『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
高く高く
全部なくなった。
家も家族も友人も。
お金もなにもかも。
どこで間違えたのかなぁ。
親の言う通り、小中高と女子校で、大学もそれなりな学校に入って、腰掛けで就職して、親の持ってきた見合いで結婚した。
順風満帆だと思ったのになぁ。
結婚して3年目に男の子を出産して両家とも初孫フィーバーとはこのことかってくらいに可愛がってくれて私も嬉しかった。
夫は仕事で忙しいらしかったから、両家から手伝いをしてもらえて私はなんて幸せなんだろうって思ってた。
息子も両家両親になついていたし、みんな笑顔で幸せだった。
夫はそれが辛かったって。
朝早くから仕事に行き、息子が寝たあとに帰宅する夫に息子は人見知りするようになった。
一時的なものだしって夫以外、あまり気にもしなかったけれど、夫はそうじゃなかったみたい。
夫はこっそり新しい彼女。不倫相手と恋愛を楽しんでいたみたい。
しかも、彼女が子供を産んだ。男の子。
DNAの鑑定までして立証した。
夫の両親は今まで溺愛していた息子と私に申し訳ないと過分なお金を差し出して離婚して欲しいと。
私の両親は、息子を独り占めできると喜んだ。
人って、みんな自分都合なんだなって感じて、私は?って考えたら、私、なんにもない。
親が、喜ぶように過ごして、みんなが幸せならそれでいいって考えで。
私の意思ってないなって気がついた。
息子を実家に置いて1人当てもなく電車やバスに適当に乗り込んで、適当な名前で泊まれるホテルに泊まって、また移動して。
場所がバレたら嫌だな。って程度に持ち合わせた現金だけで動いていたら、当たり前だけどすぐにお金はなくなった。
カード使って家に戻る?
友達に助けてもらう?
また、元通りになるような気がして、怖くて動けなくなった。
じっとバス停で何本もバスを見送りボーっとしたり考えたり。
なんとなく高いところから地上を見てみたいと思って、近くのビルの最上階に上がった。
飛び降りようなんて気はサラサラなくて、私がいた場所はどんなとこ?って子供じみた感じで見てみたいだけ。
住んでた家は、あぁあの辺かってわかるくらいに、意外に近かった。
逃げようと思ってもこんなもんか。
そっか。そんなもんか。
って思って、家に帰るのもなぁって思って、久しぶりに公衆電話を使って幼馴染に電話した。
事情を話して助けてもらえないか。それが無理でもしばらく留守にした両親との相仲をとってもらえないかとお願いするつもりで。
幼馴染に電話したらすぐに出てくれた。
でも、思いもよらない事になっていた。
私を探しに両親と息子が乗った車が、事故にあい、亡くなっていた。
急いで実家に帰ったら親族から罵詈雑言。
私…そんなに悪い事したのかな?
みんなが言うならそうなのかも。
しかも、義理の実家に張り合って、外車を買ったり、孫部屋を作ったりしていたのは親族からの借金だったみたいで。
葬儀代程度の保険しか入ってなかった両親と、まだ保険に入ってなかった息子。
私を私立の学校に通わせるために貯金がまともにできてなかったみたい。
私は親族たちに、義理両親からいただいた過分な慰謝料を取り上げられた。
幼馴染には、生まれたばかりの可愛い子供を置いて一人旅なんて、事情があっても信じられないと絶縁された。
家はまさかの賃貸だった。
叔父の家に格安で住まわせて貰ってたって知った。
なーんにもなくなった。
今週中には出て行けという叔父に置き手紙。
『今までありがとうございました。家具家電の処分をお願いしてしまう事、心苦しく思っております。』
ちょっとコンビニに行く程度の荷物で家を出た。
必要なものって案外少ない。
空っぽの通知と印鑑。パスポートや保険証。
これから家のなくなる私には必要ないかもしれない。
とりあえずは。
どんなに高いところに行っても私の住んでいた町が見えないところに行こう。
どうやってとか何をしてなんてなんでもいい。
だからなるべく高く高く。
息子とは離れ難いから。
自分の理想の景色を見るためには、楽な道だけではダメなのだ。
...だから、俺は一生懸命努力をしてきた。
何度も滑り落ちそうにもなったし、何度も途中で倒れそうにもなった。
途中で引き返すことだって何度も考えた。
それでも、俺は登り続けた。
最高の景色を見る為に...兄が登り詰めた場所へと行く為に、そして、両親に認めてもらう為に。
...けれど、やっぱり俺はダメなやつだった。
...俺はこれ以上、上へと登れなくなってしまった。
そんな俺の前に、突然あいつが現れた。
そして、こんな俺に手を差し伸べてくれた。
...最初はその手を拒んだ。けれどあいつは、何度も何度も俺に手を差し伸べてくれた。
......俺はその手を掴んだ。
もう一度、理想を叶えるために。
そして...こんな俺に手を差し伸べてくれたあいつの、願いを叶えるために。
一緒に頂点へと登り詰める為に。
--こいつとなら、一緒にいきていけると思ったから。
#高く高く
89作目
遠くを目指し、手を伸ばす。掴むにはあまりに遠すぎるそれを捕まえようと、手を伸ばす。近づくために上っていきさらに高く進んでいく。目指すものはまだ遥か先に。それでも、届くと信じて手を伸ばす。
[高く高く]
子供のようにはしゃぎ疲れて、
僕の背中で寝ている君。
今日はめいっぱい体を動かして遊んだからなぁ……
おいかけっこをして、
僕に勝った時の嬉しそうな笑顔も、負けた時の悔しそうな表情も……君の様々を堪能できて良かった。
次にあった時は何をしようかな。
僕はそっと微笑みながら、昂る鼓動を何とか抑えた。
〜子供のように〜
〜高く高く〜
『高く高く』
母は
不出来に思っていたのか?
私の鼻を指で摘み
高くなぁれ高くなぁれと
何時も繰り返していた
ある時は
厚紙で挟んで
上から洗濯バサミで摘んで
高くなったと確信して喜んだ
母は
我が子が自分に似ている事よりも
美しい作品である方が
良かったのだろうか
親の心を知らない子供
子供の心を知らない親
高く高く
高い高い〜!!
小さな女の子とそのお母さん。
嗚呼懐かしい。
私も小さい頃お母さんとお父さんにしてもらったな
高く高くあの空まで___。
志は高く、夢は大きく
どんな願望も心に思うのは自由
だけど現実は厳しくて、この気持ちを伝えることさえ苦慮している始末
でも、いつか殻を破って高みにのぼりつめたい
そして必ず、幸せをこの手につかみたい
『高く高く』
馴染みのない湿気と温みが私の身体を包んでいた。
身動きは、とれない。周囲もよく、見えない。
目が覚めると訳のわからない閉鎖空間にいた。勘弁してくれ。
いや、目が覚めたと言っていいのかは分からない。もしかすると意識が戻ってきたと言った方が良い気もするが、この際そんな事はどうでもいい。
兎にも角にも、此処から脱出したいという気持ちに駆られていた。
身体を下に引っ張られる感覚がある。どうやら私は今、直立してこの意味不明な空間に幽閉されているようだった。
そうと分かったらば、より上方を目指すほか無いだろう。
幸い、私を閉じ込めるこの壁は思ったよりも柔い。上へ登れば、一生此処で孤独に過ごすなんてことはないだろう。
さて、ではどう上を目指すかだが...これといったジャストアイデアが思いつかない。
しかし何故だか、「もっと高く上へ行きたい」という気持ちだけが膨れ上がっていく。
あぁもう‼︎私にこの気持ちを晴らす最善策をだれか教えてくれないか‼︎
随分と時間が経ったようだ。
この空間に時間という概念が存在するのかどうかなど私には分からないが、私が思考していたその時が存在していたことは事実であるから、時は前進しているのだろう。
そして、なんだか体が以前よりも温かい状態にある気がする。
身体も大きくなった感じがする。
以前からの変化はあったが、それでもまだ私はもっと、もっともっと高くこの腕を伸ばそうとする。
私の思いは満たされない。
もっと、もっとだ、ここよりずっと、高いところへ...。
満たされない気持ちが、私の身体をより成長させる。
この時にはもう、どう出るかなんて考えていなかった。
ただ、使命とも言えるようなこの気持ちが、今の私の原動力なのだ。
手放してはいけない。手放したくない。もっと、もっと...‼︎
不意に、身体が軽くなった。
そして次に、私は明るさを手に入れた。
私はそこに芽生えた。
来るところまで、来たようだった。
私の心は晴れやかだった。使命はとっくに果たされた。
ある時、1人の少年が私の顔を太陽のような眼差しで見下ろした。
私を手折ると天に掲げ、そして小さく接吻した。
束の間の休息
ケトルに水を入れてスイッチを押す。
ミルにコーヒー豆を入れて、ゆっくり取っ手を回す。ゴリゴリ、ガリガリと硬い手応えとともに、独特の濃い香りが広がっていく。
挽いた粉をフィルターにセットし、沸いたお湯を注ぐ。少しずつ、溢れそうになると手を止めて、またゆっくりと注いでいく。
お湯が落ち切ったところで、カップに口をつけた。
「にがっ」
すかさずティースプーン山盛りの砂糖とミルクを入れて、ようやくほっと息をついた。
高く高く鳥は飛ぶ
高く高くビルは建つ
高く高く気持ちは昇る
当たり前なのに当たり前じゃない生活を
当たり前に僕らは時間を過ごす
そんな生活がいつまでも
「続けばよかったのに」
「失敗の始まり」
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗失敗
失敗失敗失敗
失敗失敗
憧れ
空に浮かぶ高い雲。
月の周りに集まる最悪な雲。
夕焼けと共に光る天使の雲。
全ては高い高い目標でもある。
『高く高く』
高く高く、紙飛行機は飛んで行く。
しゅーっと空を切り裂き、白い軌道を描いた。
見えなくなるまで見つめたかったが、地面を滑った。
高く高く、風船は飛んで行く。
カラフルな風船は、人々の手を離れて浮かんでいった。
見えなくなるまで幸せを願っていたが、一つだけ割れてしまった。
高く高く、晴天は突き抜く。
空晴るる丘の上、新緑の草花の香りに酔う。
季節は変わるなと希うが、自然とは無情である。
はらり舞う花弁に思いを寄せた。
高く高く、一輪の花は昇って行く。
風に靡いたまま、どこか遠くへ霞んでしまう。
部屋に染付く甘い匂いだけは、何時までも憶えている。
声はもう、忘れてしまった。
貴女の可憐な姿は、高く高く、
どこ迄でも続く柔らかな蒼天に散って行く。
#23 高く高く
勝つための努力ではない
負けないための努力だった
2023/10/15
お題:高く高く
考え事している時や悩みすぎて頭が重くなって、真っ暗なのか真っ白なのか分からなくなった時に私は頭や心はズーンっと重いのに何故か頭のどこかはここにないようになる。しんどくなって行くたびに高く高く上へ上がっている気がする。その頭のどこかが高くなっていくと同時に頭が重いのに何故か変に軽く感じてすごくむず痒く気持ち悪く、余計にしんどくなっていく。
いつまでこれは続くんだろう…
1:00
目標を高く高くしすぎたら
辛くなって壊れちゃうかもしれないから
ちょっと高くくらいでがんばろ
私は強くなりたい
たぶん、まだ弱いところもある
でもあの頃よりは強い
高く高く届かないと思っていた
強さに少しずつ近づいている
私は私の人生を
あなたはあなたの人生を
高く高く、
掲げた理想はいつも自分を惨めにする。
その理想は誰のためのもの?
自分だけのための理想は、どのくらいの高さだろうか。
高く高く
高く高く、上を目指せば目指すほど苦しくなっちゃうよね
だから無理せずほどほどに頑張ってね
なんて言うけど、ほどほどに頑張ることができないんだよ
だからこんなに苦しいんだよ
でも実際に「ほどほどに頑張る」が出来なくても、その言葉で少し心が楽になる
お題「喪失感」
私の親は昔から、私の物を勝手に他人にあげてしまう人だった。
大事なとっておきを、ここぞという時まで仕舞ってしまう私も悪かったのかもしれない。そういうものは、毎回いつの間にか無くなってしまっていた。
服、靴、鞄、髪留め、アクセサリー、時計など。とにかく色々なものが無くなった。
無くなる度に新しいものを買って、また無くなっては新調しての繰り返し。
そうやって、勝手にあげてしまっても、必要なものはまた買ってくれたから。だからきっと、私の親は酷い人ではなかったのだろう。
良いように捉えれば、新しいものをたくさん買って貰える環境だったとも言える。
けれど、“特別”とか“思い出”とか、そういったものは理解してもらえなかった。
初めて買ってもらった物も、貯めていたお小遣いで初めて自分で買った物も。それらは気が付けば、従姉妹たちの物になっていた。
あの子たちは母子家庭で可哀想なんだから、貸してあげてね、と。その言葉は、ずっと忘れられずに残っている。
そしてその、貸してあげてねの対象は服とかではなく、父親のこと。
従姉妹たちは私の二つ上と一つ下。そう大して変わらない年齢で、私だって親に遊んで欲しかった。
だけど大人はみんな、あなたはいつでも遊んで貰えるんだから、と従姉妹たちを優先した。
あの子たちは大変。可哀想。母子家庭だから。父親がいないから。誰もがそう言って、私を後回しにした。
だから、大人はみんな従姉妹たちが可愛くて、私のことはいらないのだろうと思った。
いらないから後回しにされて、いらないから、私のものは何でも持っていってしまうのだ。
それなら私は、尚更いい子でいなければ。
いらないと思い続けられたら、連れていかれてしまう。
その考えは、大人が従姉妹たちを構うなか、一人遊びを身に付けた頃から生まれたのだと思う。一人遊びのなかでも、私は特に空想の世界を膨らませるのが好きだった。
誰にも邪魔されない空想の世界。形の無いそれは、誰にも貰われない、自分だけのもの。
だからきっと、空想の世界を広げ続けているうちに思い込んでしまったのだ。
――いらないものは、何かが持っていってくれる。
そうして大人になっても、私はその考えを持ち続けていた。
私の親も相変わらず、私の物は何でも勝手にあげてしまう人のまま。変わったことと言えば、従姉妹たちとの縁がいつの間にか切れたこと。
こちらから何か動いたわけではない。ただ、心のなかでずっと、いらないと思い続けただけだ。ずっとずっと、思い続けたから。だから持っていってくれたのだ、何かが。
そう信じて、私は思い続けた。
いらない。いらない。いらないから、早く持っていって欲しい。
私の物を何でも勝手にあげてしまう親なんて、いらない。私が一度も会ったことことのない人に、私に確認もせずに、何もかもをあげてしまう親を、早く持っていって。
ずっと、ずっと、ずっと思い続けて。
いらないのなら、貰うね、と。
やっと、貰いに来てくれた。やっと、持っていってくれた。
その瞬間から、空気が変わった。吸い込んだ息が、肺の奥までしっかりと染み渡る感覚。
これは、喪失感?
近しい人が、親族が、親が、いなくなって感じるのは、それだろう。
けれど、これは違う。いらないものを持っていってもらって、喪失感なんてあり得ない。
これで、私はやっと生きていける。
―END―