した。
私はその意味をすぐに理解した。
お代を払おうとしたら気持ちだけでいいと断れ、体に気をつけてとにっこり微笑む店主がいた。
家に着き、ベランダに向かう。
さっき買ったシャボン玉キットを開け、シャボン玉を飛ばす。
液の香りがつんと鼻を刺激する。
ぽろぽろ涙が溢れ出てくるが、それでもシャボン玉を飛ばし続けた。
シャボン玉は高く、高く飛んで行く。
「高く高く」
僕は鳥になりたかった。
高く高く空を飛ぶ鳥に。
人生がどん底に落ちたあの日。
僕は鳥になりたいと願った。
鳥なら何も考えずに空を飛んでるだけ。
そう思ったから。
でも、君に出会って僕は変わった。
ちゃんと生きようって、幸せになりたいって。
だから、僕は君と高く高く綺麗な空を見ていたい。
鳥にはなれないけど君がいれば大丈夫。
「高く高く」
高く高く。
シャボン玉よ。
飛んでいけ。
『高く高く』
たまには、散歩でもしてみる?
美大の卒業制作を描く合間で、彼女に誘われた。
季節は初夏。
といっても、真夏かと思うぐらい暑くて、空気はじめじめしている。
2人で他愛ない会話をしながら、しばらく歩いた。
日差しが容赦なく肌を焼いて、ぐっしょりと汗で濡れたTシャツが背中に張り付く。
疲れたねー、と彼女が言った。私もそれに疲れたね、と返した。
道端の自販機で、炭酸を買った。
透明な清涼飲料水の中で泳ぐ泡が、きらりと光る。
あー、なんか。
青春だなあ。
ふと、そう思った。
卒業制作で毎日忙しいし、これと言って楽しいこともないけれど。
こういうどうでもいい時間が、青春なのかな。
私は炭酸水の蓋を回す。
プシュッと音をたてて、蓋が外れた。
半分ほど飲み干してから、
真っ青な空に、高く高くそれをかかげた。
小さい頃、鳥になりたいと思った。
「頑張れ〜!!千恵美!!」
友人の声が遠くの方から聞こえる。他にも口々に私の名前を叫ぶ後輩や先輩、顧問の先生の声も聞こえた。
私の目の前にはまるで壁のようなバーがある。そして手にはポール。風が少し吹いているものの、障りはない。天気もこれ以上ないほどの快晴で、高校最後の大会にふさわしい日だ。
ポールを握った手を強く握る。唾を吐いて息を整えると、きっと前を見つめ、走り出す。
練習したように、走ってポールを地面について、飛ぶ。まるで鳥のように、高く高く。もっと高く。
ぐんぐん空に近づいて、後少しで天にも届きそうなくらいになって重力が私を引き戻す。
マットの上に落ちた私は、ぼんやりと空を見上げてから起き上がった。周りからは歓声と拍手の雨。
結果は自己ベストで大会ベスト。嬉しい。それと同時に、飛んだ時の感覚が忘れられなかった。空がぐんぐん近づいてきて、まるで鳥のように高くもっと高くと天をかける。
「千恵美?千恵美!!」
「え?」
ぼーっとしていたらいつの間にか大会が終わっていた。目の前には大会の最中必死に私の名前を呼んでくれた友人がいる。
「え?じゃないわよ!優勝したお祝いに、どこかに食べに行こうって言ってるの。どこに行きたいとかないの?」
友人に肩を持たれてグラグラ揺らされて、いよいよ現実に戻ってくる。
「えー、うーん、なんでもいい」
「なんですってー?!」
そのまましばらく肩を揺らされながら空を見上げる。すっかり茜色に染まった空を黒いカラスが自由に飛んでいた。
いいなあ。
「千恵美ー!!またぼーっとしてたら置いていくわよ!」
「はいはい」
友人の声に引き戻されてまた現実を歩き出す。またあの感覚を求めて、私はこれからも空を飛ぶのだろう。
いま、空を見上げると彗星が肉眼で観測できるかもしれません。見えるのは、紫金山・アトラス彗星です。
日本時間10月13日に地球に最も接近。暗い場所であれば、全国的に西の低い空から肉眼でも見える可能性があります。肉眼で見られるチャンスは15日頃までということです。 ーーNEWS everyよりーー
「ということで私、少しお休みもらいます。ちょっと北の方に移動します」
「水無月さんー、本当に?そんなんで有休使うの?いや、権利っていやあ権利なんだけど」
俺は頭を掻いた。携帯に、水無月さんから電話がかかってきたのだ。雨を降らせると悪いから、会社、休みたいと。
うーん、俺としてはそんなことより、この間娘が世話になったお礼をしたい。予定を聞きたいのだが……。
「だって、私のせいでみなさんの天体観測の愉しみを奪うわけには行きませんからね。ひっそり日本の片隅に篭ります」
「じゃあ水無月さんは、一生天体観測できないじゃないか。これから、彗星がきても、日蝕があるとしても」
水無月さんはため息をついた。
「しようがないです、アメフラシの末裔としては」
またそういう事を言って、と口にしようとした俺はふと思いついて「じゃあ、プラネタリウムに行きませんか、今度」と誘ってみる。
「え」
「プラネタリウムなら、天気に影響しないでしょ?水無月さんさえ良かったら、どうですか。この間のお礼も兼ねて。星空鑑賞の他に何か美味しいものをご馳走させてください」
「……いいんですか。深雪ちゃんは」
「深雪もまた水無月さんに会いたいって言ってます。コブ付きでよければ深雪も、いっしょに」
「ぜひ! ぜひお言葉に甘えたいです。私、プラネタリウム一度行ってみたかったんです。嬉しい」
声が弾んでいる。
俺はほっとした。断られなくてよかった。
後で日取りの調整をしましょうと約束して電話を切った。やったー!と内心ガッツポーズをして床に転がる。
携帯を放り出し、俺は両手をアパートの天井に突き上げた。いま、何とかっていう彗星が日本に接近しているらしい。美しい尾をたなびかせて銀河を横切る星も楽しみだが、俺は人工の星空を水無月さんと見上げる日の方がよっぽど待ち遠しい。
俺は高く高く、俺たちの視界を埋め尽くすであろうプラネタリウムの星々に向けて手を伸ばす。きっと何かに届くような、何か形あるものを掴み取れるような予感がした。
#高く高く
「通り雨4」
(高く、高く。)🦜
あのね
僕達、雀は・・・ね。
凄く臆病で、
人間しゃん、も怖いんだよ。🦜
(でもね。)
「人間しゃん、の中には
優しい人が居るし、
・雀の天敵も
人間しゃん、が怖いから
ちゃっかり、人間しゃん
の
傍で暮らして
居るんだね。」🦜
✣だから、
大鷲しゃん、みたいに
飛ぶ必要が無いんだよ。🦜
✣それと、雀の羽は
高く飛べる
羽根では無いんだね。🦜
【それでも、秋の澄みきった
蒼く広がる大空を
高く、高く。そして
自由に飛んでみたい時も
有るんだよ。】
高く高く飛んでいけ
私が愛せなかった世界も
私が愛した人たちも
私を愛してくれなかった人たちも
思い出も翼になって飛んでいけ
20代最後の夜
10代最後の夜とは違う世界の見方を
確かに教わった
随分と大人になってここまできて
変わらなかったのはなんだったろう
けれど君といれてよかった
君がいてくれてよかった
誕生日前に最後に一緒にいるのが君でよかった
私はずっと君が好きだよ
高く高く
昔から工作が好きだった。
近所のお兄ちゃんが作る作品がかっこよくて
自分もこんなものを作りたい。
そう思った。
びっくり箱やソーラーカーなど親に許される範囲なら
どんどん作っていった。
1番好きだったのはペットボトルを使ったロケットだ。
空気で、ガスで、花火で..色んな方法でペットボトルを飛ばした。
ペットボトルが高く飛べば飛ぶほど
興奮してもっと高く飛ばしたくなる。
もっと、勉強してペットボトルじゃないロケットを
飛ばせれるようになりたい。
もっと高みを目指したい。
あのお兄ちゃんのような人になりたい。
それが僕の夢。
語り部シルヴァ
高く高く、飛んでいく貴女を見つめていますよ
貴女の隣に居る私をちゃんと見て下さいな。
何処までも強く美しく成長していく
貴女を何度も見つめている内に、
妬ましくも、ワクワクする感情が
沢山沸き上がりました。
ですから、早く一人前になって、
貴女と対戦したいですね。
"楽しみだな、貴女の本気に。"
そう遠くない、未来な事は今は知らない。
知っていない程に、必死なのだ。
異変は起こせるかな?
〚高く高く〛
お互いのプライド。
そして、薄汚い眼は空をみつめた。
高い望みを掛ければ、その度自分を傷つける。
高く高く
誰に手も届かない、きれいなところへ行って。
高い高い空に陽が昇っては堕ちる。
私もいつかこの軽い軽い魂が。
高く高く天を昇ってあの太陽を越え。
幸せな世界に向かえるのかな。
[高く高く]
高く高く手を伸ばしても
高く高く飛んだとしても
貴方にはきっと届かない
強く強く願っても
強く強く伝えても
貴方はきっと応えない
貴方に届いてしまったら
貴方が応えてしまったら
憧れが壊れるから
憧れを追う今が幸せだから
このままでいいよ
でも、やっぱり、
そう思えるほど私は強くないみたい
いつか貴方に追いつきたい
君が置いて行った
マグカップ
今でも捨てずに居るんだ
君が赤で
僕が青
一緒に買いに
行ったんだよな
あの時は新鮮で
楽しくて
君が居るだけで
良かった
まさか
別れが来るなんて
マグカップ
捨てられなくて
僕は溜息付いた
高く高く、誰よりも高みを目指して努力する皆は素敵だ。この世に生きている人は、誰かの背中を見て努力している。それは素晴らしい輝きだ。俺もゲームと故人だが手本として目指すべき人物が居る。幸せなことだ。
「高く高く」
娘が赤ちゃんだった頃。
よく泣いて、よく笑う子で。
高い高いが大好きだった。
一般的には、子供を高く上げて「高い高い~」ってすると思うんだけど、家ではその後に床スレスレまで下げて、「低い低い~」ってして、アップダウンのある遊びだったし、娘もそれで大喜びだった。
そしたら、うちの子はそれが普通だと思ってて、何かのきっかけで友達と話してたらたらみんな??になってた、って言ってた。
逆に娘もそれが当たり前だったから、友達の反応に自分も??になってたらしい。
当たり前なんだけど、自宅でしてる事が割とその人の基準だったりする。
家は結構色んな面でオリジナルな事が多いから、何だか色々気をつけよう、と思った出来事でした。